2021年 03月 19日
i さんとM.Aさんが |
水曜日の午後、さんざん吹聴している光カートリッジがどのようなモノだかを見に、レコード派の i さんが、M.Aさんの車で来られました。お二方とも、お越しなるのは大変久しぶりです。i さんは四年ぶり、M.Aさんに至っては10年振りですね。今回の光カートリッジが如何に大きな話題だか、このことからも解りますね。
お二人が来られる前の昼休みは、この機械の到着で、てんてこ舞いでした。先日来、Hさんお宅で旧いレコードを洗浄していただき、スクラッチノイズがほとんど消える実力に、光カートリッジが来る前に環境を整えなくてはと、販売終了になった機械を探していましたが、何時もお世話になっている名古屋のサウンドピットさんに最後の一台があったので送ってもらいました。その連絡をしたとき、電話の向こうから聞こえてくるお店が随分と騒がしいのです。お訊きすると、コロナの自粛で、オーディオが見直されて、旧い機械に電気を入れたら、動かなくなったと言う依頼が沢山きて、週末のお店は活況を見せて、凄く忙しいと嬉しい悲鳴を上げていました。家に閉じこもる趣味としては、オーディオは最適なのでしょう。いずれにしても忙しいことは良いことです。
厳重な梱包をあけて全ての部品を専用の置台を作って拡げました。部品が多く何やら大変そうです。取扱説明書をめずらしく全部目を通してから、おもむろに組み立てはじめました。ホースを所定の長さに切って、タンクにセッティングして行きます。最後に本体へホースを取り付けると組み立てが終わりました。家では,原発事故以来RO水の製造機を使っており、この様な目的にはぴったりです。付属の20Lタンクの半分ぐらいRO水を入れました。10キロありますから相当重いです。スイッチを入れて、レコードを入れると、すぐに動き出します。設定も洗浄時間と乾燥時間で、後は水面の高さを確かめます。レーベルギリギリまで来ているのを確かめて、あとは見ているだけです。標準は3分だそうですが、少しだけ長い4分づつの工程にしました。
作動音は相当うるさいですが、ここは、通路兼物置なので、扉を閉めると許容範囲に入っています。それでも、超音波はギリギリとした音だし、乾燥はヘアードライヤーが動いているわけですから、仕方ありません。8分経つと突然タイマーが終わり静寂が蘇ります。レコードの表面はきれいに洗われて、乾燥されています。レコードの片面の時間以内なので、聞く前にセットして片面聞き終わると、次のレコードをセットすれば、その日に聞く数の倍は処理できます。値段は高いですが、今までの超音波洗浄機だけよりは数段使い勝手は良いですね。
その1枚目の洗浄が終わる前に、お二人が到着しました。滑り込みセーフという感じです(笑)。
お二人とは何時も電話で話していますから、お元気なのは解っていたのですが、実際にお会いするとお互いに髪が白くなっていたりして、相応の年月が流れているのだと知らされます。早速、前日に繋いだCDによるマルチスピーカーの方から聴いていただきました。今日は、こちらの音はパスしようかと思いましたが、カートリッジが来る二週間ままで、全身で調整していた音ですから、少しだけ聴いていただきました。
でも、普段聴かれているコンベンショナルな装置とは、まったく違う音なので、お二人とも少し戸惑ったお顔をしておられます。そうかもしれません。わかりやすい鮫島有美子さんや白井光子さん、エリー・アメリンクさんを聴いていただきました。その時、TW5のウーファーあるなしを確かめていただきました。オーケストラではハーディングのマーラーの第10番です。でも、CDは早めに切り上げて、今日の目的の光カートリッジの比較です。
結線を切り変えて、SD05からシンプルにGRFに繋ぎました。最初は、アームの調整をぴったりと合わせているMaster1からお聴きいただきました。聞き慣れた音ですが、低域が違います。コンセルトヘボウのスケールの大きなでも、柔らかい音がGRF全体から聞こえてきます。壁の向こうにコンサートホールが広がっていきます。こちらは、針圧1.6gです。目盛りは1.7gぐらいを指していますが、中量級のアームのシリーズ5の2g以下は、精密に測り直す必要があります。
