2018年 11月 08日
MolaMolaの新しい音 |
ヴァージョンアップされて、Henryさんから戻ってきたMolaMolaの音は、百戦錬磨のHarubaruさんも、
特にMolaMolaの音は凄かったです。数々のお宅を訪問させていただきましたが、今までの聴いた中でも最高のレベルだったと思います。SNと静けさ、音場は半端なく、ずっと聴いていたい音でした。あのMolaMolaは是非とも欲しくなりましたが、ちょっと簡単には手が出せないお値段ですね。
とまでいっていただきました。それほどまでの大きな差でした。来週の有楽町のショーでは、話題になることでしょう。もっともあのような出入りの激しい会場で、音の静けさの判断は難しいと思われますが、それでも従来までのCDの音ではありません。
大幅なグレードアップを果たした「GRFのある部屋」と「和室」との差は、また大きく開きました。和室の方がDACとプリを合わせると費用が掛かっているので、Mola Molaの経済性がよくわかります。もっとも、ユニコーンをならしている和室では、大きな部屋とは鳴らし方の方向が違いますので、MolaMolaのDACだけ有れば良いのですが。しかし、ボード交換をしてほぼEMMと同じ水準まできたMeitnerもなかなかの音なのは、先日のMFさんの作られたDACと比べたとき、はっきりとわかりました。やはり違いは最低域に有りますね。
その、同じボードを使ってV2になったEMMもシャーシーの違い、電源部の違い等で、Meitonerと比べると、やはり一日の長がありますが、今回のMolaMolaのヴァージョンアップによって、その位置が逆転したようです。しかし、MolaMolaのプリアンプ部の向上によって、EMMの音も良くなりました。
月曜日は、最近はめずらしい夜のお付き合いがあったので、聞けなかったのですが、昨日の晩は、MolaMolaにMacを繋いでみました。やはり、その音も随分と違い、時代の進歩を実感しました。早かれ遅かれ、時代はストリーミングの方向へ進んでいるようです。
何時ものデジタルコンサートホールを聴いていると、最近の録音と少し前の録音では、音の傾向が違うのに気がつきました。この頃の方が、音の分解能力は高いのですが、少し渾然としていた以前の録音の方が迫力が感じられます。同じホール、同じ楽団だからその差が解りやすいのかもしれませんが。
ラトルのマーラーの方が、最近のデュダメルのマーラーと比べると迫力が有ります。勿論オーケストラのメンバー構成によっても音は随分と違います。最近ではやはりペトレンコの指揮するときには、オーケストラも主席場から並ぶ一軍?メンバーが揃いますので、気合いの入り方が違うように思います。デュダメルは、デビューした頃の方が音が出ていました。今は、モーションの割にオーケストラの反応がいまいちという感じもするのです。
しかし、このデジタル配信の音が、今回のMolaMolaの改善で一層よくなりました。Bluetoothの改良も行われましたから、その所為もあるのかもしれません。CD以上の音質なら、必ずしもハイレゾ音源で無くとも充分実用になります。問題は、器の大きさでは無く、マスターの作り方や、録音そのものの姿勢を問われているわけです。その意味で、 1960年代の気合いの入った演奏と録音体制には、劣るような所もまだ見受けられるのです。
単純にアナログレコードがよいとか、CDの音は固いとか言う次元では無く、ここいらで新しい次元に入っている最新の機器での音を聴いてみる度量も必要でしょう。こだわりがあるから趣味の世界ではありますが、頑固と頑迷では、意味が違います。自らが殻を切り開いて行かなければ、進歩はあり得ないからです。
配信の世界がどのように変わっていくのか、そのあたりの事情に詳しいパグ太郎さんにお聞きしました。
GRFさん
相変わらず、CD/SACDの円盤一筋の私ですが、世の中、どんどん配信の方向に向かっていて取り残され感が日々つのっております。先日、聴かせて頂いたベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの音など本当に驚くばかりです。ダウンロードではなく、ストリーミングで、あそこまでの音が出せるとなると、世界が変る予感がしました。
というのも、ご存知のとおり2020年にはモバイル通信規格5Gが実用化され、下り実行速度で3-4Gbpsになります(USB3.0と遜色なし)。そうなるとスマホとDACのUSB接続だけでDSD128のストリーミング再生が手軽に出来る、そういう姿が現実的になってくるからです(ルーターやらNASやら一切不要)。
ローカルのストレージでない環境で大容量データが流れてくるわけですから、再生アプリやDACのキャッシュ・コントロール方式あたりの技術が音質を大きく左右するコアになってくるのかもしれません。
ここから先は空想ですが、そういう時代になれば、WEB配信サービスにおいても、音源の品質について、ワインと同じ様な評価手法が登場するかもしれません。葡萄の品種・村は同じでも、どこの畑で、だれが作り手で、何年産かによって格付けが変るように、同じ演奏でも、オリジナルの録音エンジニア、リマスターのエンジニアとその年代、使われた技術が異なるものがWEBの棚に並んでいて値段が違っている、そして、ロバート・パーカーの様にそれの格付け情報を出す人が登場するなんて!
そうなった時、自分のこの円盤はどうしようかとも思います。蓄音機とSPのように楽しむコレクションにするという考えもあります。が。これも空想ですが、配信サービス屋さんが、きっとデータお預かりサービス(リッピングデータを個人用配信エリアで管理してくれるサービスです)を始めるに違いないと睨んでいます。スマホで写真撮ると何時のまにかクラウドに吸い上げられていて、そろそろ容量が限界で有料化しませんかと煩く言ってくるアレの音楽版です。写真の画素はどんどん上がって気が付けば無料容量を超えて消すに消せないというのは、DSDで保存したらあっという間にというのと瓜二つ?
何れにしても、これからのストリーミングとDACの進化から目が離せないなと感じた次第です。
パグ太郎
スピードの改良で、配信サービスの充実など、急速に世界は変わりつつあります。自分の音源を配信サービス会社に預けて、保管や若干の費用を稼ぎ出してくれるかも、音源の銀行化が進むのでしょうか?考えてみれば、自分のお金であっても、銀行に預けている限り、それは本物のお金では無く、通帳上の数字でしか過ぎません。昔はそれでも預けてあれば、金利を生んだのですが、現在はただ預けているだけです。
現在は、長年掛かって集めてきたレコードやテープやCDは、形として残っては居ますが、それがデジタル化してファイルになり、使いたいときだけその預けてあるストレージから使うのは、私のような世代の人間にはやはり抵抗があります。しかし、使いこなしを考えていくとそれも個人的な感傷に過ぎないのかもしれません。
by TANNOY-GRF
| 2018-11-08 07:35
| オーディオ雑感 CD 篇
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