2020年 02月 15日
ユニコーン カスタム 製造と到着まで |
記憶を確かめる為に、あの頃のメールをあたってみました。すると、リクエストから受注までの10日間の間に、45通ものメールを交わしていました。そのほとんどが、形状と細部の仕上げのやりとりです。最終的には、UNICORNさんの仕様と同じになったのですが、ネットワークだけは、Troubadourシリーズのように外部に出すことになりました。キャビネット内部におおきなコンデンサーを入れ込む作業は大変だし、外にあった方が振動の影響も少ないと言うことでした。それにチタンとカーボンのユニットを交換するときには、外部のネットワーク(イコライザー)の方が、簡単に交換できます。
最終的な合意に達し、発注を掛けたのは6月の末でした。いずれにしても、実際の製造は夏休み明けの8月末からになるでしょう。夏休み前に、製造の図面を探し出し用意しておくと言うことでした。怒濤のような打ち合わせを重ねましたが、キャビネットの製造工程は順番もあり、また時間も掛かる製造方法です。賽は投げられましたから、後はゆっくり結果を待つだけです。
その間に、Troubadourの40と80はチタンとカーボンバージョンも頼んでみました。カーボンのDDDはチタンの欠点であった、丈夫さが桁違いで、チタンはアルミ箔ほどの薄さしかありませんので、触ることは厳禁です。一方カーボンは強度や復元力が桁違いで、押しても元に戻ります。厚みも一桁違います。私自身は、その時点でカーボン製のDDDユニットを聞いたことはありませんでした。Troubadourシリーズは、200Hz以下には、別のウーファーが必要です。GermanではめずらしいDIYの製品なのです。
興味を持った我々は、シングルの40と二つユニットを使って上下にスタックした形の80のチタンとカーボンを発注してみました。実験ですね。ウーファー部分は、大山さんに作っていただくつもりでした。そのTroubadour40と80は八月には空輸されてきました。そのチタンの80は、横浜のMさんのところに運ばれたのです。
パラゴンの上にのせられたTroubadourは200Hzぐらいまでしっかり出ますから、パラゴンの筐体に相当響きます。そこでフローティングボードを入れて、その振動をとってみました。そして、G1のウーファーと組み合わされて、今まで聞いたこと無い迫力のある音が、80から聞こえてきたのです。ダブルにスタックされたDDDドライバーは、シングルの40と比べて、倍では無く4倍の迫力有ることを聞かせてくれたのです。80の将来性を感じた実験でした。
夏が過ぎ、九月に入った頃、ユニコーンの木工部分の製作が始まったと言って来ました。しかし、時間が掛かるのは、塗装の部分です。光沢仕上げの塗装は、何度も塗っては磨く工程を繰り返します。六台もありますから、仕上がるのはまだまだでしょう。同時に、特注のMK2の仕上げも聞いてきました。こちらは、UNICORNさんと同じのAmerican Cherryにしました。ユニットの回りのグレーの飾りや、下のプレートのグレーもやめて、同じ材質にして貰いました。特注ですから費用は掛かるのですが、見栄えは随分変わります。
10月の中旬には、順調にいけば11月中にはとの返事が来ました。塗装工程は、やはり時間が掛かります。気持ちを長くして待ちましょう。でも、待てば待つだけ、期待が高まりますね。
11月中にはといわれていたので、航空便だけどもしかしたらクリスマス時期になり、そうなると大きな荷物の場合、空港で順番待ちになり少し時間が掛かることもあります。最終的に出荷の案内が来たのは、12月の中旬になっていました。この分だと、到着はクリスマスのあとになりますね。案の定、到着の案内が来たのは、年末でした。正月は通関業務も急ぎで無ければ、正月明けになるので、保税倉庫で年を越しました。日本に到着しているのに、引き取れないというのも半年待った身には切ないですね。
仕事用に借りている倉庫に入荷したのは、一月の第三週になる頃でした。ペアーの大きさは、German が大きくなるよと言われたようにこの大きさです。ペアーでパレットに乗りその上にネットワークの箱が乗っています。大きいです。その理由は、私がこだわった裾の部分のホーンですね。裾が広がり大きな空間が生まれています。
でも、一緒に来たMK2の大きさもほとんど変わりません(笑)。ほんの少しですね。こちらのAmerican CherryはユニコーンさんのMk1.5と同じ仕上げできれいです。ユニットの周りのグレーの首輪?が無くすっきりしています。
半年間待ってようやく到着したユニコーンたちは、6 +1で全部で七つがいもいました。パレットが七つもあると壮観です。半年前にユニット交換をしただけだったのに、倉庫一杯に並んだパレットを見て、感慨深いモノがありました。これだけの大きさになると、倉庫からの運送も、トラックをチャーターしなければ運べません。倉庫が空になるには一週間もかかりました。
他の箱も空けてみました。本当に美しいですね。しばらく見惚れていました。
by TANNOY-GRF
| 2020-02-15 02:02
| 和室のユニコーン
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Comments(4)

こうやって拝見するとやはり、ユニコーンのオリジナルは「貴婦人と一角獣」の様な気品に溢れた工芸品ですね。そして、どこか秘密を隠し持っている佇まいも似ています。これは家人には見せられません。
パグ太郎さん そうです。怪しいでしょう〜!ダースベーダー卿は受け入れても、この貴婦人は家庭内争議をもたらすかもしれませんね。秘密の個室に閉じ込めておかないと・・・

思い起こせば、GRFさんからユニコーンの再生産ロットの予約を打診された時、神さんにこの貴婦人をリビングに受け入れる許可を得ようとしたのですが、GRFさん宅やunicornさん宅の写真を見せたところ、何故か許可が降りませんでした。
ひょっとして、何か妖しい陰?を感じたのでしょうかね?
写真を拝見する限り、リビングに置かれてるのはASさんの御宅と拙宅だけに見えます。
ASさんの御宅程の洗練されたインテリアならではのマッチングですが、余程奥様が出来たお方なんでしょうね?
ひょっとして、何か妖しい陰?を感じたのでしょうかね?
写真を拝見する限り、リビングに置かれてるのはASさんの御宅と拙宅だけに見えます。
ASさんの御宅程の洗練されたインテリアならではのマッチングですが、余程奥様が出来たお方なんでしょうね?
椀方さん 言われるようにASさんのお宅は「余程奥様が出来たお方なんでしょうね?」です(爆)。
ASさんのお宅のユニコーンはダークな色調で、デンマーク製の素敵な棚に挟まれて、縦置きにされています。後ろのタペストリーも音響とインテリアを考えられたデンマーク製です。
ASさんのお宅のユニコーンはダークな色調で、デンマーク製の素敵な棚に挟まれて、縦置きにされています。後ろのタペストリーも音響とインテリアを考えられたデンマーク製です。