2021年 01月 10日
久しぶりに和室のユニコーンも |
この二ヶ月余り、大きな部屋の装置の調整に明け暮れていましたが、TW5が加わった以外、オーディオ機器を変えたわけではありません。むしろ、装置の構成をシンプルに整理してきたともいましょう。その調整のコツもわかってきたので、ユニコーンをお使いの椀方さんとテレビ電話をしました。椀方さんは昨年、定年を迎えていまは、朝の散歩から始まり、豪華な朝食作り、季節の果物を使った料理などをこなした充実した日々を送っています。料理好きなのは、椀方さんのお名前通りですね。
着々と計画を立てて、それを実行されるご性格なので、FM放送の録音から、その番組の整理等、計画通りにこなしていくことが楽しみなのです。電話したときも、カチカチという音がしていましたが、何の音なのかお聞きしたら、データのファイルを切り分けている、マウスの音だと言われました。その作業をされているお住まいも、この寒い季節でも二重窓で暖房がよく効いて、寒い日の午後でも22度あり、とても快適だそうです。ちなみにその時の私の部屋は19度でした。
今日の連絡は、大雪に見舞われた出雲の田舎から、降り出す前日に戻ってこられた話から、先日のCさんとの阪急電車を使った三福詣でをされたお話しを聞きました。その中の中山寺には、ほぼ毎日登られているCさんとご一緒に初詣に行かれたそうです。Cさんは、今少し2500回登山に達するそうです。椀方さんの足で一時間。Cさんの健脚だと40分だそうです。毎日の山寺詣では関西ではおやまが近いこともあり、沢山お方がお参りの登山をされているそうです。凄いですね〜。
そんな話をしていたら、私も、早く大阪に行きたくなりました。今月は仕事でも行く必要があるのですが、この状況ではどうなりますか。お二方にもお会いしたいですが、会食がダメだとどうするのでしょう。
いろいろな話題に話が弾んで、肝心のSPの調整の説明になかなかいきませんでした。要するに、TW3/80とTW5/40で今調整しているように、椀方さんのユニコーンも触られると、費用はまったく掛からず、スポットを見つければ良いので、1ミリづつ順番に位置を探して行く行為は、椀方さんの着々とスケジュールをこなしていくご性格にもぴったりだと説明しました。キャビネットと一体のユニコーンは、移動が大変になるのですが、その効果は高いのではと話は弾みました。椀方さんから、和室のユニコーンも調整したのですかと訊かれて、ハタと思いました。孤独のグルメの井の頭五郎が、おなかが減ったときに、ポンポンポンと空腹に目覚める瞬間見たく、ズームアウトのピンポンの音が聞こえるように、自覚しました。そうだ、ユニコーンも調整しようと!
夜、食事を終えてからおもむろに、久しぶりに和室のアンプの火を入れて、めずらしく中央の席に座って、位置調整からはじめました。ユニコーンは、後ろの壁から、キャビネットの壁側まで260mmしか離れていません。横置きにユニコーンを置いているのでバックロードホーンの開口部も、前と後ろの両方にでています。六畳の部屋なので、スピーカーと聞く位置の距離は、畳の長辺一枚分です。ユニットと聴取位置とで正三角形をつくるので精一杯です。左側は壁、右側は棚が置いてあるので音の反射条件が違います。SPの間近では、ぴったり中央から出ている声も、試聴位置に戻ると若干左の音の方が強く聞こえます。
SP間にあたまを突っ込んでみると、至近距離では、中央から音が聞こえますが、2メートル離れた聴取席に戻ると、左に振っているのです。キャビネットを1ミリ単位で動かしたいのですが、大きな部屋のようなカリンの堅い床ではない畳の和室なので、簡単にはキャビネットは動かせないのです。
それでも、今日はそのユニコーンを抱いて持ち上げ、少しづつ1ミリ単位で動かしてみました。すると、声は中央から聞こえてくるのですが、オーケストラだと右側と左側の音の広がりが違って、同じ球体の大きさにならないのです。双眼鏡のピントが左右少しだけ違うと、立体像が現れにくくなりますね。あのような感じです。
そこで、レコード用のMolaMolaを持ってきて、リモートコントロールで、左右の音の差を調整してみようと、隣の部屋からレコード用のプリアンプを持ってきました。常用の工藤さんのプリには、バランスも左右独立のボリュームもないので、音量の微調整は、やはりSPの位置を動かすしかないので、MolaMolaのプリアンプの出番になったわけです。このアンプは、レコード用ですから、Phono EQは付いていますがDACはありません。DACは常用のMeitner改を使います。調整用のトスカニーニのモノラル盤を掛けて、オーケストラの場合のバランスを見るわけです。
リモコンから左右のバランスを調整すると、その変化はよくわかります。左右の球体の大きさを揃えていきます。そして、物理的なSPの距離も2ミリぐらい寄せてみました。微妙に調整をしていくと、左右のずれが少なくなり、音の見通しが良くなります。ユニコーンは、バックロードがかかっており、40や80とは違って動きが制約されます。その味わいが面白いのですが、全体を動かさなくてはいけないので、つい調整が甘くなりがちです。今回は1ミリ以内まで追い込んでみました。結果、極めて見通しの良い音になったようです。
写真では、まったくわかりませんが、最終的には左側のSPが2ミリ近く内向きになり、ピントが合ってきたようです。何時も聞いている位置からも、内向きになった分、音のバランスが整ったようです。椀方さんの参考になれば良いのですが・・・加えて、DACとプリの間のMITのケーブルを、バランスに換えてみました。後ろ側に回り込んで、接続作業をしていたら、ナイロン製の肩当てに真空管が触り、一瞬でナイロンが溶けて、回りにダウンが飛び散りました。アンプを消して作業をすれば良いのに、老人力のなせる技ですね。変えたら、当然音量も変わり、見通しが良くなりました。
