2018年 12月 11日
4Kだけの週末だったはずなのに |
この週末は、お客さんの予定もなく、こちらから訪問する予定も入れていない休養日でした。12月1日の4K放送開始以来、録りためていたほぼ二週間分の番組を見て過ごしていました。その中には、ウィーンのムジークフェラインザールでの第九の演奏会も含まれていました。日本と違って、第九は音楽祭の開始のプログラムなど、めでたいときにやるやはり特別な曲のようです。今回の演奏は、日本にも来るアンドリアス・ネルソンスの指揮で、ウィーンフィルとウィーン楽友協会合唱団のいわば正統的な演奏です。急に中年太りし始めたネルソンスが、たっぷりめの衣装で出てきました。人のことはとてもいえないのですが、おなか周りの大きさはとても服でも隠せません。いい男前なのにどうしたことでしょう!?
でも演奏は、奇をてらったところはなく普通の第九でした。狭いムジークフェラインの舞台一杯にオーケストラが並び、その後ろに合唱団がところ狭しと並んでいました。昼間の演奏が多いこのホールでは、天井に近いところに窓が並び、とても明るい雰囲気です。
カラヤンの初版のチャイコフスキーなどの写真で見たことがおありだと思います。ウィーンフィルの演奏会は、日曜などは午前の11時とか昼間の時間帯が多いのは、一寝入りしてから歌劇場の夜の公演に出るからです。オーケストラのメンバーは相当なハードワークです。ウィーン国立歌劇場管弦楽団のなかからオペラではない音楽を演奏するのが、選ばれたメンバーで構成されるウィーン・フィルです。
歌劇場の管弦楽団は、約150名で、年間300回近くの公演を9月から翌年の6月まで行っています。300日に300回ですから休み無しですね。歌劇場のオーケストラピットには制限もありますから、ほぼ2チームが交代で行っていると思われます。問題は、日本に来るようなときですね。そのときは65歳で引退した元メンバーまで動員しているようです。サルツブルグの音楽祭では、久しぶりにお目に掛かったOBのメンバーのお顔も拝見します。
4Kを見るはずだったのに、いつの間にか興味がやはり音楽の方に移っていきますね(笑)。今週末がテレビに時間を割いているのには理由もあります。大きな部屋のMolaMolaのプリアンプ・DACがまた、Henryさんのところに帰っているからです。具合が悪くなったのではなく、プリアンプ側の調整と、日本の電源事情に合わせたファームウェアのヴァージョンアップがなされたからです。
それには理由があり、前回、前々回とDACのヴァージョンアップに伴う改良が施されたのですが、以前の音にはあった、音場の奥行きや静寂間が少しだけ薄れ、明瞭さと楽しさ側に振られていたからです。EMMのDAC2X V2と比べると、落ち着きが少し無くなったと思ったので、三回目の調整を行っていただいたのですが、今回は、プリアンプ側とファームウェアの再調整に里帰りしています。Henryさんは、クリスマスプレゼントと言っていましたが(笑)。
そんなわけで、ご覧の通り、今週末はがらんどうです。もっとも、レコード側に繋げて、プレヴィンのレコードなどは聴いていました。彼のEMIのレコードはTASの特選にもよくなって優秀録音で知られています。弦の音が良いですね。
真ん中のMolaMolaばかりではなく、左側のEMMがないのは、等々隣の部屋に持ち込んで、MeitnerのV2とのガチンコ勝負をしているからです。兄弟げんかになるし、折角落ち着いているのに、その差を見せつけるのは、自虐的だとも思い控えていたのですが、Londonの「のびーさん」が、Henryさんに依頼された、DAC2Xのヴァージョンアップとイギリス用の電源変更をしたDAC2XV2が鳴り始めたと連絡が来ました。
何でも、使い始めた最初からその音には驚かされたそうです。スケールが大きく、とくに再低音の重量感が増して、幅も奥行きもより大きなステージが表れたそうです。今まで使っていたDACより説得力のある音楽表現が聴けるようになったそうです。
このメールを拝見したので、使われていないDAC2XV2を和室に持ち込んだわけです。すると、やはり音は違うのです。勿論、倍以上の価格差があるので、無ければ困るのですが、V2になっ他部分の中のボードはまったく同じ物です。シャーシーや電源部等の基板の材質や、その他の部分長がこのサウンドステージの差になって出てきているのでしょう。
並べて比較すると最初にDAC2Xを持ち込んだときとは音が大分違っていました。それはDACを棚から出したからです。平行面の棚から出すと、固有の振動モードが無くなって音がすっきりすることは、わかっていましたが、今回もやはり!という感じでした。
後日談になりますが、月曜の夜、戻ってきたMolaMolaに繋いで、反対に大きな部屋にDAC2XV2とMeitnerV2を持ち込み、再度、ガチンコをしてみました。やはりサウンドステージの差はありますが、音質の差はほとんどありません。和室より差が少ないのです。逆にmeitnerのコストパフォーマンスは高いともいえます。
棚から出すことによって、和室特有の音がこの部分で形成されていたと言うことがよくわかります。驚くべきは振動モードですね。しばらく並べて比較しました。しかし、シャーシーの差はいかんともしがたく、フロートボードとの間に砂袋を敷いたり、上にのっけたり、ケーブルを変えたり、電源ケーブルもいろいろ交換して音の差を縮める努力をしました。倍以上の価格差が、1.3倍ぐらいには接近しましたが、それ以上はどうしようもありません。結果的には、しっかりした筐体に入っているプリを棚に入れて、Meitnerは外に出すことにしました。
CD34改は、そんな事とはまったく関係なく、淡々と良い音で鳴っているのが、不思議でさえ有りますが・・・
最終的には、このような形に落ち着きました。すっきりしましたね。
まだやるべき事はあるのですが、今度は、戻ってきたMola Molaの方の音です。こちらも驚くべき事になっていました。
追伸
一日たって聞き込んで行くと、昨日、音質向上のためとプリとメインの間のケーブルを、従来の1.5mから1m(DACとプリ間用)にしましたが、音のバランスが微妙に変わり、元の1.5メートルに戻しました。同じ事が大きな部屋のプリとメイン間でも起きました。大変微妙なバランスの上にのっているのです。
普段からこのような調整は頻繁に行っていますが、だからといって、それは調整の一手段です。フィードバックがかかりやすい狭い部屋では、置かれている機器の位置を少し動かすだけでも音像が変わるのは、何時もお聞かせしているとおりです。自分がどこに行きたいのか、目的地をしっかりと持つことが、調整では一番大事なことですね。
by TANNOY-GRF
| 2018-12-11 14:38
| オーディオ雑感
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