2019年 01月 21日
パグ太郎さん邸の進化した音 |
土曜日の午後に、国立のS.Yさんが、荻窪のパグ太郎さん邸にお越しになるとお聞きしました。パグ太郎さん邸には11月にお伺いしてからは、もっぱら拙宅で、オーディオよりもCDや演奏会での音楽談義を行なっていました。それというのも、前回お邪魔した時に、SPの位置調整方法をほとんどモノにされていたので、あとは、ご自分で微調整しつつ、さらに深い音の不思議を体験された方がいいと思っていたからです。
音の調整は、その人の求める深さによります。どこまで、音楽を追求するかにかかっているわけです。何をしても音はすぐに変わります。ご自分で体験された経験を通じて、どこまで求めるかで音楽の深さは変わってきます。Germanのような無指向性のSPの音場は、やはり実際の演奏会を通じた経験を通じなければ解らないからです。二次元の絵のような、フレーム(額縁)に入れてバランスを取るか、みずからその枠を外して、大海に漕ぎ出していくことも出来るからです。
パグ太郎さん邸には、時間通り着いたのですが、その後にご用のあるS.Yさんは、少しは早めに来られていたようで、音楽を聴かれています。私も早速聞かせていただきました。前回よりもますます良くなっていますね。微調整を自分の技にされています。音の柔らかさが違います。ここまで来て、あと少しだけ調整するとしたら、音の密度かもしれません。右側のSPを少しだけ内側に寄せて、密度を高めてみました。音楽の濃度と温度感もすこし上がったような気がします。SACDプレーヤーとプリメインアンプ、そしてSPだけのシンプルな構成だからこそ、調整だけで楽々と音楽が鳴るのかもしれません。オーディオと音楽の境界は、物理的な方法だけでは越えられないようですね。
GRFさん
週末、色々と有難うございました。前回の定期健診は11月中旬でしたので2か月も経過したのですね。矢の如しとはよく言ったものです。その間にも色々なことがあって何度もお目にかかって、その都度刺激を頂いていますから、某番組の「年齢により刺激への感受性が落ちると時間が短く感じる」という説には、実は納得がいっていません。それよりも、刺激を受けたことが記憶から抜けてしまうので、過去のイベント密度が薄く感じられる方が原因ではないかと思えるのです。日記やBlogを見返してみると、そういえばそういうこともあったと思い出されて来て、時間経過の感覚が戻ってくるような気もします。
閑話休題
この2か月の間、HRS-130も導入半年を経過したわけですが、ちょうど年を越す直前のタイミングで、音の柔らかさ、上下のつながり、空間の広がりが、変わった様な気がしておりました。また、位置調整も、試行錯誤の繰り返しと、ご一緒に幾つかのお宅を訪問させて頂いて他所様でのGRFさんの調整の仕方を拝見することが出来たことで、少しは分かるようになってきた気がしてきておりました(実は他所様での調整を拝見するのは、文字通り岡目八目で客観視できるためか、本当に勉強になりました)。と言いつつ、「これは、単に耳が慣れてきて脳内補正をしているだけでは?」という疑念もぬぐい切れず、Yさんのご訪問と合わせてお越し頂いてしまいました。
結果的には、大分良くはなっている(エージングの進行)ものの、何時もの一蹴りは必要でしたし、それ以外の機器の設置方法に奥の深いノウハウをお教えいただくことになり、何時も思うことですが「途遠し」という所でした。お陰様でYさんには、良い状態でお聴きいただくことが出来、良かったです。
それでも、以前に比べて、オーケストラも、声楽も、ピアノも、室内楽も、皆、音楽の流れ方が深く、ゆったりと聴けるようになったと最近では思えるようになってきました。低域が高域とバランスして音楽を支えてくれる、空間表現が揃うという2つのことで、内声部がしっかりと聞こえる様になれば音楽の表情は大きく変わるということを体験できる所に、ようやくたどり着いた気がしています(その先には、大きな峰が連なっているので、登山口についたというレベルですが)。
ということで、ここにきて音楽に集中する時間が増えています。お持ちいただいたケフェレックの最近のMirareへの録音は素晴らしかったですね。ケフェレックは高校時代の同級生が大ファン(40年前ですから、ジャケットは華の様な麗しさでした)で、彼女と会話したくてフランス語を学び、フランスに赴任し、最近の来日時にやっとその夢をかなえたというのがおります。ケフェレックというと彼の印象が先立って(というか熱くなりぶりに当てられて)、じっくり聴いてこなかったのです。年齢を重ねて収録されたMirareのサティもラベルも、パリジェンヌの軽いタッチのイラストを見て、またまた若作りをして無理してないかという邪念が入ってスルーしておりました。今回、お持ちいただいて、本当に味わい深い演奏で感動してしまいました。これも、低域の深い響きと、ハーモニーの奥行が細部まで見通せることで、昔聴いていた時とは異なる印象になったという要素もあるのかもしれません。
楽しい時間を有難うございました。
パグ太郎
by TANNOY-GRF
| 2019-01-21 20:53
| 行ったり
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