昨日の晩、この記事を書きながら椅子の上で、うとうとしていました。夜中に書かなくても良いのですが、翌朝には忘れてしまいます。寝る準備をして空気を入れ換えようと外を見たら、空気は透き通り、中空に暗い部分もはっきりと見える球体の三日月が浮かんでいました。ガラス戸を開けてみようとしたら、冷凍庫のような寒気が部屋の中に飛び込んできました。もう、氷点下になっているのですね。慌てて閉めたのですが、一瞬で目が覚め、またこの記事の続きを書いていました・・・。
今朝、和室のユニコーンの音を再度聞き、左のSPにもう、一蹴り入れて見ました。調整をはじめたときとは雲泥の差です。やはり、日頃から気を遣って、愛情を注がないといい音はしてくれませんね。今日はアバドとベルリンフィルのブラームス2番を聴いています。ブラームス特有のコントラバスの響きが素敵です。バランス接続の効果でしょうか?
結局、連休初日の禁足令のでた土曜日は、寒くてどこにもでれないので、終日アバードのブラームスをユニコーンを聞いていました。聞き込んでいくとどんどんベルリンフィルの分厚い低音が増してきました。今までユニコーンからは聞いたことのないスケールです。トスカニーニ・フィルハーモニアの歴史的名演も再度掛けると、ステレオ、モノラルの区別はなく、良い演奏か否かの次元になったようです。目の前にそのトスカニーニのロイヤルフェスティバルホールが現れるのです。嬉しいですね。
隣の部屋で評判の良い、鮫島有美子も空間が冴え冴えと鳴ってきましたからユニコーン史上一番いい音です。ハイティンクのマーラー4番も83年の旧盤は相変わらずいい音です。06年の新盤は、やはり隣の部屋の3次元サウンドを聴いているので、今少し立体感がと、無い物ねだりを自分にしていました。その盤だけ持って、寝る前に隣で聞いてみました。やはりこちらの音が、今までの限界を突き破っているのであって、ユニコーンでもとてもいい音だと、納得しました。
寝ます!
by TANNOY-GRF
| 2021-01-10 09:43
| 和室のユニコーン
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Comments(5)
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椀方
at 2021-01-10 10:38
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GRFさんに押されて重い腰を上げ久しぶりにユニコーンを動かし始めました。
検聴モードに入ると難聴を患っていることがもどかしいですが、リタの歌声を頼りに調整中です。
ユニコーンの下にはローズウッドの細長い板をハの字に敷いているのですが、フローリングが床暖房仕様で柔らかいこともあり動かすと板がズレてしまいます。
矢張りシッカリした響きの綺麗な一枚板を敷いたほうが位置調整が楽ちんですねー!?
検聴モードに入ると難聴を患っていることがもどかしいですが、リタの歌声を頼りに調整中です。
ユニコーンの下にはローズウッドの細長い板をハの字に敷いているのですが、フローリングが床暖房仕様で柔らかいこともあり動かすと板がズレてしまいます。
矢張りシッカリした響きの綺麗な一枚板を敷いたほうが位置調整が楽ちんですねー!?
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TANNOY-GRF at 2021-01-10 13:30
椀方さん やはりしっかりとした台の上に載せないと、微調整はやりにくいですね。本体は、下のホーンの部分が、600ミリ、長さは640ミリですから、700 x 800ぐらい有れば乗りますし、どっしりいくと1メートル四方ぐらいで、厚さも3センチぐらいあるとしっかりしますね。
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プー博士
at 2021-01-10 19:36
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最近はこちらも時間がたっぷりあるのでレコードを聴く時間が増えました。GRFさんの記事に刺激されてユニコーンを少し移動させてみましたが、やっぱりいいなと思うところは元の位置になってしまいます。もう少し低音が出てもいいかなと思っているので、禁断の実験をしてみます(大汗) 音場はもう言うことありません。
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TANNOY-GRF at 2021-01-10 19:48
プー博士
低音を増すには、左右の間隔を狭めると出てきます。微妙な調整ですが、楽しみながらやってみてください。
低音を増すには、左右の間隔を狭めると出てきます。微妙な調整ですが、楽しみながらやってみてください。
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プー博士
at 2021-01-10 20:33
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左右の間隔というのは微妙ですね。音場が窮屈になったりします。コントラバスのCDがあるのでトライしてみます。