2021年 04月 10日
kanataさんのご感想 長文編 前半 |
GRF邸訪問 2021.3.19
1. GRF邸訪問記(デジタルシステム編)
1.1 GRF邸再訪 経緯と背景
今回のGRF邸の訪問記に入る前に、前情報として私のGRFさん(およびそのお仲間の方々)との交流の背景を少し書きたいと思います。
GRF邸には2年半前(2018年の秋頃)に1度お伺いする機会をいただきました。その時は和室のユニコーンをメインにお聞かせいただき、洋室も最後に何曲か聞かせていただきました。それまでブログを拝読し、自分にとっては妄想の夢の中の存在であったGRFさんの音。その実際は、想像より遥かにエネルギッシュで熱く骨太な音楽そのものでした。音場の提示の感覚については答え合わせの様なところもあり、それまで自分が進んできた道の確かさを確認させていただく事が出来ました。また、その同年のGerman Physiks 友の会にもお声かけいただき、会の皆様と楽しくも濃密な音楽の時間を過ごさせていただきました。
German Physiks(以下GP) ユニットの複数遣いを聞いた経験で申しますと、昨年(2020年)の11月にパグ太郎さんのお宅に伺った際にHRS + PQSの合計4台遣いが奏でる音楽を拝聴する機会をいただきました。その際はその独特な音場空間の提示の仕方に驚きと感銘、そして正直なところ少なからぬ違和感も同時に覚えました。
GPユニット4本から放出されるかつてない3次元的でリアルな音場展開は、まるで実際のコンサート会場に居るかの様です。しかし、同時に従来のスピーカー2本構成でスピーカーセッティングがピシッと合った時の感覚からすると妙にダブって聞こえる所もありました。
この4本方式への大きな可能性は感じつつもその調整の難しさも同時に感じ、・・・人間業ではこれを合わせきるのは限りなく不可能に近いのではないか?・・・との思いを抱きました。以来、このかつてない難物に思えるGP複数ユニット遣いをご本家であるGRFさんは一体どう鳴らしておられるのだろうと妄想する日々が続きました。
そんな中、コロナ禍の最中にも関わらずありがたくも再度訪問のお声掛けをいただき、ここに来て更なるピークに差し掛かっているように見えるGRF邸に伺う機会を得たのです。
久しぶりにお会いしたGRFさんは以前と変わらぬ自然体で若輩者の私にもざっくばらんに接して下さいました。洋室に向かうまでの間にも、最近のトピックである光カートリッジにまつわる怒涛の展開についてお話をされる姿は(ご自身でもおっしゃっておられましたが 笑)まるで新しいおもちゃを買って貰った少年の様。ますます好奇心と探求心全開でエネルギッシュに突き進まれるその姿を見るとこちらも自然と体が熱くなります。
洋室に通されると、目に入ったのはこのところのブログでおなじみのGPのユニットとTWウーハーがそれぞれ4本連なる光景でした。それと共に話題の光カートリッジのアナログシステムも向かって左手のキャビネット上にセットされており、なんとどちらも今日お聞かせいただけるとのこと!後者はさすがに今回はお預けだろうと予想していただけに、これは我ながら絶妙なタイミングで伺ったものだとしばしシステムを眺めながら自分の幸運を噛みしめました。
従いまして当日お聞かせいただいたシステムは2つ。German Physiks Troubadour + PSDのTWのデジタル系システムと、GRF+光カートリッジのアナログ系システムです。これらのシステムの印象について順に書いていきたいと思います。
1.2 GP+TWのデジタルシステム
最初にお聞かせいただいたデジタルシステムは、EMM LabのトランスポートからMola MolaのDAC内蔵のプリで受け、是枝製真空管パワーアンプで、GPのトロバドール80のユニットを、その下のTW3のウーファーを鳴らして、後方のGRFの上に置かれた、トロバドール40も一緒に鳴らし、今回追加されたTW5のスーパーウーファーをSound DesignのSD05で駆動するというシステムです。
最初は私も持っているCDが良いだろうということでアメリングの歌曲集から再生開始です。
構成の近いパグ太郎邸の音をベースにこのGRF邸の機器構成を加味してあらかじめこんな感じの音かなと想像はしていましたが、まだ耳も慣れていないとっかかりから良い意味でそれを裏切る音が出て思わず唸ってしまいます。
