2020年 05月 04日
外出禁止の意味は |
政府専門家会議のメンバーで、「八割おじさん」と呼ばれている北海道大学の西浦さんの説明されている8割の意味が今ひとつ、浸透されていないように思えます。実際、渋谷の交差点でも、ガラガラに見えますが、7割減というところです。スーパーや公園では、5割減というところではないでしょうか?連休明けの5月6日までの外出禁止が、5月末まで延長されました。二ヶ月近く外出を控えていたのに、まだなのかと、がっかりされた方も多いのではないでしょうか。
外国で行われているロックダウンと呼ばれる完全封鎖と違い、日本の場合は外出禁止要請です。だから公園や河原やパチンコ店などに人が集まるのです。外国のように何十万円の罰金を設定しなければ、やはり8割削減は無理なのではないでしょうか?
山中先生のブログでも紹介されていましたが、北海道大学病院 呼吸器外科の樋田医師が、誰もが簡単に8割削減の意味を理解できるようになる簡単な計算式を考案していただけました。
コロナの感染率は、一人が、2.5人の人に移すとされています。発病してから20日間は他の人に感染する力があります。そこで、計算をわかりやすくするために、従来通り人と会っていた場合、10日間で2.5人の人に移すとしますと、感染者100人をそのまま放置しておくと、10日後には100人×2.5で、250人に感染者が増えます。その割合で増えていくと、
10日後 100人 × 2.5 = 250人
20日後 100人 × 2.5 × 2.5 = 625人
30日後 100人 × 2.5 × 2.5 × 2.5 = 1,562.5人
一月後には、100人が1,562人までふえるのです。その後も、
二ヶ月後には2万5千人
三ヶ月後には、38万人
とあっという間に、NYやヨーロッパの国々のように、感染者が増大していきます。
ここで、外出禁止での接触を半分にした場合は、10日間で感染させる2.5人を半分の1.25人に出来ます。しかし、感染者が1人を越えている場合は、増大のカーブは多少緩くなりますが、感染者は減りません。
10日後 100人 ×1.25 = 125人
20日後 100人 × 1.25 × 1.25 = 156人
30日後 100人 × 1.25 × 1.25 × 1.25 = 195人
二ヶ月後に 380人
三ヶ月後には、743人
で、50%削減では感染者は減らず、一ヶ月後ごとに倍になってしますのです。
では幾らまで削減すればそれが二月頃の数字になるかと言えば、60%削減まですすんで、やっと1倍になります。横ばいですから感染者の数字は変わらないと言うことですね。しかし、これでは何時までも、外出禁止を続けなければなりませんし、そして少しでも気が緩むと、また感染者は増大してしまいます。
50%減 2.5人 × 0.5 = 1.25倍 195人
60%減 2.5人 × 0.4 = 1倍 100人
70%減 2.5人 × 0.3 = 0.75倍 75人
80%減 2.5人 × 0.2 = 0.5倍 50人
では何%まで削減すると、感染者数も減少し始めるかと言えば、人との接触を6割以下にしてようやく、数字は減少し始めるのです。例えば7割削減では、感染者が3割にまで減ると言うことですから、2.5人 × 0.3 = 0.75人にしか移さないと言うことです。すると、
10日後 100人 × 0.75 = 75人
20日後 100人 × 0.75 × 0.75 = 56人
30日後 100人 × 0.75 × 0.75 × 0.75 = 42人 まで減り始め、
二月後に 17人
三月後には、7.5人 にまで減らすことが出来ます。
では、政府専門家会議が目標としている、8割削減だとどうなるかと言えば、八割削減なので、感染者数は2割まで減ります。すると 2.5人 × 0.2 = 0.5人で、8割削減して、感染者数を半分にまで封じ込めるのです。その効果は大きく、
10日後 100人 × 0.5 = 50人
20日後 100人 × 0.5 × 0.5 = 25人
30日後 100人 × 0.5 × 0.5 × 0.5 = 12.5人 まで減り、
二月後に 1.56人
三月後には、0.2人にまで減らすことが出来ます。
100人が0.2人ですから、現在、15,000人まで拡大してきた感染者数を一月前の四月あたまの3,000人まで押さえ込むことが出来ます。そして、そのあとの一月間で、三月初旬の感染者数300人台までいければ、封じ込めに成功したと言えましょう。そして、各自がマスクを着用してマナーを守り、つり革や不特定多数の人が触るドアノブや、エレベーターのボタンなどに直接触らない習慣を作っていくしかないのです。
そして、各段階での治療薬が街のお医者さんでも、出せるように普及させ、ワクチンの完成を待つしか、この状況を収束させる手段はないでしょう。そこまで、経済的な支援が本当に必要です。全ての人が加害者にもなるし、被害者にもなるのです。現在の社会を支えてくれている医療関係者、流通関係者、治安関係者の感謝しつつ、今こそ、他者を思いやる心が必要なときはありません。
今回の説明はわかりやすく算数が出来る小学生以上はほとんど理解できますね。電卓で、0.75、0.5と10日ごとに掛けていくと、数字の変化がよくわかります。知らない人との接触を6割削減しただけでは、一旦拡散した感染は、そのまま維持されてしまいます。最低、7割削減を全国規模で2ヶ月間進めていかなければ状況は変わりません。ヨーロッパやNYのような医療崩壊が起こらないように、皆さんが少しづつ我慢して、協力していかなければなりません。
三密を続けている、パチンコ常習者や河原でバーベキューを行い、深夜まで騒いでいる連中、空いた首都高をサーキットにして走り回っているドライバー。自分だけは罹患しないなどという尊大な思い込みが、どれだけ他の人を危険にさらしているか、SNSなどでの発信を見ていると、自分勝手な人の行動は自ずから現れているのです。
さあ、私は懸案の書類の整理、CDの整理整頓を行います。やることは山のようですね(苦笑)
by TANNOY-GRF
| 2020-05-04 12:25
| コロナ関連
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