2020年 07月 12日
Sokolovを聴く |
和室では、隣の部屋から持ってきたEMMのDAC2Xが良い音を出しているので、いろいろとCDを乗せて聴きまくっています。Meitnerは具合が悪いのかと、隣の部屋で聴いてみると、音の違いはある物の、それほど落ちることはありません。常用のMolaMolaに比べると、少し余分な音がしますが、シャーシーの差も大きいと思っています。
石田さんが設計されたCD トランスポートのMS-1はご覧の通り上のパネルが傾斜しています。平行面のある通常のシャーシーだと、ないぶで特定の周波数で振動します。鳴き龍現象みたく、定在波が起きるのです。その為、MS-1では上のパネルが15度傾斜しています。同じように棚の中に入ると、棚とシャーシーの間の固有周波数が鳴きます。emmのシャーシーは相当頑丈なので、影響は少ないのですが、弟分のMeitnerでは、やはりシャーシーを叩くと音がします。その音が固有の周波数として乗るのでしょう。
EMMもMeitnerも、ヴァージョンアップしてV2になってから、同じ基板を使っています。違いは、電源部とこのシャーシーです。その差が音に出るのは、どの機器でも同じですが、精密な分その違いが出やすいのでしょう。
一方、emmに変わったユニコーンはますます音がさえてきました。前日に到着したばかりの、ソコロフの新譜を聴いてみることにしました。実は、このザルツブルグでのリサイタルの録音を聴いて、何だかうるさい演奏だなと思ったのです。キーシンみたく強い打鍵で弾いていたからです。それで、彼の演奏が私に合わないのかと思いました。ミケランジェリの住んでいた場所で開かれる音楽会の小曲を聴いて、ひょっとしたら、装置が合わないのかと、モノラルのカンテルリのメンデルゾーンの4番と、未完に終わったベートーヴェンの五番の第二楽章を聴いて、やはりDACを交換しようと思ったのです。
カンテルリ・フィルハーモニアは、がらりと変わりました。モノラルですが、まったくハンディは感じません。そのモノラルの音場が出てくれば問題は無いからです。何時聴いても良い演奏です。歴史に"IF"はありませんが、フリッチャイとカンテルリはそう期待する何かがありました。
カンテルリの他にもイタリアをアバド、カラヤンでも聴いてみました。またアバドの演奏会場での違いが楽しめるベートーヴェンの交響曲を第二番で楽しみました。
一方、ソコロフの方も変わりました。しみじみとしたピアノをいとおしむ音楽が流れてきたのです。彼は、飛行機は嫌いで、時差はもっと嫌いだそうで、ヨーロッパの移動できる範囲でしか演奏会をしないようです。また、一日500キロ以上移動するときは、前日に着いてから、そのホールを使いピアノや会場の音響を確かめるそうです。巨匠にあるように自分のピアノを持ち運ぶのではなく、会場ごとに違うピアノをスタインウェイの技術者が前乗りして調律して使っています。ピアノごとの音の違いを自分でも楽しんでるそうです。
聴いた音は、前世紀のホロビッツを渋くして、ギレリスを少しだけ押さえ、キーシンのあの強いタッチも持っているスタイルです。見た目はブッフヒンダーが演奏しているような感じですが、中身は全く違います。ロシアンピアニストですね。どのコンサートでも、長いアンコール曲を弾きます。一曲ごと、作曲者ごとに違う演奏をします。それが面白いです。自分も聴衆もピアノ曲を楽しめるからです。
しばらくなっていなかった、和室のユニコーンですが、ソコロフの鳴らし込みで、家の音も良くなったようです。
そちらで、ケーブルを変えて音を整合すると、結構聞けるのに安心しました。ユニコーンとの相性もあるのでしょう。また、棚の中段に入っているので、特定の振動を拾うのかもしれません。大きな部屋では、上の空間には何もありませんから。
by TANNOY-GRF
| 2020-07-12 20:16
| 和室のユニコーン
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Comments(2)
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エビネンコ
at 2020-07-15 13:51
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グレゴリー・ソコロフは、私がいま、最も聴いてみたいピアニストです。「ザ・ロシア・ピアニズム」という感じですよね。でも渡欧しないと聴けません(涙)上京できるようになったら、GRFさんちでソコロフを聴かせてください。
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TANNOY-GRF at 2020-07-16 10:59
エビネンコさん
彼のCDを海外からまとめ買いで購入しました。いずれも実況録音盤ですが、DGのマスターリングで、DGの音になっています。アラウとホロヴィッツを合わせたような感じです。音が違いますね。
彼のCDを海外からまとめ買いで購入しました。いずれも実況録音盤ですが、DGのマスターリングで、DGの音になっています。アラウとホロヴィッツを合わせたような感じです。音が違いますね。