2021年 12月 04日
2. 雌伏から 飛躍の時へ |
ドイツのターンテーブルメーカーにアームベースを頼んでも、一向に埒が明かないので、公私混同を避けるためにいつもは使わない仕事関係の精密加工屋さんに、アームベースを頼んだところまでは、前回お話ししました。あれから、一週間も経たない金曜日の午前中には、頼んであったアームベースの砲金製が到着しました。同時に頼んでいるアルミ製の二種類は、アルマイト加工があるので、一日遅れるそうです。
砲金は、昔使っていたマイクロ精機のターンテーブル以来です。鳴りが少なく、又逆に響きのきれいな砲金は、オーディオにはよく使われます。でもこの砲金はなきが少ないタイプだそうです。明日にはアルミ製も来るのですが、試しにアームベースに入れて見ると、入りません(汗)。先日、ノギスで測ったとき、オスとメスの寸法が当然違うのに、1/10ミリしか測れないノギスでは、その当たりの指示をしないまま、以来した寸法通りに正確に作られていました。無理して叩けば入るのですが、それでは、微妙な寸法を調整する時、動きません。
弱りました。ほんの一皮分1/100ミリぐらい小さくすればいいのですが・・・・道具入れから、100番、500番、1500番のサンドペーパーを見つけてきました。100番では荒すぎますので、500番使って磨きはじめました。一時間以上磨いたでしょうか、結構大変でした。旋盤があれば、1秒で終わるのですが。
こんな感じで、削ってアルミのベースに入れました。なんとか回るようです。アルミと砲金の温度特性もあり、ゆるゆるでは困るのですが、何回か修正をしました。お昼休みはこの作業に費やされてしまい、取り付けは、当然、アルミ製が来てからにしようと、その日は終わりました。何も前に進んでいないのですが、何だかやり遂げた充実感も生まれました(苦笑)。
土曜日の朝、到着していたアームの箱をいよいよ開梱して、取り付け用の治具を取り出しました。図面通りに作られたベースの穴の位置は、ぴったりと合います。微妙な位置のズレを合わせていたら、ピンポンと玄関の呼び出しが鳴り、アルミのベースも到着しました。頼んだのは、柔らかいA5052を一個だったのですが、堅いA7075も作られてきました。比べてみると随分と堅さが違います。叩いたときの音も違うので、いつかは確かめないとなりません。
しかし一旦セットしてしまったら、なかなか外せないのではと思いましたので、一番しっかりとした砲金で試してみることにしました。またアルミの方は、キツいと言ったので、アルマイト加工した後から、一回り削ってあり、これは今一回アルマイト加工に出さないと長年使うと腐食するとも思いました。
さあ準備は終わりました。ここからは説明書をよく読んで、一歩づつ前進です。説明書は英語のマニュアルと日本語の取扱説明書です。これは、英語を日本語化して少しだけ補遺してあります。両方とも必要な事だけを簡単に述べているだけですから、これだけでは解りにくく、YouTubeに上げられている組み立て用の動画を見ることにしました。
こちらも、極めてシンプルで、余計なことは一切言われていません。音声はなくどんどんステップが進んでいきます。手順を覚えるには、何回か動画を止めて見直さなければなりません。最近は老人力の増加で、一度にいろいろなことを言われても整理しきれませんので、英語マニュアル→日本語取説→ビデオを繰り返し見ながら行程を進めていくことにしました。今日中に終わるかな・・・。
まずは、苦労してけずった砲金製のベースにアームの取り付けベースを固定します。ぴったりとねじ穴は合い、楽に締め付け出来ました。これを行うために三ヶ月近くも掛かったのです。自分の決断の無さもありますが、ターンテーブルメーカーの社長のメールに惑わされました。日本に代理店がないのも、その対応の悪さが原因でしょう。ドイツのメーカーにはよくある自尊心が高すぎる問題ですね。
次は、トーンアーム部本体を差し込み、アームのベース部の準備を行います。順番に組み立てていくと徐々にトーンアームの全体像が見えてきました。
明るい内に組み立てを終えなければならないのですが、説明書を何種類か読みながら、各コーナーを回っているので、時間がどんどん過ぎていきます。慣れれば、簡単な作業だと思うのですが、はじめてなので、コーナーを曲がって見ないと先が見えないので、どうしても時間が掛かりますね。でも、自分でこの作業をやって良かったと思います。自分で組み立てていれば、自分の道具になるからです。
次はカートリッジの取り付けです。作業がしやすい様に、前面で作業していたアームの位置を元に戻しました。アームは、三本の足で立っているので、120度ずれているだけで、三カ所ポジションが変えられます。
前を向いていたベースのアームを右に付け替え、左にさらに回して、新しいアームを右奥に持ってきました。今までのSME用は003のカートリッジが付いている方を残して、従来のGrand Masterが付いていた方のアームは外しました。次の行程は、そのカートリッジの取り付け作業です。ここまでは、細かい組み立て作業なので、明るい内に終わらせなければなりません。今頃の季節は、三時半頃になると薄暗くなり、四時には真っ暗です。部屋の灯りを全部つけて、作業を続けました。
by TANNOY-GRF
| 2021-12-04 03:02
| オーディオ雑感 レコード篇
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Comments(2)
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プー博士
at 2021-12-04 21:19
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リニアトラッキングのアームに光カートリッジですか、怒涛の変革ですね。今月中旬までに音が出ていますように!
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TANNOY-GRF at 2021-12-04 22:32
プー博士 もう出ています。大丈夫ですよ。Hさん邸とは同じ装置を使ってもベクトル方向が少し違います。その差が聞けて面白いでしょう。お楽しみに!