2021年 03月 03日
光カートリッジの開発の背景 |
家に戻ってくると、早速この光カートリッジの仕組みを調べてみました。まずこのカートリッジを開発したDSオーディオという会社の背景に驚きました。親会社のデジタル・ストリームという会社は、マイクロソフトと一緒に、ゲーム用のジョイスティックを開発したのです。その後、私も使っている光学マウスを開発しています。
これはNHKの国際番組用に製作されたデジタル・ストリーム社の紹介ビデオです。30分にわたり、詳細に説明されています。光を使った様々なデバイスが開発されそれぞれの分野で活躍しています。その背景があって、光技術を応用したカートリッジを開発したのでした。
光カートリッジと言えば、40年ほど前にいろいろな会社から発売されていました。それらは、評判は取ったモノ、CDの出現や寿命の問題で姿を消していったのです。今回、そこをどう解決したのか、このインタビュー記事が詳しく説明しています。そのインタビューの中で、展示会でデモする度に訊かれるのは、この光カートリッジはどのようにデジタルを使っているのかと言うことです。
このカートリッジは、どこにもデジタル技術は使っていない純粋なアナログ機器だと言うことを理解してもらうのが最初だそうです。先進的なデジタル技術を開発してきたデジタル・ストリーム社の子会社、文字通りデジタル・ストリーム社の代表の息子さんが作った会社でもありますから、デジタル技術を使っているに違いないと思われるのでしょうね。
そして、このインタビューの中でも語られていますが、初めてこの音を聞いた人たちの印象は私と同じで、これは従来からのレコードの音ではなく、38/2トラかDATのテープの音だと思いました。また、デジタルになる前のアナログ時代のハイビジョンだと思いました。ブラウン管でみた長野オリンピックの映像を思い出しました。低音の安定感、サウンドステージの出方、圧倒的なS/N比の良さに驚くのです。
このインタビュー記事の中で、DSオーディオの青柳社長が、どのようにして光カートリッジを開発するにあたったか、東芝製の光カートリッジを使い続けている人の音に出会ったからと書かれています。世の中には、この様な偶然、そして、必然が沢山あるし、カートリッジを作り続けたベテランの技術者が、この若者の意思をくんで、技術を教えてくれたのが、この製品に結実していますね。
開発がはじまったのが7年以上前で、最初の製品が現れてからもう五年も経っていますが、最近の事情に疎い私は、CDやSACD、そしてオープンリールからDSDに変換したソースを使って、三次元のサウンドの再現を目指していたので、S/N比が悪く、低域の再現も薄いレコードは、初版のオリジナルLPを聴くときや、CD化されていない昔の歌謡曲の実況録音盤を聴く以外では、ほとんど情報を更新していませんでした。
一番最近でも、2017年頃に導入したMolaMolaの20Hzまで延びるRIAAのイコライザーで、テープ的なサウンドが聴けたので、その段階から、レコードはほとんど進んでいませんでした。この四年間、レコード関係の情報には疎かったのです。どこかで光カートリッジの話は見たでしょうが、記憶に残らないのは、関心が無かったからです。しかし、今回、H氏邸で最高級グレードのGrand Masterの音を聞いて驚きました。
さて、問題はここからです・・・。
by TANNOY-GRF
| 2021-03-03 05:05
| オーディオ雑感 レコード篇
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