2020年 02月 04日
News Letter No.9「友の会」の紹介記事 |
日本でのGerman Physiks愛好家の会
2020年最初のNews letterにようこそおいでいただきました。私たちの製品に関心をお持ちの方々、そして新しく購読者になられた方々に厚く御礼いたします。今月のNewsletterの話題を考えていたとき、ある日、日本から来たDDDドライバーの交換のご依頼が、どうして彼の地にGerman Physiksの愛好家の会の設立まで至ったのかをお話することにいたしました。
そのはじまりは・・・
2012年の6月、我々のもとに日本で中古のユニコーンを買い求めた方から連絡が入りました。その時点でもう、そのユニコーンは製造してから14年も経っていました。この製品は一個のチタン製のDDDドライバーを使用していて、周波数は21,500Hzから55Hzまでカバーしています。
German Physiks製のスピーカーの他のモデル全ては、200Hz前後で下をカットされて、それ以下の低域は一本または複数の通常の形のウーファーを使用しています。それは、DDDドライバーの強度と可動範囲から、大振幅の低音再生を制限しているからです。しかし、そのユニコーンはその低域の特性をバックロードホーンと組合わせることで、低域を55Hzまで再現しています。現在のユニコーンMK-IIはカーボンファイバー製のDDDユニットを使用することで、低域はさらに広がり40Hzまで再現できます。詳しいユニコーンの仕組みは、News letterのバックナンバー5をご覧ください。
当初のチタン製DDDドライバーは、とても薄く、そのお客様のドライバーも長年の使用から、ところどころチタン膜にへこみが出ていました。そのお客は、元の状態に戻すためにペアーの新しい交換用のドライバーを発注してきました。それは何も問題はなく、私たちは何時も過去に作られた製品用の交換部品を提供できるからです。
おおよそ一月後、それらの交換用ドライバーはお客様に出荷されました。彼はその新しく生まれ変わったユニコーンの音を聞いてとても喜んでくれたのです。彼の元に出荷したDDDドライバーは、改良されたヴァージョンで、そのままオリジナルに取り付けられますが、サウンドはとても良くなっていたのです。そのお客様は、実は大変熱心なオーディオ愛好家で、東京でオーディオ愛好家のグループを主宰されていたのです。
そのお客様には沢山の同じように熱心なオーディオ愛好家の友人がいて、彼はそれらの友人を招いて、彼の「新しい」ユニコーンを聞いてもらったのです。聞かれた方のなかには大変気に入っていただき、彼らも同じユニコーンを彼らのシステムにほしいとの声が出てきたのです。
その要望をお聞きして、彼とは何回かのやりとりがありましたが、彼はお仲間のために六台まとめてオリジナルのユニコーンを発注されたのです。大分前に製造を中止していたモデルですから、製造再開にはいくつかのチャレンジがありましたが、我々はやり遂げました。
これらの写真は、「新しい」ユニコーンが、オーナーたちの家に収まった写真です。
その次に起こったのは・・・
そのお客様は、我々の製品の中から、二つのその他の製品に目をつけられたのです。それはチタン製のDDDドライバーを一台のTroubadour40と同じくチタン製のDDDドライバー二台組み合わせて使っているTroubadour80でした。いずれのモデルも200Hz以下の低域は出ないので、それに合わせるウーファーとの組み合わせが必要です。そのお客様は、彼の好みの独自の性能の良いウーファーを作ることにしました。
上の写真は、そのウーファー開発中の写真です。この実験機では、22センチのドライバーを二台、全方位用に前面と後面に配置したキャビネットの上に、Troubadour40を乗せて実験しています。後方には彼のオープンリール機のコレクションが見られます。Nagra T-Audioが三台、右奥には4台のNagra4Sがご覧いただけるでしょうか?我々が言ったように彼は真のオーディオ愛好家なのです。
その完成品は・・・
プロトタイプ機は最終的には、この様な形になりました。ここでは、Troubadour80との組み合わされています。右側のグレーのボックスは、Troubadour用のイコライザーネットワークです。ドライバーに影響を及ぼす低域は減衰されています。後方の茶色の箱はウーファー用のネットワークです。
Troubadourシステム用に作られた専用のリスニングルームです。後方のウーファーは、18インチの大口径ユニットが使われています。この部屋のオーナーも壁際にさらに沢山のオープンリールのテープレコーダーを収集されていますね。
German Physiks 友の会

上の写真は、去年2019年の11月に開かれた「German Physiks友の会」の模様です。集まったメンバーの方々はワインを片手に音楽を楽しまれています。お伝えしたいのは、座れる席がこの部屋一杯に広がっていることです。これはDDDドライバーが元の音楽と同じバランスで、ステレオの音場を作り出すからです。実際のコンサートホールのようにどの席で聞かれても音楽が楽しめる音場の再生を行っているからですね。
このような音場再生は従来のスピーカーでは出来ません。
最初は、ユニコーンのドライバーの交換から始まった流れが、8年間でここまで大きくなり、ウーファーの開発に伴い「German Physiks友の会」まで大きく発展してきたというお話でした。
それでは次回まで・・・
by TANNOY-GRF
| 2020-02-04 16:33
| 友の会
|
Comments(3)
2007年にUNICORNさんのお宅で聞いたユニコーンに驚き、とっくに製造中止していた中古のユニコーンが我が家に来たのは、2008年でした。それから4年、当初から気になっていたドライバーのエッジが限界にきてバックロードホーンのロードが掛からなくなり、その五月にGerman Physiks 友の会の会長が主宰されているホワイトアスパラガスの会で、私のユニコーンを輸入した会社の社長にお会いして、どうしたら修理が出来るかをお聞きしました。それで購入時から気になっていたユニット交換を実施したわけです。その時点で、ユニコーンは製造されてから14年も経っていたのですね。14年前と言えば、この家と同じ年なのですね。これも何かの縁でしょう。

GRFさん
ジャーマンのニュースレターは2012年以降のことで、それ以前の歴史もあったのですね。追加された皆さんのユニコーンの写真を拝見していると、お一人お一人の物語がそこにあるのだろうなと想像が膨らんでしまいます。あ、いつの間にか日本語になっていますね!
ジャーマンのニュースレターは2012年以降のことで、それ以前の歴史もあったのですね。追加された皆さんのユニコーンの写真を拝見していると、お一人お一人の物語がそこにあるのだろうなと想像が膨らんでしまいます。あ、いつの間にか日本語になっていますね!
やはり、英語だけでは解らんと言う声もありましたので、つたない飜訳ですが、日本語版も追加しました。日本語になると、何時もの文体になってしまうのはお許し下さい。
わたしも皆さんの家に今は必然のように収まっているユニコーンの写真を見て、あのときユニット交換を頼まなければ、ここまでの発展はなかったのだと今更のように思いました。
SD05ファンクラブからの、大山さんのご協力が無ければ、ここまで来ませんでした。まだ、まだ新しい分野も開発中です。今年のGerman Physiks友の会もおもしろいですよ!
わたしも皆さんの家に今は必然のように収まっているユニコーンの写真を見て、あのときユニット交換を頼まなければ、ここまでの発展はなかったのだと今更のように思いました。
SD05ファンクラブからの、大山さんのご協力が無ければ、ここまで来ませんでした。まだ、まだ新しい分野も開発中です。今年のGerman Physiks友の会もおもしろいですよ!