2019年 06月 27日
ベルリン・バロック・ゾリスデン with 樫本大進 |
火曜日の夜は、武蔵野市民文化会館のベルリン・バロック・ゾリスデンの演奏会でした。三鷹の駅におりたのは、六時を少し回ったぐらいでした。三鷹の駅から市民文化会館ほぼ1キロです。日によって時間は違いますが、15分は掛かりません。今日はまだ体重が軽いので、文化会館についたときは6時14分頃でした。まあまあの歩きが出来ました。体重の差には大変敏感で、あと2キロ増えると途端に歩けなくなります。
時間が中途半端なので、今日待ち合わせをされている方が、演奏会の前に必ず訪れるというスパゲッティ屋さんを覗いてみました。丁度お客さんが出てきたところで、運が良いかなと中に入ろうとしたら、ご主人が、まだお待ちになられている方がおられますのでといわれ入れません。見るとお店の中にも待合の椅子が在り、お二方待っておられました。残念ですが仕方がありません。後からお聞きするとその中に待ち合わせの方がおられたかもしれませんが、まだお会いしたことがないのでわかりませんでした。
それから時間が来るまでホールの表で待っておりました。こんな時のために、スウェーデンの推理小説を用意してあります。今日は大ホールの公演なので、開演時間の六時半を過ぎると続々とお客さんが来られます。年齢層は定年過ぎの方が多いようにお見受けしました。武蔵野市民文化会館は客層が良いです。西宮の芸術劇場と双璧ではないでしょうか?でも、阪急沿線の西宮の方のお客さんが、少しリッチかもしれません。関東と関西の差が服装に現れます。西宮のお客さんはおしゃれですね。武蔵野の方が幾分地味で庶民階層という感じがします。
しかし、集まってきたのは凄い人数です。紀尾井の倍以上ですから当然なのですが、何時もの小ホールとは全く違います。エスカレーターの上の踊り場は一杯になってしまいました。大ホールに来たのは、オーケストラか有名アーティストだけです。待ち合わせの方もこれだけ多いとお会いしていない方なので、お探しするのですが、目印の杖を使われている方も多く、ホールも混み合いわかりませんでした。
今日はめずらしく二階席です。開演五分前にはいりました。二階から見るとホールの大きさが良くわかります。定員は1225名だそうですから、中ホールの大きさですが、13名の室内楽団には大きすぎますね。会場としては小ホールがピッタリでしょうが、客席が少なく425名だそうです。樫本大進さんが看板ですから、やはり大ホールでないと入りきれません。
ベルリンフィルのメンバーが活動している室内楽団は現在32団体あるそうですが、ベルリン・バロック・ゾリスデンはその内の一つです。樫本さんや同じ第一ヴァイオリンの町田さんお二人のお師匠である、アバドの時代のベルリンフィルのコンサートマスターだった、ライナー・クスマウルさんが1995年にこのベルリン・バロック・ゾリスデンを作られたそうです。
ゾリスデンと銘打たれているとおり一人一人がソリストの集まりですね。現役のメンバーも何名かいて、CDもいろいろなレーベルから20枚ぐらい出している、しっかりと活動している団体です。今日のソリストは、オーボエのジョナサン・ケリーと樫本大進ですが、全員がソリストの団体ですから、楽しみですね。
第一部は、そのジョナサン・ケリーのソロでアルビノーニのオーボエ協奏曲、マルチェッロのオーボエ協奏曲、ヴィヴァルディのオーボエとヴァイオリンのための協奏曲の三曲を演奏します。別な公演ですと、フルートも交代で出るようですが、今日はオーボエだけです。
デジタルコンサートホールでおなじみのジョナサン・ケリーは、何時もテレビで拝見しているので、とても親しく感じます。私自身は、ケリーさんより、今一人の主席のアルブレヒト・マイアーさんの方が、いかにも苦しそうに弾くので好きなんですが(笑)、ケリーさんは涼しい顔して難曲を弾いていきますので、その意味の緊張感がなく、とても平和的で、牧歌的な演奏感じます。バックのメンバーもケリーさんの音色に合わせているのでしょうか、どれを聞いても余裕が有る演奏です。新幹線で100キロぐらいをゆっくりと走行している見たく、こちらもビックリしません。それが普通の演奏のように聞こえました。とても巧いのですが。
さて、休憩が終わった第二部は、いよいよ樫本大進さんの登場です。大きなホールに最近随分と痩せた樫本さんが入ってくると、一回り小さくなったように感じられます。上のオフィシャルビデオの時とは、10キロ以上違うのではないでしょうか?意識的に身軽になっているのなら良いのですが、余りの違いに健康のことも気になるぐらいです。もっとも、その時はミューザでした。ホールの響きの差も当然ありますが。
今ひとつ気になったのは、以前、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲を聴いたときと、楽器の音が違って聞こえたことです。お使いの楽器は同じ1674年製のグヮルネリだそうですが。奏法も体重が変わると変わりますから。以前の方が楽に音が出ていたように思います。
今日、演奏するのはヴィヴァルディの四季です。もっとも有名なクラシック曲の一つではないでしょうか?聞き慣れているイ・ムジチの演奏からは随分と時がたったのが解ります。指揮者のいないアンサンブルは、タイミングを取るのが大変ですが、その呼吸を合わせるのが醍醐味なのかもしれません。各奏者がすべて自発的に、演奏スタイルを決めています。指揮者がいない分、一人ひとりの演奏への気配りが必要なのでしょう。
上のビデオほどはアグレッシブではありませんでしたが、ト短調の夏の章が良かったです。でも、有名な冬の第二楽章、「炉端での安らぎ、外は雨」は、その雨音が早く感じられました。同じ曲をアンコールでも今一度弾きましたが、そちらの方が情緒も音も安定していたようです。それにしても、後半の四季の方は、前半のオーボエ協奏曲に比べて、遙かに技巧的にも、情緒的にも驚きと感動がありました。メンバー全員のやる気がようやく目覚めた感じです。
今日が、長い日本公演の初日です。この後、各地を転戦するようです。
6/25(火)武蔵野市民文化会館
6/26(水)すみだトリフォニーホール
6/28(金)広島・上野学園ホール
6/29(土)福島市音楽堂
6/30(日)山形テルサ
7/04(木) ミューザ川崎シンフォニーホール
何時も思うのですが、広島から福島へはどう移動するのでしょうか?広島空港から仙台空港行きの空路でしょうね。今回は小編成だから良いのですが、フルオーケストラの移動は、メンバーより楽器類の移動が大変だと思います。中には東京と大阪を二往復するような移動もありますから。
終わってから、先ほど満員では入れなかったスパゲッティやさんに直行しました。誰もおらず、ご店主には先ほどはお断りして済みませんでしたと、謝られました。初めての客でも顔を覚えているのですね。メニューは豊富で、悩んだあげくボンゴレロッソにしました。メニューをよく見ると二皿目は少し安くなるとかかれていますが、一枚目を食べている最中にボロネーズも味見したくなって麺は少なめでしたが、頼んでしまいました。折角減量して楽に歩けていたのに・・・翌日の朝、おそるおそる体重計に乗ると、昨日よりは1キロ確実に増えていました。
by TANNOY-GRF
| 2019-06-27 21:35
| 演奏会場にて
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