2021年 04月 27日
老人力がじわじわと・・・ |
高校生の頃からレコードを購入し始め、最初は日本盤でしたが、音の差に気がついてからは、外盤専門になりました。働くようになってから徐々にレコード収集に力が入り始め、仕事で外国に行き、その土地の古レコード屋さんも必ず寄りました。日曜日のマーケットも行きましたね。その頃、しょっちゅう出かけていたロンドンの中古レコード屋さんは郊外のお店を含めて殆ど行ったでしょう。インターネットが始まる前で、毎月カタログが送られてきました。それをマークしてFAXで注文表を送るのです。
ところが、パグ太郎さんにDGGのカラヤンをお聞かせしていたら、このドンキホーテが出てきました。先日、頼んだ盤をいつの間にか整理して入れたのかと思っていました。最近そういうことがよくあるのです(苦笑)。レコードの整理は無意識でしているから、半信半疑ではありましたが、この盤がなかったから、頼んだわけですの不思議だなぁと思いました。盤は結構きれいで、音も悪くありません。
ところが、昨日ピンポーンがなり、郵便局ですが郵便物がポストに入りきれないのでとインターフォンで言ってきました。フランスからの便なので、Harumonia Mundiのレコードかと思いました。開けてみると、なんとこのドンキホーテなのです。と言うことは、ドンキホーテのオリジナル盤が二枚になってしまったのです。廉価版、180g盤を入れると四枚です。いくら何でも老人力が付きすぎですね。
そして、洗浄しようと中を開けたら、なんとオリジナル盤ではなく、また状態も案内にあったMintではなくNMになっていたのです。NMよりも初版でなかった方が困ります。レコード自身は13ユーロでしたが、輸送費が19ユーロもしたのです。32ユーロも払って、二版のNMでは、合いませんね。そして、オリジナルは持っていたのですから!元はと言えば、私の老人力です。とほほ・・・
その頃は、もうオリジナル盤を集めていました。訪ねていった古レコード屋には、二版のレコードも随分と置いてありました。それらを買い占めて、初版の価格をつり上げていったのです。骨董品屋の手法ですね。ロンドンからの帰りの便は、ボストンバックに入りきれないレコードを、中古屋さんでもらった段ボール箱に入れて持ち帰り、空港で誇らしく入管検査を受けました。でも、レコードに貼られた価格のシールを見て、係官はこんなゴミみたいなレコードを沢山重い思いをして持ってきた私を呆れていました。聴かれたのは、レコード屋さんで転売するのかという事でした。いや、これは全て自分用だと答えると、ますます呆れた顔をされたのも、楽しい想い出です。
最初7ポンドから始まって、最後は赤札に変わって、終いには50ペンスです。50pの大きな字に、持ってけ泥棒!という感じが込められていますね(爆)。このラベルを書いている店主の顔を思うと楽しいですね。LXTのオリジナルですから、わたしには価値がありました。下のレコードは、Ace of Clubs ACL-1のシューリヒト・パリ音楽院のベートーヴェンです。これは価格ラベルに書いてなかったのですが、1ポンドの箱に入っていました。何故、今でもこの価格票が付いているかというと、昔のラベルは一旦くっつくと剥がれず、無理するとジャケットが破れるからです。付いていたのはこの中古店だけですから、5枚ぐらいでしょうか。今となっては良い想い出です。
このとき、段ボールに入れて、重い思いをして持って帰ったのが、この棚に入っているDECCAのモノラル盤のコーナーです。音だけではなくそれらの思いでも籠もった盤で、この棚に入ってからでも20年以上。家に来てからでも30年以上も共にいます。これらが、光カートリッジで蘇ってきたのです。フィストラーリのバレー曲など秀逸です。数えるとこのコーナーでモノ盤が100枚以上ありました。全部、英国から重い思いをして持って帰ってきたのですね(笑)。箱の形状さえ思い出しました。
この様に、私は同じレーベルは、同じコーナーに入れます。あたまの中でレーベル別に整理されているからです。前回の棚は、DGGばかりでした。DGではありませんよ(笑)。その時、聴いていたのがカラヤンのドンキホーテでした。二枚あって、一枚は後年の再発で180g盤でした。確か、オリジナル盤もあった気がしたのですが、その時は見つからず、discogsに行ってオリジナル盤を手に入れました。
上が二版のDG盤、下が初版のDGG盤です。
by TANNOY-GRF
| 2021-04-27 09:02
| 好きなレコード
|
Comments(2)
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S.Y
at 2021-04-27 12:17
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GRF さま
1970年ごろ、渋谷の百軒店に古道具屋があり、進駐軍( !) が帰国するときに重たいからといって置いて行ったLPが格安で出ていました。ソウルやロックで、当然ながら外盤です( 爆)
ここで売られているものが、来年の日本のロックの流行になるといわれていました。一年、先取りですね。今は世界同時多発的流行になりました。場合によっては日本先行です。
S.Y
1970年ごろ、渋谷の百軒店に古道具屋があり、進駐軍( !) が帰国するときに重たいからといって置いて行ったLPが格安で出ていました。ソウルやロックで、当然ながら外盤です( 爆)
ここで売られているものが、来年の日本のロックの流行になるといわれていました。一年、先取りですね。今は世界同時多発的流行になりました。場合によっては日本先行です。
S.Y
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TANNOY-GRF at 2021-04-27 14:35
S.Yさん
駐留軍と言えば、家にSPのオートチェンジャーがありました。中央のバーが長く伸びて、途中で少し曲がりその上に、待機中のレコードが待っていました。下が演奏し終わるとアームが戻り、その動きで、上のSPが一枚下に落ちて、オートチェンジするのです。
その時鳴っていた音楽は、プレスリーの I want you, I need you,I love you.で、小泉がブッシュの前で歌っていたあの曲です。ドリス・デイやパティ・ページもありました。
子供心に、その仕組みを一日見ていました。
駐留軍と言えば、家にSPのオートチェンジャーがありました。中央のバーが長く伸びて、途中で少し曲がりその上に、待機中のレコードが待っていました。下が演奏し終わるとアームが戻り、その動きで、上のSPが一枚下に落ちて、オートチェンジするのです。
その時鳴っていた音楽は、プレスリーの I want you, I need you,I love you.で、小泉がブッシュの前で歌っていたあの曲です。ドリス・デイやパティ・ページもありました。
子供心に、その仕組みを一日見ていました。