2021年 05月 31日
DSオーディオの新製品003を聴く! |
いよいよ第3世代の光カートリッジの普及版「003」がリリースされました。第2世代のフラッグシップのMaster1とGrand Masterの大きな差に、世代によるメカの違いを感じていました。DSオーディオのカートリッジのヒエラルキーは、同じ世代なら入門機も最高級機のGrandMasterもメカや筐体は全く同じです。違うのはカンチレバーと針のグレードなのです。
第3世代のカートリッジは、左右が独立した光源と受光体で出来ていますので、第2世代までの一つ光源と受光体を使っていた中央部分が重なるタイプだと、クロストークがどうしても発生します。左右を独立したことで、今までは45度の角度で、半分しか使って使っていなかった受光体を全て使えるので、出力も50mvが70mvにあがり、S/N比が一段とよくなりました。
クロストークが良くなると、音がより立体的になります。第3世代のGrand Masterと第2世代のMaster1の一番大きな差はその立体感なのです。奥行き方向の深さが一遍に表れます。第2世代のMaster1は、音質は素晴らしいですが、その立体感の差が決定的です。第3世代のメカを使った「003」がどれだけ「Grand Master」に肉薄しているかが楽しみでした。
先週プレスリリースをして、金曜日に第一回目の発送があったそうです。先月青柳社長が来られたとき、第3世代の新型を近く出されるという話を聞きました。さすがに、ダイアモンドカンチレバーとマイクロリッジの針を一体に成形したGrand Masterは、性能が良くともとても高価で一般的には普及は難しいと思いました。そこで、従来からの「002」な価格帯で、カンチレバーはアルミになっても、それはそれで太い音が出ると期待して、もし出来たならすぐに聴きたいので送ってほしいと頼んでいたのです。
それが、金曜日の発送で土曜の午前中の便で到着すると連絡が入りました。イコライザーは、そのお話を聞いたとき、一番安い入門用のDS-E1を購入して、専門家の友人に、改良をお願いしてありました。具体的には、電源部の改造と、オペアンプのグレードを上げることです。その改良は大変うまくいき、emmと比べても、いい線まで行っていました。準備万端で「003」の到着を待っていたのです。
さて、10時には到着していましたが、午前中は近所のお医者さんの定期検診と前日設置したConfidence3の調整してその変化を聞いていました。中断すると解らなくなるので午前中はそちらに専念しました。午後、遅いお昼を軽く済ましてから、カートリッジの交換を始めました。BenzMicroのLP-Sを慎重に取り外して、まずケースにしまいました。黒檀のケースは、無味乾燥なアルミのDSと比べると高級感があふれて所有感をくすぐられます。
アームへの取り付けは、これで4回目です。毎回、バランス調整、オーバーハング調整、高さ調整、インサイドフォース調整、等々をこなさなければなりません。間違えは許されないし、気を遣います。特に注意を要するのは、最後のカバーの取り外しです。それらを確認しながら行い、早速音出しです。
まずは、EMMに接続して、どのくらい「Grand Master」と違うのかを検証してみました。これは考えてみると随分とリスキーな行為ですね。違いすぎれば、今回の出費は無駄になるし、友人に譲るとしても、音質が違いすぎるのは少し気が引けるし、逆にそれほど変わらなければ、先月、貯金を取り崩してまで頑張った出費が精神的にも負担になるし・・・つけながら、どちらになってもリスクがあるなぁ〜と思いました。
何時もの越路吹雪で検証しましょう。聞き慣れている方が違いがわかります。
むむむ・・・これは・・・素、素晴らしいですね!
Grand Master を100とすれば、90以上は軽く出ています。第3世代の素晴らしいところは、そのままです。Master1をお持ちの方には申し訳ないですが、1/4の価格で凌駕されていますね。ある意味残酷ですが、世代の差はいかんともしがたいです。私自身も、世代交代しなければと汗が出てきました。
よく、陸上競技や水泳競技などで、世界記録を一変に抜かれる瞬間がありますね。一位の選手だけで無く、三位ぐらいまで今までのレコードをまとめて抜かれるような事があります。それと同じようなことでしょうか?