その音を一言で表すと、「まるでアメリングがそこに立っている様」なのです。
あまりに使い古されたこの言葉にこの文を読んでくださっている方々も「またか・・・」と思う事でしょう。しかし「また」ではないのです。ここまでの実在感、実体感は私の経験の中で全く聞いた事が無い類のものです。
その凄みを一番感じさせるのが、歌手の体全体を丸ごと感じ取ることが出来るという点です。大げさではなく、手や足の動きまでも感じ取ることが出来ます。聴取者がここまでの情報を聴感のみで感じることが出来るのは色々な要素が高度に噛み合わさっているからだと感じます。
その高度に噛み合わさっている色々な要素とは何か。ここで一旦流れを切りまして、やや分析的にGRF邸の音を構成する主要な要素の印象を書きたいと思います。
1.3 GP+TWシステムの主な印象
①音像・音場の立体感が異常に高い
まず音像が立体的かつ音場空間の前後方向の奥行きが広大です。この立体感は通常の2chステレオ再生では聞いたことがない類のもので、2本のスピーカーの位相差や音量差による表現ではここまでのものは出せません。かといって5.1ch等のサラウンドともまた違います。その音像と音場の表出の仕方のイメージは実際のコンサート会場のそれに酷似しています。
感覚的に2chステレオ再生の強化版と言ったらよいでしょうか。基本は2chの位相差や音量差による音場表現を踏襲し、それに更なる奥の2本のスピーカーとの位相差や音量差を微妙に足し与えているイメージです。その奥の情報の付加によって立体感と奥行きが2chの枠を飛び越えたものに到達していると感じます。
②音像・音場の実体感・濃厚さが異常に高い
「異常、異常と他の表現はできへんのかい」と言われそうですが、実際どう考えても従来の2chオーディオの枠組みを超越した異常なレベルであるのでこう表現するのが適当だと判断しあえて連発しています(汗)
オーディオでありがちな事ですが、音場表現を重視したシステムでは音像表現はどこかホログラフィックで、実在感に欠ける傾向になることが多いです。(拙宅もどちらかと言えばこの傾向があります)しかし、GRF邸では音像の実体感、音場(空気感)の濃厚さを強烈に併せ持ちます。
その実体感、濃さを出しているのはもちろんご使用のコンポーネント個々の力もありますが、奥の2台のTW5ウーハーです。後述しますが、これらを切るとかなり自分が聞きなれた従来の枠組みの2ch再生の音像の実在感に戻ります。この奥のウーハーの効果は非常に強力で、音楽の説得力がまるで違ってくるのです。
③部屋の構造が強固でSNが高い
前述した要素に加え、構造からこだわり抜いたこの洋室のゆるぎなさ、そしてそこから来る高いSNが音楽を支える盤石の土台として加わっています。当日GRFさんから詳細を教えていただきましたが、この洋室はコンクリートスラブの躯体からはじまり、その上に幾層も素材を変え、厚みを変えて積み上げられた床の他、非常に強固かつ音響的に考えられたものになっています。更に専用室で大きさも20畳以上、高さも1階の高さを削ってまで確保されておりエアボリュームも十分、GRFさんのオーディオと音楽に対する熱い思いが強く色濃く表れたものとなっています。(実際前回の訪問時も今回も何度もオーディオはまず部屋だと語っておられました。)
高い防音を施した部屋にありがちな閉塞感を覚えるほどのSNとは違い、普通に会話している分にはそれほど部屋の凄みを感じません。が、実はこれがまたこの部屋の音響的に素晴らしい理由の一つであると感じます。強い防音を施して音をこの部屋の空間に閉じ込めてしまうのではなく、適度に音が部屋から逃げていく様にあえて気密は抑え目にしている様に思えるのです。
そのため、コンサートに居るかの様な大音量(と言っても爆音ではありませんが)で再生されたとしても部屋はゆるぎなく音楽を邪魔する音を出さず、しかし音が部屋に飽和しているうるささも感じません。それらによって大音量でありながらも細かい音も耳を向ければ聞こえたり、ピアニッシモの微妙な表現、表情の違いが手に取るように聞き取れたり、といったことが可能になっているのです。これも後述しますが、GRF邸の凄みの柱の一つであるマクロおよびマイクロダイナミクスの比類なき水準での両立もこの部屋あればこそと感じます。
今回この素晴らしい洋室で濃密な時を過ごさせていただき、やはり部屋はオーディオのすべての起点であるとまざまざと思い知らされることになりました。
