2018年 11月 17日
友の会 第三回例会 ⑥ 夜香さんのご感想 |
先日、GRFさん主催のオーディオイベント、「第三回ジャーマンフィジックス友の会」に参加させていただいた。 ご存知のように私はジャーマンフィジックスのスピーカを使っているわけではないのであるが、毎回お声がけいただいている。 会場は横浜のMさんが主催するワインスクール、ル・サロン。いつ来ても、圧倒的なデザイン力と質感あふれる本物の家具調度にる空間は、極めて贅沢な空間である。
第一部、第二部の構成になっており、第一部はジャーマンフィジックスのトロバドール40を搭載したワンオフスピーカをGRFさんが選んだブログラムで鳴らし、後半は美味しい料理とワインを楽しみながら、横浜のMさんが導入されたマッキントッシュXRT26を中心としたシステムを楽しむという構成。 もちろん、私は昼から夜までとおして参加させていただいた。
ランチはAionさんと待ち合わせて京華楼へ。ランチコースにしても良かったのだが、アラカルトでオーダー。美味しい四川を満喫できた。時間には少し早かったのだが、きっとGRFさんが鋭意調整中だろうから、それも拝見してしまおうと考えてルサロンに向かった。
到着すると予想通りGRFさんが音の確認をしている。 どうやら、セッティングは完了しているようで、ちょっと聴きでも何やら凄いことになりそうな予感の音が出ている。 すぐにGRFさんと大山さんは遅めのランチにでかけ、横浜のMさんと奥様、Aionさん、そして私で今日のメインシステムの響きに耳を傾ける。
実は私には心配していることがあった。
それはつい先日、この場所でXRT26システムを拝聴し、そのとんでもない次元の音に心底、魅了されてしまった。事前情報では、今日のイベントでのトロバドールを搭載したメインスピーカーは18cm口径の対向駆動ウーファーとのこと。いやいや、いくらなんでも、XRT26のサウンドと比べると聴き劣りするだろうから、本番ではXRT26は鳴らさないほうが良いのでは?という心配であった。
杞憂だった。
今、目の前でなっているチョン・ミョンフンのシェラザード(DCCコピー版)の低域といったらどうだ。地を這うような低域がろうろうと、広大な空間いっぱいに広がっているではないか!?一瞬、XRT26が鳴っているのかと思ったほど。
あまりに素晴らしく充実したサウンドに、今度はXRT26大丈夫か?とすっかり逆の心配になってしまった。それは横浜のMさんも同じ気持ちだったようで、むむむと言った表情が印象的。すでに、横浜のMさんの頭の中では第二部のバトルシミュレーションがぐるぐるしていると推察した。 これは、今日は凄いバトルになるぞ!と門外漢の私はワクワクしていた。
三々五々、みなさんが集まり、予定の時間に会はスタート。
日本にオーディオイベントは数々あれど、個人主催のイベントとして、GPTKはおそらく最高にゴージャスで、サウンドのクオリティもピカイチではないかと思う。ま、他を知っているわけではないのだけど(苦笑)
GRFさんの挨拶につづいて、みなさんの自己紹介。当たり前だが、みなさん、自分がお使いの装置の話をもれなくされる。ああ、これはオーディオイベントであったなとあらためて実感した。私には初見の方が多く、聞けば多くの方がファイルウェブで投稿されている方であった。そういえば、GRFさんのブログでお名前を拝見した方ばかりだったように思う。 そうか、今やオーディオ情報発信の主力はファイル・ウェブなんだなと妙に納得した。
クラシックを中心にこの日のプログラムは展開されていた。おそらく参加者の多くがクラシック愛好家なのだろう。
この日のスピーカは仕様としては昨年のものと同一という。違いはバイアンプで上下ユニットの駆動レベルを調整することに割り切り、フルレンジでのユニット能率あわせのための回路はウーファーから取り去ったとのこと。さらに入力は先日バージョンアップしたばかりのMolaMolaのプリDAC。両者相まってのことだとは思うが、こんな小さなウーファが鳴っているとは到底思えない魔法のような音である。大山さんに聞いたところでは30Hzまでのレスポンスがあるというのだから、さらに驚く。オリンパス単独では到達出来ない世界である。
