2021年 06月 04日
来週にはロンドンに戻られるのびーさんが |
先週の5月25日にお伺いして、Grand Masterで衝撃を受けましたが、「最新の003とE1(改)イコライザーの音も凄い」と聞き、昨日再びGRF邸に赴きました。 最初にレコード、その後にCD、またレコードと今回はじっくりと聴かせて頂きました。 2本のSME Series Vには、Grand MasterとDS-003がセットされています。Grand Masterはemmに、003は技術者がアップグレードしたE1イコライザーに繋がります。
例の如く「森進一」の歌謡曲から始めます。
Grand Masterの方が繊細で強い音、003の方が柔らかい音がします。その違いはダイアモンド・ツィータとアルミ・ツィータの違いに相似しています。「都はるみ」では003の方が肩の力が適度に抜けてリラックス出来ます。
Grand Masterは細部のレゾリューションに優れる印象ですが、003でも聴こえない訳ではありません。確かに5分の1ほどの価格でこの音は凄いと言わざるを得ません。GRFさんが「Grand Master を100とすれば、90以上は軽く出ています」と書いておられたのはこういうことか...歌謡曲を聴く限りでは、両者の違いはクオリティの差と言うより個性の差と感じます。
続いて、クラシックに移ります。
シェリング・ハイティンク・コンセルトヘボウによるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲では何より演奏の良さが光ります。リヒテル・カラヤンのチャイコフスキーのピアノ協奏曲のオリジナル、セカンド・プレスの比較では、オリジナル盤の鮮度は申し分ありませんが、普段聴いているバランスに近いセカンド・プレスの音も非常に好印象です。真剣に比較しなければ003でも十分ではないか、という意を益々強くします。
前回聴かなかったオルガンが入っているCDで、TW5の最低域のCDを聴いて、部屋の外まで楽々と低域が広がるのを確認しました。リストのオルガン曲などを堪能しました。そのあと過去何度か聴かせて頂いたCD初版のクレンペラー・フィルハーモニアのマーラー第四番にあらためて驚いたところで、同じ演奏のオリジナルLPをGrand Masterで聴きました。
これにはぶっ飛びました。
このレベルのオリジナル盤になるとGrand Masterは003を寄せ付けません。時折厳しい音と感じていた部分も全てプラスに働くようです。60年前の録音が昨日のもののようです。これと比較するとファーストプレスのCDの音も一枚ベールを被っていたことが分かります。
今日は予定がないので、お酒を頂戴しながらイコライザーのグレードアップ法を伺ったり、単体では何も聞こえないTW5のウーファーをロンドンで調整するときのセッティングのコツを再び教わったりと歓談タイムに移りました。そこから、オリジナルレコードを沢山聴かせていただきました。
最後に最近、和室にセッティングされたスクリーンで定番のChris Bottiのボストンコンサートを観ました。この絵も凄かったです。黒の沈み込みと白色系ピークの伸びは間違いなく液晶の直視型よりも上だと思います。有機ELの直視型との比較でも健闘するのではないでしょうか?
音はアルコールが久しぶりに、結構入ったのと絵に気がとられてあまり覚えていないのですが、対向に置いたConfidence3とそれに近接設置されたPQS-100のセッティングがユニークです。それをオラソニックの小型アンプで駆動するという、手許にある機械を適当に組み合わせたように見える構成です。 ただセンター無しなのにしっかりと画面から音が出ていて、対向法なのに広がりも十二分だったのが不思議です。
水際対策の強化で日本入国が益々難しくなるので、しばらく東京には戻らないことを申し上げたこともあり、先週来たばかりの003とE1改のイコライザーを譲っていただくことになりました。 また、GRFさんには新たなイコライザーを改造して、エージングしていただかなければなりませんが、003の欧州プレミア?となるはずです。
二週に亘り、何枚ものレコードを聴かせて頂き、調整法もしっかりと伺いました。TW5と合わせてじっくりと取り組むつもりです。 GRFさん、ありがとうございました。
前日にセッティングを追い込んでいたので、今日はぶっつけ本番でした。そのままで思った音が出てましたからこれならば充分でしょう。003とDS-E1改とGrand MasterとEMMと言う、価格差7倍のガチンコ比較ですが、もちろん差はありますが、普通のレコードを聴いている限りは、音は倍の差もありません。ところが、歌謡曲からクラシック、そしてオリジナル盤へと遡るにつれて、その差はどんと大きくなるのです。
前回は、会食無しでしたが、今回は最初に前回用に用意していた日本酒から入り、途中はスコッチのロックを、暗くなってからは、お客さんが来ないので、まったく進まない赤ワインのとって置きを開けました。これは良かったです。ただ、つまみはチーズとかナッツ類のあり合わせでしたので、久しぶりのワインに酔ったかもしれません。
大きな部屋から移ってきたStewartの110インチのスクリーンは、八畳の日本間にぴったりで、暗くなると部屋の全面がスクリーンになり、以前より近くで見ていることもあり、990Rの映写機でもきれいだし、やはり黒の沈みが良いですね。対向法で置いたConfidence3もPQSも各々の特色を出してくれて良い感じです。部屋の大きさも電源強化の小型アンプもぴったりのサイズですね。
次は、秋か冬の初めになるのかもしれません。しばらくお会いできないのびーさんの後ろ姿を見て、ロンドンでの調整がうまくいくように願ってました。久しぶりのワインに酔っ払ったもしれませんね。
by TANNOY-GRF
| 2021-06-04 23:03
| LONDONの のびーさん
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Comments(2)
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夜香
at 2021-06-05 09:32
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え?もうDS003手放したんですか?まあ、グランドマスターをお持ちですからね。両者は完全にその路線上にあるわけですから、下位機種に未練はないとそういうことと推察いたします。
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TANNOY-GRF at 2021-06-05 09:43
夜香さん そうでは無いのです。音や得意分野が違うので、両方とも愛用します。のびーさんは、来週ロンドンに帰られるので、今から申し込んでいたら間に合わないと言うことで、お譲りしました。私の分は、来週の出荷でまた来ます。イコライザーの改造は、またやり直さなければなりませんが。