2019年 01月 20日
フランス音楽の世界 |
長い間、クラシック音楽を聞いてきたつもりですが、やはりドイツ・オーストリアの音楽を中心に聞いてきたのだと思います。ここに来て、パグ太郎さんとOrisukeさんの影響で、フランス音楽やフランスの演奏家の盤が増えてきました。
レコードの世界では、ドイツ盤や英国盤のレコードと比べると、フランス盤は、レコード自体の盤質も硬く、総じて硬い音の印象があります。ヨーロッパを旅するとき、その国の空港でレンタカーを良く借ります。
運転中は、ライトクラシックの番組ををよく聞いています。音楽の時はそれほど感じないのですが、アナウンスの声や宣伝の時になると、音質が国によって随分違うのに気がつきます。そうじてドンシャリなのですが、それでも高域の明確なカーブと、子音が良く聞こえる音と、低域中心の音に別れます。
これはオーディオでもいえるようで、ドイツ人の好む音と、フランス人の好む音はまるで違っています。日本人お好みは、英国の放送に似ていると思います。フランスの車は、サスペンションも椅子のクッションもゆったり柔らか目なのですが、流れてくる音は、カチカチの音なのに驚かされます。
今回のKenYoshida氏の録音問題も、きわめてフランス的な音だと思うと、凄く納得するのですが、問題のアルファレコードではなく、たとえば、ディリカのピアノ曲や同じくアーベンと演奏しているベートーヴェンのチェロソナタなどは、とても落ち着いた録音です。MIRAREというレーベルで、ジャケットもとても凝っていて、一枚一枚が美術品のようなつくりです。
Ken Yoshida氏の革新的な音作りとは違って、MIRAREレーベルの音は、ジャケットのように落ち着いて聞いていられます。そこで、MIRAREのカタログを見ていたら美しいジャケットばかりで、知らない曲が多いので、ひさしぶりにジャケット買いをしました。そして、そのCDが昨日、ヨーロッパから届きました。美しいジャケットばかりで、見ているだけで楽しくなります。
中でも、ピアノの前で憂い顔で首を傾げている女性と、パリのカフェで、誰かを待っているような女性の姿のジャケットです。よく見ると、ドイツ兵の軍服姿もあり、どうやら占領下のパリの絵のようです。そして、雨に煙るセーヌの橋と、アルプスの山間の風景でしょうか?ジャケットを見ているだけで、中の音楽が聞こえてくるようです。
この演奏をしているのが、フランスの女流ピアニストのアンヌ・ケフェッレックです。ベテランのピアニストで、調べてみたら、同期生でした。非常に味わい深い演奏を行っています。バッハやフランスのサティなどを得意にしています。滋味深い音にとても落ち着きます。
同じフランスのレーベルでも、arufaレーベルとは正反対の音作りで面白いと思いました。
by TANNOY-GRF
| 2019-01-20 14:43
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