2022年 08月 27日
バルビローリのフィンランディアの初版 |
中立国だったフィンランドが、ロシアのウクライナ侵攻により、スウェーデンと一緒にNATOへの加盟を申請しましたが、ロシアと長い国境を接するフィンランドは、歴史上も常にロシアの影響下で生きてきました。シベリウスの交響詩「フィンランディア」は、その帝政ロシアからの独立運動の最中に作曲され、フィンランド民族のシンバルとして知られています。勇猛果敢な曲は人々に勇気と力を湧きただしてくれる稀有な今日だと言えましょう。
いろいろな人が演奏していますが、バルビローリが手兵のHalle交響楽団と演奏したEMIの盤を、昔から聴いています。いつ聴いても勇猛果敢な演奏には感心して力づけられますね。いつかSO君に聞かせたら、私の持っている盤は三版なので、初版盤はもっとすごい音がすると言われ、わざわざ持参して聞かせてくれたのです。やはりその差は大きく、全くの別の演奏に聞こえました。
プレーヤー系の改善が著しいこの夏、やはり初版を手に入れようと探して、ようやくイギリスで見つけたので発注しました。ところが、来た盤は初版ではなく二版のいわゆるカラースタンプ盤でした。
聴いてみるといくらかは、ピントの合い方はよくなり迫力や優しさもますのですが、初版盤の迫力ある音とは違います。送り元に初版だから買ったのにと言ったら、申し訳ない返金するからそのまま聴いてくれとの事でした。
こうなると余計欲しくなるのは人情です。有名な盤なので、当時からたくさん作られ、初版版としては求めやすい価格で、運賃の方が高い始末です。ようやく見つけてオーダーしておきました。
夏休みの一連の実験が終わった頃到着しました。手前が初版盤右上にStereoのマークがあります。モノラルも併売されていた時代の名残です。右が二版、左が三版です。ジャケットもだんだんクオリティが落ちて行きますが、レコードの具合を示すのには裏面の印刷を見るとよくわかります。版を重ねていくごとに字が滲んでいきますね。
左が初版、中が二版、右が三版です。字がにじみ判然としなくなります。レコードの溝も同じような変化が見られるのです。三版は明瞭さも、低域のスケールも変わります。
このレコードが出たのは1966年です。56年も前のことなのですね。レコードには56年も前からこの音が刻まれていたと思うと、50年以上の長い自分のオーディオの歴史も、ようやくこのレコードに入っている音が出てきたのだと実感させられました。
ウクライナの侵略戦争は終わりません。理不尽な暴力行為が続いているのです。そのロシアにわが国も千島列島を占拠されています。その中の国後島までの距離はたった16キロです。野付半島から国後島を見てその近さに驚きました。佐渡でも40キロもあります。
フィンランディアには名演奏が多いです。愛聴しているのは、マッケラスとオーマンディーですね。カラヤンもありますね。
by TANNOY-GRF
| 2022-08-27 01:22
| 好きなレコード
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Comments(5)
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
この世界情勢下で聴くフィンランディアは、ダイ・ハード2のクライマックスの能天気さとは大違いですね。というのはさておき、私もシベリウスはバルビローリ/ハレが一番で何を聞いてもここに戻って来てしまいます(オケが弱いとか言われますが、それを忘れさせる指揮ぶり)。が、CDではart印以降の各種リマスター版しか手元になく、なんか違うなぁと欲求不満を抱えています。アナログ初版のお話を拝読して、ここまで遡上するとどんな世界だろうと空想しています。
私はオーマンディ盤を聴くことが多いのですが、早速、Discogsで注文しました。
1966年のHMV-EMI盤ですが、初版かどうかは着くまで分かりません。スコットランドからですから送料を入れても10ポンドほどです。3日ほどで来ると思います。
このような盤に出会えるのもアナログの大きな魅力です。
1966年のHMV-EMI盤ですが、初版かどうかは着くまで分かりません。スコットランドからですから送料を入れても10ポンドほどです。3日ほどで来ると思います。
このような盤に出会えるのもアナログの大きな魅力です。
のびーさん
私もDiscogsから毎週のように買っていますが、最近は送料の方が本体より高く、また規定の価格に達していないから、もっと変えと言われると、本体価格より送料の方が倍ぐらい高くなります。腹立たしいです。
最近は、レコードクリーナーが普及して、ピカピカのレコードが多くなりましたが、かけてみると、ジャリジャリということもあります。外見だけきれいにしてNear Mintと言われてもなぁ〜。
私もDiscogsから毎週のように買っていますが、最近は送料の方が本体より高く、また規定の価格に達していないから、もっと変えと言われると、本体価格より送料の方が倍ぐらい高くなります。腹立たしいです。
最近は、レコードクリーナーが普及して、ピカピカのレコードが多くなりましたが、かけてみると、ジャリジャリということもあります。外見だけきれいにしてNear Mintと言われてもなぁ〜。