ゆったりしているくせに機敏で、軽々しているくせにずっしりしているという、ソースオンデマンドな低域をベースに透明で、しかし厚みがある広々として中高域がバランスした、非常に魅力的なサウンドであった。
色気もあり音情表現も豊か。駆動アンプはSD05×2によるパッシブバイアンプ。このアンプは良いアンプであることは知っていたが、こういう情的な表現は苦手のはずと思っていただけに、このアンプが基本的に透明度の高いアンプであり、ソースの質、スピーカの質をさらけだすのだなあと考えをあらためた。
DSDの自家録音のジャズがかかる。反則級のコンテンツだが、これがまた見事。こういうサウンドを聴いてしまうと、すぐにとは言わないが、いずれはトロバドールもオリンパスに組み込んでみたくなる。どこまで菅野さんの追っかけをする気なのか?と言われそうだが、どこまでかなあ〜
演奏全般で感銘を受けたのは、とにかくCDが素晴らしい音がすること。鳴り物入りで登場し、一時期、アナログを完全に駆逐し世界の音楽標準メディアとなったかに思われたCDだが、昨今、ハイレゾの登場やらLPの復権などもあり、CDは音が悪い的な風潮すら出てきているのが現実だと思う。
GRFさんはそれに警鐘を鳴らし続けている一人だが、この日のサウンドを聴けばCDが悪いのではなく、鳴らし手に問題があるのだということが浮き彫りになる。
パトリシアバーバーが聴こえてきた。 きっとCatbossさんのリクエストだと思う(笑)
最初はCD、そしてSACDと比較試聴することができたが、結果は非常に興味深いものであった。私には圧倒的にCDが素晴らしく感じた。CDの音にはほとんど不満がなかったが、SACDは演奏の起伏が単調で、音のヌケも悪く、ああ、このアルバムはCDがベストだなと漠然と感じた。ただ、それはここで鳴った音での判断で、両者は音が違いすぎるのである。音色というだけではなく、音楽として違うくらいの印象を私はうけた。演奏者自身はどちらをリスペクトするのか?それを聞いてみたいと思った。これはメディアの違いではなく、マスタリングの違いにほかならず、こういう比較試聴がそもそもあまり意味のないことを示す好例とも感じた。
スピーカセッティングの実演もしていただいたり、GRFワールドを満喫することができた第一部が盛大な拍手のなかで終わり、いよいよお待ちかねのワインと美味しい料理がが振る舞われる。
前菜、魚介類、そして肉料理と、すべての皿に併せて、ワインスクールの渡辺先生厳選のワインが振る舞われる。これは美味しいに決まっており、実際、とても美味しかった。料理がワインを引き立て、ワインがさらに料理を美味しくする。理想的なマリアージュを堪能。
そうこうしている間に、なにやらバックヤードでGRFさんと横浜のMさんに動きがあった。いよいよXRT26の出番のようである。これは、のんびり食事をしている場合ではないと、私もバックヤードにかけよりマッキントッシュ陣営としてお手伝いさせていただいた。
第一部のジャーマンがあまりに素晴らしい音だったので、横浜のMさんからソースはMolaMolaで行きたいとGRFさんに提案があり、まずはMolaMolaをプリとしても使う接続を試す。よってMolaMolaの出力はマッキンのPEQであるEQ109に直結。
GRFさんにHWの準備が整ったことを伝えると、GRFさんが一瞬にやりとして(したように感じた?)楽曲をスタートさせた。
テレサ・テン 再見我的愛人
やられた。。。しかも、DSDファイルには違いがないが、香港盤の中国語アルバムオリジナルからDSDにダビングしたファイルである。