さて、このあたりで話を当日の流れに戻ります。
1.4 スピーカーユニット構成別、比較試聴の感想
私の耳もそれなりにこの環境に慣れてきた3曲目のハイティンクによるマーラー4番をしばらく聞いた頃、GRFさんは大サービスをして下さいました。なんとスピーカーを手前のGP80+TW3の2chのみに切ってから順次入れていき、その構成の違いによる音の違いをお聞かせいただけるとのこと。まさか音楽の館のGRF邸でこんなオーディオチックな実験が為されるとは思いもよりませんでした。驚きつつもまたとない機会、この時ばかりはオーディオ耳を少し大きくして興味津々で聞かせていただきました。
①パターンA:手前のTroubadour80+TW3だけの2ch再生
まずは手前のTroubadour80+TW3のみでの再生からスタートです。この構成は以前の訪問で短時間ではありますが体験させていただいたものとほぼ同じ構成でもあります。
先ほどまで聞いていた4+4の再生とは打って変わって、自分の感覚に馴染みの深い音像と音場の出方になりました。全体の気配が感覚的にスッキリとして音場表現も凛として一本筋が通ったものになります。
この状態であれば、拙宅のシステムの音と全体の気配や傾向はかなりニアリーになります。もちろんレベルは違いますが、私の進んできた道の延長線上にこの音があると感じました。
そしてこの2+2の再生を聞いた瞬間、逆説的に4+2や4+4での再生についても違う側面から認知することが出来ました。4+4での再生は先に述べた様に実在感・立体感ともに通常の枠組みを超えた凄みを感じさせるものになりますが、反面、従来の2chでスピーカーをトントン位置調整していわゆるピントが「合った」状態から比較しますと、ピシっと音像や空間が一つの時間軸に収束し切らず微妙にダブった感覚があった事が分かりました。
このダブった感覚は4+4の世界観にどっぷりと飛び込めば気にならない程度の微妙なものであり、そのあたりを必要以上に気にするのは重箱の隅をつつく様なやや不躾な行為である気がします。ですから、聴取者は「あなたは何を聞いているのですか?そんな微妙な違和感より、文字通り次元の違う音楽的感動を素直に享受してはどうですか?」とシステムに試されているとも言えるのかもしれません。私自身この聴き比べの機会をいただいていなければ、そのまま4+4の世界にどっぷり浸かり切って終わっていたと思います。
そして更にこの時点で、私の中にあるパグ太郎邸での2+2と4+2での再生で感じたことと、今回のGRF邸で感じたことを照らし合わせて、自分の中で掴んだものがあります。(以下パグ太郎邸を比較の遡上に乗せて表現しておりますが、あくまでこのユニットの複数遣いの効果や使い方を探るために出しているという位置づけであり、両邸の音の優劣を比較する意図は全く無いことを注釈として先に記しておきます。)
正直なところ、パグ太郎邸での4+2での再生は2+2と比較してダブった感覚が出るというデメリットがGPユニットを4つにしたことによる立体感や質感の向上というメリットを(私の感覚では)上回ります。しかしGRF邸ではそれが逆転し、メリットがデメリットを上回ります。パグ太郎邸に比べてメリットは増大し、デメリットは減少しているイメージです。
では、その両邸での有効性の違いは何に起因するのか?送り出しもアンプもユニットも違うので色々な要素が絡んでいると思いますが、一番大きな要素は4つのユニットと聴取者との距離および4つのユニットと部屋の壁との距離の違いだと感じ取りました。
パグ太郎邸はリビングオーディオです。十分に広いとはいえ専用室でなく、セッティングにはどうしても制約が生じます。実際距離を測定したわけではなくあくまでリスポジからの視覚的な印象になりますが、リスポジ~手前のユニットの距離(仮にXとします)とリスポジ~奥のユニットの距離(こちらはYとします)の比率Y/Xの値がGRF邸と比較して小さい様に感じます。これによって、奥のユニットが手前のユニットの音に付帯音として付加する効果が弱まっていると推測出来ます。つまり、奥のユニットは現在の位置よりももっと奥に離した位置が最適な位置ではないかと推測します。
また、奥のユニットから背面の壁と側面の壁の距離もGRF邸と比較して取れていません。ほぼほぼ壁に寄せていると言って良い位置です。これによって奥のユニットの壁からの反射の影響が大きくなっており、その影響でダブった感覚が大きくなっているのではと推測します。また、このことで位置調整もかなりシビアになっているように思います。