サファイアのカンチレバーは、力強い低域ばかりだけではなく、幾分カチッとした高音を出していて、明確な音です。テスト用の定番の森進一や越路吹雪を聴いていただきました。一通り聴いてから、今度はGrand Masterに。40年近く使ったアームなので、ケーブルのアースが短くなり、アースが浮いて、ちりちりとしたノイズが出ました。しっかりと繋ぎを確認して音出しです。
Master1とは出力の差が1.75倍もありヴォリュームの位置では、1時間半ほど違います。音量を再調整してかけ直すと、出力の大きさが、雑音の少なさに直結しています。低域の出方がまるで違います。しかし聞き込んでいくと、お借りしているDS-W1のイコライザーだと、音のバランスはMaster1に合っている気がします。Grand Masterだと低音のバランスが少し出過ぎのように感じました。それと、左右のGRFの焦点・内振りの角度がほんの少しずれている感じもしました。
お聴かせする内にその差が気になり始め、音の大きさが、幾分甘さに繋がっているのではと思い始めました。お借りしているイコラーザーは、もう販売を終了した第一世代のカートリッジ用なので、第三世代のGrand Masterには、そのあたりの差が出ているのかもしれません。Hさんのお宅は、EMMのイコライザーですので、すっきりとした美音で、その差は仕方ないのかもしれません。
その後は、iさんがご持参してくれた、フィッシャー ディスカウのシューマンの歌曲集、ショルティのモーツァルトのレクイエム、トレースが難しいとされる「La folia」そしてヒリヤード・アンサンブルのジョスカン・デ・プレ、さすがに渋い選曲です。私の方から、カラヤンのシベリウス第4番、セル・フルニエのドボルザークのチェロ協奏曲DG/LPM初期盤、定番のシュトライヤーのコントラバス協奏曲などです。
できる限り、洗浄しながら聴いてみました。お聴かせしながら、やはりGrand Masterは、今晩再調整しようと思っていました。お帰りの準備をしている間、和室のユニコーンも聴いていただきました。シューベルトのOP.595の二楽章をブレンデルで、アバド・ウィーンフィルのブルックナー第五番第二楽章などを少しだけですが、私自身久しぶりのユニコーンで、渋めの良い音が出ていました。
マスクしながらの鑑賞でどこまで伝わったのか不安もありますが、通常のカートリッジとは異なった世界を堪能していただければ幸いです。日が長くなりました。四時のおもてはまだまだ明るいです。桜のつぼみも膨らんできました。この花が咲く頃には、今一度、調整した音を聞いていただきたくお見送りをしました。
翌日、早速昨日のお礼とご感想の連絡がございました。CDのマルチとレコードの音を両方短い時間に掛けたので、どちらも中途になった感がありましたが、各々の特徴はお聞きになれたと思います。驚きは、レコードの雑音がなくなるとあれほどまで静かになるのかというのと、今まで針音やターンテーブルの騒音に埋もれていたレコードの音が、まるで見違えるほどきれいに再現できることです。今更のように、レコードの歴史の重さと人間の感性に適した音源だと解ったことです。
そこに行くと、CDはまだ得意な領域を再現しきっていないし、途中からSACDにシフトしたのは、とても残念です。SACDの大半は、特有のリマスタリングの音だと言うことも、光カートリッジを聴いてしまうと解ってしまいました。
そろそろ40年にもなるCDも、音源という意味では貴重な媒体です。その前の膨大なレコードの長い歴史を見ると、有名なレコード除いて、そのほとんどが、CD化されずに、もとのレコードだけがオリジナルだと言うことが解ってきます。私が収集している、70年代の歌謡ショーのほとんどは、CD化はされていません。その貴重なオリジナル盤が蘇っただけでも、今回の光カートリッジは意味があります。
by TANNOY-GRF
| 2021-03-19 07:53
| 来たり
|
Comments(0)