「003」の針はラインコンタクト針ですから繊細な音も出します。カンチレバーは普通のアルミです。しかし、音を聴いてみると、アルミのカンチレバーはある意味、汎用性もあり、使いやすいと思いました。
越路吹雪も奥行きが出て、森進一も、何時ものシュトライヒャーのコントラバスも、次々と掛けていきます。ブラームスのセレナーデになって、ようやくGrand Masterとの違いが解ってきました。そこで、結線を戻し、GrandMasterを掛けてみました。音場の構造や音の鳴り方はほぼ同じですが、繊細さや緻密さがやはり違うと思いました。逆に安心しました。ほとんど同じだと、100万円の違いが困るからです。でもハイエンドとは、ほんの少しの違いに金の糸目をつけず手に入れることだと。解っているのですが、ここまで下克上な製品は無いかもしれませんね。
さて、そこで、今ひとつの下克上を確かめなければ行けません。もっとも経済的な定価10万円のイコライザーが友人の手でどこまでグレードアップしたかです。音を良くするには、電源のインピーダンスを下げること。配線の太さを変えること。プリント基板の場合は、パターンを裏打ちすること。電源のダイオードの精度を上げること。使っているICチップのグレードを一気に上げること。最後に、使われている抵抗やコンデンサーを音の良い定評と実績のある物に交換することです。それもむやみやたらと交換しても効果は出ません。そして最後に、エージングです。この慣らし運転で音は見違えるほど変わります。
これらの改良を適材で行い信号を流して部品のエージングをひたすら図ることです。このために逆イコライザーを作って、音楽を流しっぱなしにして頂きました。EMMのイコライザーが来る前に使い始めた中古のDS-W1はもう、レコード2000枚分ぐらい時間を掛けています。そして、改良を施した一番安価なDS-E1でも1000枚分ぐらいエージングしています。改良点はやはり電源とオペアンプの交換です。それだけでガラッと変わりました。この組み合わせならば、25万+15万の40万円ぐらいで、この音が手に入るのです。(40万円をぐらいと言うところに、オーディオマニアの常識が如何に外れていることが解りますね。)でも、Grand MasterとEMMのイコライザーの組み合わせの1/6以下なのです。
フーッ!ため息が出ます。
この第3世代の出現は、カートリッジの常識を決定的に変えるでしょう。60年間もあらゆる形式のカートリッジの変遷を重ねてきた自分のレコードの歴史も、いま変換点にいるのだと実感しました。それは100年以上、内燃機関を使ってきた車が、この10年間で全て電気自動車に変わるのと同じぐらい大きな革命だと思いました。今まで慣れ親しんできたレコードの音では無いかもしれませんが、CDやSACDのS/N比、ハイレゾ、マスターテープと同じ次元にレコードもなったと言えましょう。何よりも空間表現力と低域が違います!
by TANNOY-GRF
| 2021-05-31 07:33
| オーディオ雑感 レコード篇
|
Comments(12)
ううむ、レコード沼には近づかないようにしていますが、誘惑に負けそうです、、、 オープンリールの時は色々やって遊んでいましたがレコードはいぢるところが多すぎて目が回りますし。一度GRF邸で聞いてからにします(って聞いたらもう抜け出せないような気もしますが)
GRFさんご無沙汰をしております。
GRFaさんのオーディオ熱には頭が下がります、自分も見習って頑張ります。
自分も002から003へのバージョンアップを青柳さんに
お願いをしましたが・・・手元に届くのは7月くらいになるようです。 イコライザーはそのままなので、手を加えてレベルアップが出来ればと考えています。
GRFaさんのオーディオ熱には頭が下がります、自分も見習って頑張ります。
自分も002から003へのバージョンアップを青柳さんに
お願いをしましたが・・・手元に届くのは7月くらいになるようです。 イコライザーはそのままなので、手を加えてレベルアップが出来ればと考えています。
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
プー博士 いよいよ現実的な003がでました。戦略的な価格だと思います。同価格帯の高級カートリッジを席巻するでしょう。
一度、聴きに来て、納得してからでも遅くはありません。カートリッジばかりでは無く、三次元サウンドもぜひ聴いてみてください。
一度、聴きに来て、納得してからでも遅くはありません。カートリッジばかりでは無く、三次元サウンドもぜひ聴いてみてください。
ヒデさん こちらこそすっかりご無沙汰です。車で出なくなってもう、一年半です。003は反響が凄いらしいですね。もう、納期が7月ですか?青柳さんも嬉しい悲鳴でしょう。
家でのガチンコレースでは、もちろん、GrandMasterのチャンピオンは間違いありませんが、003でも従来のモデルを周回遅れにしています。イコライザーの改良で、その差を縮められます。大事なのは、その後のエージングです。