要するに、この4ユニットのセッティングでメリットをより大きく、デメリットをより少なくするためには、かなりの部屋の広さが必要であるのではないかと思うのです。
以上、完全に自分の感覚と机上の話で的外れな気もしますが、あまりに興味深い手法であったのでつい妄想を膨らませてしまいました(汗)
②パターンB:Aに奥のGRFの上にTroubadour40を追加した4+2再生
続いてAの構成に奥のGPユニット2つを追加した4+2の再生です。大きく変わったのは音場の立体感で、4+4に近いものが出てきます。それと共に音像の質感も変化します。音像はやや厚みを増し、トロッとした深みのある質感を湛えます。この時点で2+2からは出てくる音楽の説得力が違ってきます。
更に驚いたのは音がフワーっと上方向に上がっていく様になること。Aではどっしりと腰の据わった下に厚いピラミッド的な表現で私はこの音の出方を好みますし、前回の訪問時にもGRF邸の音にこの傾向を感じて密かに共感を覚えていたのですが、Bになるとその腰の据わった傾向にプラスして上方向にも音が輝く様に上がって行くようになるのです。何か神秘的な、天国的なものさえ感じるこの音に私はしばし幸福感さえ感じてしまいました。誤解の無い様補足しておきますと、決して腰高になったのではありません。どっしりとしたピラミッドバランスは継続して感じさせたうえで、細かい音が上へと浮遊していく、そんな感覚なのです。
ちなみにGRFさんのご説明によると、人間の聴覚は二つの発音体から音が出ている場合でも、音が耳に到達した際の時間差がある時間以内であれば最初の音の付帯音として認知するという性質があり、この性質を利用した理論的にも裏付けのあるセッティングであるとのことです。付帯音と書くとオーディオでは不要な異物の様に感じてしまいますが、GRFさんのこのセッティングの場合は同じユニットで同じ音を出していることになり、そこに異物感はなく、立体感や厚みや音色を加える事ができるという訳です。まさにこの理論通りの音が聞こえるのにはただただ感服するしかありません。
③パターンC:Bに奥のTW5ウーファーを追加した4+4再生
最後にBから奥のTW5を追加した4+4に戻します。
・・・圧巻です。
音像の実在感、実体感がここに至って一気に上がります。音像・音場共に全帯域に渡って厚みと濃さを増します。中でもコントラバスを代表とする低音楽器の太くコシのある表現は4+4あってのものと感じました。
もはやこの音楽を聴いたことによる感動の大きさはオーディオの域を超越していると言っても良いのではないかとさえ感じます。
Bの時点でこれは一旦ユニットを追加したらもう元には戻れないなと感じるほどの大幅な音楽力のアップを感じたのですが、Cはもう世界自体が完全に違います。システムが音楽を聴取者に伝える力、つまり聴取者の感動に繋がる力が格段にアップしています。その音を表現するならば、先に書いた様に、圧倒的な実在感、圧倒的な立体感、微妙な動きさえ感じ取れる豊富な情報量、熱く厚く濃厚な表現力、etc…となりますが、こんな陳腐な語句しか並べ立てることが出来ない自分の表現力の無さに落胆してしまいます。
このウーハーの4本遣いについてもGRFさんは分かりやすい例を挙げて説明して下さいました。ウーハー4つを一つの水面に表れる波紋であるとします。波紋は手前の2つのユニットを基準として、奥の2つのユニットはその手前のユニットと全く同じタイミングで波紋を起こします。すると手前と奥の波紋が重ね合わさって、タイミングは同じままで波の大きさが大きな波紋が出来上がる、こういうイメージでこのシステムを構築されているとのことです。
また、奥のウーハーの担当する周波数帯域は非常に低い所だけとのこと。試しに奥のウーハー以外の全てのユニットのアンプを落としてこのハイティンクのCDを再生すると、奥のウーハーのみだと明確に音が聞こえません。ほぼ耳に明確に聞こえない程度のアンビエント成分のみしか出ていないことが分かります。であるのにその効果は絶大で、実際AからBへの変化より、BからCの変化の方が何倍も音楽表現に効果があると感じます。オーディオとは本当に奥が深い。私はその深淵の一端を覗き込んだ思いがしてゾクッと身震いさえする思いでした。
④3つのユニット構成における比較まとめ