もちろん、存分に良い音だが、先のジャーマンに比べるとセンター位置で聴いたときの音像の厚みがやや薄い印象を受けた。すぐに横浜のMさんにC26を入れてみましょうと提案。 途中、左chからのハムの混入があったが、すぐに横浜のMさんが問題を解決。PAのプロであった横浜のMさんの現場力の高さは本物である。
C26を再生系に投入し、二回目の音出し。もちろん再見我的愛人である。
来た!これだよこ!!装置のオーナーでもない私がついつい嬉しくてニヤリ顔がとまらない。
ここからは横浜のMさんの独演会。次から次にジャズやらクラシックやらポピュラーやら様々な音楽が演奏される。もう、会場は完全にライブハウスである。
横浜のMさんの最後の演奏はLPによるカウントベイシー88ストリート。 お見事としか言いようのない素晴らしいサウンドであった。 つい先日、私が聴かせてもらったときよりも、さらに熟成度があがったような、これぞジャズという演奏であった。
その後、GRFさんがライブ盤を中心にXRT26を鳴らす。
さながらGRF歌謡ショーである。どれもこれも素晴らしい雰囲気と浸透する音楽を楽しむことができた。
マッキントッシュのXRTシリーズは有名な割に、オーディオマニアでも聴いたことのある人が少ない不思議なスピーカで、それはジャーマンのトロバドールも同じ。
今回のGPTKは、その有名だけど知ってる人の少ないスピーカを、それもとびきりの好条件で楽しむことができた稀有な一夜となった。 参加されたみなさんも満足されたのではなかろうか?
私は、もう大満足の素晴らしい夜となった。
計画とオーディオ演奏&プレゼンを披露いただいたされたGRFさん、そして会場運用などを実施いただいた横浜のMさんにあらためて感謝である。
夜香
by TANNOY-GRF
| 2018-11-17 11:30
| 友の会
|
Comments(1)
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by
TANNOY-GRF at 2018-11-18 10:47
夜香さん 気合いの入ったご感想をありがとうございます。あの例会の二三日前に、XRT-26の転倒防止用のベースの取り付けに大山さんが出かけていて、良い音がしている事は聞いていましたが、TW4/2の低域の凄さは、有機ELの映画再生時に、家が振動することで実感していましたから、さほど心配していませんでした。
去年のようにピアノが移動できないので、必然的に前に来ましたが、無指向性のDDDユニットには、後ろに距離が取れたことが良かったです。SD05二台でバイアンプは去年と同じですが、インピーダンス平滑回路のリミッターが外れて、どこまでも、回転が上がっていきました。
過大入力で、SPのオーバーレブも心配していたのですが、SD05のブレーカーが働きましたね。今回もSD05の低域再生能力の凄さを再発見しました。石田さんが、「おいおい余り無理するなよ」と見守ってくれていた気がします。
最後のカウント・ベイシーのレコードには、Mさんの本気があふれていて、こちらも新しい次元に突入しましたね。
皆さんも大変喜んでいただき、とても楽しい夜になりました。来年は、もっと大変ですね(爆)。
去年のようにピアノが移動できないので、必然的に前に来ましたが、無指向性のDDDユニットには、後ろに距離が取れたことが良かったです。SD05二台でバイアンプは去年と同じですが、インピーダンス平滑回路のリミッターが外れて、どこまでも、回転が上がっていきました。
過大入力で、SPのオーバーレブも心配していたのですが、SD05のブレーカーが働きましたね。今回もSD05の低域再生能力の凄さを再発見しました。石田さんが、「おいおい余り無理するなよ」と見守ってくれていた気がします。
最後のカウント・ベイシーのレコードには、Mさんの本気があふれていて、こちらも新しい次元に突入しましたね。
皆さんも大変喜んでいただき、とても楽しい夜になりました。来年は、もっと大変ですね(爆)。