友人が暇なので、やってくれています。003とGMの間を埋めるのは、DS-W3のモデルでしょうが、この分だと何時でるか解りませんね。
久しぶりにあのラーメンを食べに行きたくなりました!いくなら混まない平日ですね。
家でのガチンコレースでは、もちろん、GrandMasterのチャンピオンは間違いありませんが、003でも従来のモデルを周回遅れにしています。イコライザーの改良で、その差を縮められます。大事なのは、その後のエージングです。
友人が暇なので、やってくれています。003とGMの間を埋めるのは、DS-W3のモデルでしょうが、この分だと何時でるか解りませんね。
久しぶりにあのラーメンを食べに行きたくなりました!いくなら混まない平日ですね。
Fさん ご連絡ありがとうございます。
私は大変幸運でした。Hさんのサプライズで、初めて聴いた光カートリッジが第3世代のGrandMasterだったからです。その後、知人のおかげで、第2世代の最高峰、Master 1も聴きましたが、立体感がまったく違っていました。その意味で、今回の第3世代の普及版「003」は人気になるでしょう。
さてご紹介の品ですが、以前通常のカートリッジで聴いたときは、カートリッジの所為なのか、まったく興味が湧きませんでした。しかし、今回はDSさんご自身が海外にご紹介していることもあり、ぜひ、光との組み合わせで聴いてみたいと思いました。
SD05は15年経ちましたが、まだまだ現役です。石田さんが確立されたこの分野のエースですね。今回もTW5の最低域を他のアンプでは出ない音で楽々と再生しています。
コロナが過ぎないと難しいかもしれませんが、青柳さんも驚いていただいた三次元サウンドを一度聴いてください。
私は大変幸運でした。Hさんのサプライズで、初めて聴いた光カートリッジが第3世代のGrandMasterだったからです。その後、知人のおかげで、第2世代の最高峰、Master 1も聴きましたが、立体感がまったく違っていました。その意味で、今回の第3世代の普及版「003」は人気になるでしょう。
さてご紹介の品ですが、以前通常のカートリッジで聴いたときは、カートリッジの所為なのか、まったく興味が湧きませんでした。しかし、今回はDSさんご自身が海外にご紹介していることもあり、ぜひ、光との組み合わせで聴いてみたいと思いました。
SD05は15年経ちましたが、まだまだ現役です。石田さんが確立されたこの分野のエースですね。今回もTW5の最低域を他のアンプでは出ない音で楽々と再生しています。
コロナが過ぎないと難しいかもしれませんが、青柳さんも驚いていただいた三次元サウンドを一度聴いてください。
第1世代から色々な場所でずっと聞いています。第3世代そんなに良いですか。
導入考えようかな。
導入考えようかな。
おせわになります。私もds audo ds003crとds-EM1フォノイコライザーを購入したのですが、電源の整流素子とオペアンプの交換が最重要で基板の裏打ちも必要かなと思っております。参考のため、交換した整流素子とオペアンプの名称を教えていただければ幸いです。
木下さん 具体的な製品名は、高騰の恐れがあるので書けませんが、最近の製品ではなく、全盛期に作られたしっかりした製品が音がいい様です。価格帯は数百円以内でした。
木下さん よろしければ、左の欄にあります、メールアドレスまで、メールをいただけますか?
TANNOY-GRFさま
メールを送らせて頂きましたが、届きましたでしょうか・
メールを送らせて頂きましたが、届きましたでしょうか・
French roastさん
ご返事が大変遅れました。本稿へのコメントが大変多く、いま見直しをするまで、見落としておりました。大変申し訳ありません。2年遅れのご返事になります(大汗)
ご質問のDSカートリッジについては、今回の第三世代になって巡り合ったのでは、何の興味もわかなかったからです。大山世代以降のクロストークの無さが切り開いた新境地です。
今一つのご質問は、私も自宅視聴をいたしました。これは、現用とは正反対の理論です。音は想像通りのものでした。私の方向性とは違うので、コメントいたしませんでした。
その理由はなぜか、一度私の音を聞いてみてください。理由がお分かりになると思います。ご連絡は、左側の蘭医あります、メールアドレスまでお送りください。
ご返事が大変遅れました。本稿へのコメントが大変多く、いま見直しをするまで、見落としておりました。大変申し訳ありません。2年遅れのご返事になります(大汗)
ご質問のDSカートリッジについては、今回の第三世代になって巡り合ったのでは、何の興味もわかなかったからです。大山世代以降のクロストークの無さが切り開いた新境地です。
今一つのご質問は、私も自宅視聴をいたしました。これは、現用とは正反対の理論です。音は想像通りのものでした。私の方向性とは違うので、コメントいたしませんでした。
その理由はなぜか、一度私の音を聞いてみてください。理由がお分かりになると思います。ご連絡は、左側の蘭医あります、メールアドレスまでお送りください。