以上の3つのユニット構成で出てくる音楽の違いを聴くと、まるで目に見えぬ指揮者が居て、その力量によってこのシステムの演奏の熱量を変化させている様にさえ感じます。
Aは新米指揮者:システムは指揮者の品定めをしながら澄まし顔で演奏しています。
Bは中堅指揮者:システムはやれやれ本気を出してやるかといった演奏。
Cは大指揮者 :システムは煽られ汗を飛び散らせながら持てる力以上のものを引き出して演奏します。
上手く言語化して表現できない中でもA~Cの違いをどうにか表現しようとするならば、指揮者に例えることが妥当ではないか、そう思ってこの様な表現をしてみました。指揮者的な音楽を表現する濃度・密度の違い、それにより聴取者にもたらされる感動度の違い、これらの違いこそがこのGRF邸の複数遣いによる恩恵の本質ではないかと思うからです。
そして、そうとしか表現出来ず、通常の訪問記の様に音的な要素を挙げつつ説明する行為が空虚に感じることこそが、このシステムからそれほどオーディオから離れた音楽が出ていることの証左ではないか、そう思うのです。
続きます・・・
by TANNOY-GRF
| 2021-04-10 09:24
| 来たり
|
Comments(7)
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TANNOY-GRF at 2021-04-10 11:13
kanataさんの感想文は長文であるというのは、ご友人のなかでは定評があります。前回の印象編だけではなく、詳細まで描き込まれた長文編と両方見て、当日のkanataさんのご感想が表れてくると思いおねがいいたしました。
私が、常日頃、システムを調整している手法と同じ方法で、一枚一枚音のレイヤーを分析されています。その二次元の試みの集大成が、時間再生芸術である音楽を空間だけの三次元ではなく、活きている音を表現できはじめたのかと思っています。
オーケストラは、ステージ上に横に広がっている距離より、奥行きの方が深い、音の時間差を楽しむ音楽です。オペラ座の舞台の奥行きは、観客席の大きさより大きいのです。
その「時空間」を再現することが、コンサートホール再現の第一歩ですね。
私が、常日頃、システムを調整している手法と同じ方法で、一枚一枚音のレイヤーを分析されています。その二次元の試みの集大成が、時間再生芸術である音楽を空間だけの三次元ではなく、活きている音を表現できはじめたのかと思っています。
オーケストラは、ステージ上に横に広がっている距離より、奥行きの方が深い、音の時間差を楽しむ音楽です。オペラ座の舞台の奥行きは、観客席の大きさより大きいのです。
その「時空間」を再現することが、コンサートホール再現の第一歩ですね。
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パグ太郎
at 2021-04-10 11:47
x
GRFさん、kanataさん
kanataさんは流石の凄耳ですね。こういう聴き分けをされるとは脱帽です。拙宅では4本ではなく2本の方に一票頂きましたが、低次元の拙宅の印象がそのままにならずに、今回、真価を体験して頂けて良かったです。オマケに(?)、当方には何が足りないか明確にするコンサルをしていただいた結果にもなり、大いに勉強になりました。お二人に感謝でございます。
kanataさんは流石の凄耳ですね。こういう聴き分けをされるとは脱帽です。拙宅では4本ではなく2本の方に一票頂きましたが、低次元の拙宅の印象がそのままにならずに、今回、真価を体験して頂けて良かったです。オマケに(?)、当方には何が足りないか明確にするコンサルをしていただいた結果にもなり、大いに勉強になりました。お二人に感謝でございます。
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椀方
at 2021-04-10 13:28
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kanataさんの訪問記事を拝読すると、音楽に没入するkanataAさんの背後に冷静に分析しているkanataBさんという2人が居るかのようです。
ところで、第二部(光カートリッジ編)はあるのでしょうか?
ところで、第二部(光カートリッジ編)はあるのでしょうか?
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TANNOY-GRF at 2021-04-10 13:35
パグ太郎さん
ここまで聴かれているとは、お聞かせする方も相当な覚悟が必要になります。私が断片的にご説明したことが、見事に整理され再構成されています。当方も大変、勉強になりました。パグ太郎さんのお宅では、4本のSPのバランスの整合が進めば、相当進歩すると思います。状況が落ち着いたら、また前に進んでいきましょう。
ここまで聴かれているとは、お聞かせする方も相当な覚悟が必要になります。私が断片的にご説明したことが、見事に整理され再構成されています。当方も大変、勉強になりました。パグ太郎さんのお宅では、4本のSPのバランスの整合が進めば、相当進歩すると思います。状況が落ち着いたら、また前に進んでいきましょう。
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TANNOY-GRF at 2021-04-10 13:36
椀方さん これでまだ半分です!第二部も乞うご期待です。
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kanata
at 2021-04-11 07:15
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GRFさん、この度は貴重な機会をいただきありがとうございました。
この日の衝撃と感動、そして受け取ったものが大き過ぎて、自分のためにも文章として残したいと思いつつも、自分の貧相な文章力では何を書いてもうまく表現出来ていないと感じてしまい難航してしまいました(汗)
結局長々と書いたものの、あの音楽を半分も書き留めるには至らずでした。しかし、自分の中に残ったものは確としてありますので、これを大事に持って行きたいと思っています。
文中GRFさんやパグ太郎さんのシステムについてあれこれと好き勝手書き散らかしておりますが、私個人の頭の整理として乏しい理解力の範疇でこういうメカニズムで納めておこうというものです、どうかご容赦ください。
それにしてもオーディオとは素晴らしいものですね!改めてその真髄を体で感じさせていただきました。今後ともよろしくお願いします。
この日の衝撃と感動、そして受け取ったものが大き過ぎて、自分のためにも文章として残したいと思いつつも、自分の貧相な文章力では何を書いてもうまく表現出来ていないと感じてしまい難航してしまいました(汗)
結局長々と書いたものの、あの音楽を半分も書き留めるには至らずでした。しかし、自分の中に残ったものは確としてありますので、これを大事に持って行きたいと思っています。
文中GRFさんやパグ太郎さんのシステムについてあれこれと好き勝手書き散らかしておりますが、私個人の頭の整理として乏しい理解力の範疇でこういうメカニズムで納めておこうというものです、どうかご容赦ください。
それにしてもオーディオとは素晴らしいものですね!改めてその真髄を体で感じさせていただきました。今後ともよろしくお願いします。
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TANNOY-GRF at 2021-04-11 08:53
kanataさん
本当に長文のご感想をありがとうございます。しかし、項目ごとにまとめられていて、まるで設計図の階層を追っていくように、立体的に表現されているのには驚かされました。
トロバドールの80の後方に40を置くアイデアを出してくれたのは、横浜のMさんのウィーンのムジークフェラインの天井から降ってくる音という印象からでした。
ご覧の通り、この部屋は強固な床と奥行きの深い天井での吸音、共振点を揃えない壁の構造で出来ています。また、最低音の窮屈さを避けるために、密閉しない空間を目指しました。
そして。コンサートホールの奥行きが深い音をどう再現するか? 音響調整に、人工的な残響付加を加えるデコーダーや、特定の音楽だけしか再現出来なくなるイコライザー類を使わずにどうしたら、音のバランスを整えられるかを試行錯誤してきました。
最終的に、最低域だけを支えるTW5の大きなエネルギーを加えて事で、ハワイのノースショアーに押し寄せる、ビッグウェーブのような大きなうねりを再現できたのではと思っています。
あれから、光カートリッジも、トロバドールのメインシステムで鳴っています。レコードからTW5を揺るがせる音が出てくるのは驚きですし、快感でもあります。また、あのつづきを是非聴きに来てください。
本当に長文のご感想をありがとうございます。しかし、項目ごとにまとめられていて、まるで設計図の階層を追っていくように、立体的に表現されているのには驚かされました。
トロバドールの80の後方に40を置くアイデアを出してくれたのは、横浜のMさんのウィーンのムジークフェラインの天井から降ってくる音という印象からでした。
ご覧の通り、この部屋は強固な床と奥行きの深い天井での吸音、共振点を揃えない壁の構造で出来ています。また、最低音の窮屈さを避けるために、密閉しない空間を目指しました。
そして。コンサートホールの奥行きが深い音をどう再現するか? 音響調整に、人工的な残響付加を加えるデコーダーや、特定の音楽だけしか再現出来なくなるイコライザー類を使わずにどうしたら、音のバランスを整えられるかを試行錯誤してきました。
最終的に、最低域だけを支えるTW5の大きなエネルギーを加えて事で、ハワイのノースショアーに押し寄せる、ビッグウェーブのような大きなうねりを再現できたのではと思っています。
あれから、光カートリッジも、トロバドールのメインシステムで鳴っています。レコードからTW5を揺るがせる音が出てくるのは驚きですし、快感でもあります。また、あのつづきを是非聴きに来てください。