2022年 09月 26日
23日のお休みの日にS.O君が |
前日のチューバホーンさんは、夕方から始めたのですが、最後は懐かしいレコードで盛り上がり、二種類のウヰスキーを飲んだこともあり、終わったのは十時過ぎ!気がついたらソファーに寝ていました。飲む時以外は相変わらずマスクをして、換気を気をつけていましたが、5時間も一緒にいたらダメです。やはり起きたら少し喉の調子が・・・
いつもの定番ですが、CDをあまり聞かれないS.O君には初めての盤もありますが、FTBの効果で、皆柔らかく暖かい音になっていますので、CDだからという違和感はなかったように思えます。これらのCDはオッター のSACDを除いたら、80年代の録音で、まだレコードと併売がされていた頃の盤ばかりです。不思議なもので、CDも80年代は、まだ使用していた機器類がアナログ時代のものもあり、きわめて暖かい音がします。
2010年ごろの業界再編成の時に慌てて全集で出た盤は、マスターリングに力が入っていないので、画一的な音になってしまいました。80年代〜90年代前半の録音のCDは、その頃出たオリジナル盤を薦めます。その意味で、Made in W.Germany盤が人気があるのです。
レコードやCDでは、マスターリングが最も重要です。96/24に規格が統一されて来た90年代以降のマスターは、自動になって、製作者が思い入れを込めて作った「音」が入っていなく、平板な音になってしまいました。また、日本で、音を加工した場合、いわゆる日本的なわかりやすい音に変換されています。日本盤の音が良いと言われる方もおられますが、原産国のJPOPはいざ知らず、クラシックのホールや教会で録られた音は、わかりやすくはないのです。複雑なホールトーンや教会に響く音も含めた音が、本来の響きだからです。
再発盤や日本盤では、その大切な残響成分や、微小な音場を形成する音が出ないで、一見わかりやすくなっているだけです。それらの傾向は、60年前にステレオが初めて日本に入って来た時から、輸入盤と日本盤の違いとなっています。それを聞くと出発点から間違えていたのだと分かります。その傾向は、デジタルだから同じと言われていた、CDになっても続きます。デジタルの器が問題なのではありません。信号の中身が変わってしまっているのです。問題の根は深いのです。
今日お聞かせしているCDはオリジナル盤ばかりです。これらの音の深いこと、柔らかいこと、力強いこと、再生が難しいと言われている弦楽器の漂うような音や、コントラバスのホールに豊かに広がっていく様や、ヴィオラがいかにオーケストラの音を支えているか、内声部の重なりとハーモニーを聴くことができます。ティンパニーやグランカッサがホールを満たした時、シンバルやトライアングル、チェレスタ等の浸透力のある音が聞こえてくると、家がコンサートホールにトランスポートしています。
静かに広がるピアニシモの木管や金管の音に重なり、受け渡しをしていくピアノ協奏曲の動き、ホルンが上を向き、咆哮するマーラーやプロコフィエフのオーケストレーション。その見事なパッセージの受け渡しが目な前に広がっていくのです。 一月前と全く違う響きに、S.O君も驚いているようです。
レコードに変えました。前回聞いていただいたカラヤンの第九の違いを聞いていただきました。コントラバスがカラヤンの詳細なダメ出しで、変わっていく様子が収録されています。前回は、完成されたB面の音の方がまとまっているとの感想でしたが、今回はカラヤン自身の声が違うと、それと弦楽器の音の抜けがいいと言われました。私はコントラバスの低い方の音の違いを聞いていましたので、言われてみればそのとうりだと思います。
FTBが変わり、低域ばかりではなく、高域ののびや分解能が良くなったのでしょう。高域のキレということで、セルのエグモント序曲を聞いてみました。ウィーンフィルが一体化してすごい切れ味です。セルつながりで、滅多にかけないマーラーの不思議な角笛の迫力ある演奏も聴きたくなりました。前回聞いた時は切れ味が今ひとつだった覚えがあるからです。
これはいい音でした。セルもディスカウもシュワルッツコップも力があり、何よりもロンドン交響楽団の力感ある演奏が素晴らしいです。
グラモフォンに戻り、マティスの美しい声を見いてみました。いつ聴いてもマティスはいいですね。また、エッシェンバッハのピアノが若々しいです。アラウのドビッシーの沈める寺も。ピアノを聴きたくてCDをやって来たのですが・・・
最後は、私の検証盤の森進一を聞いてもらいました。いつもかけている定番ですが、いろいろな音が場所を変えて定位して、ステージの大きさが分かると言われました。フローティングボードで超低音の濁りが消え、演奏会場の奥行きや広さが出て来て、レコードの方は、モーターの変更による最低域の出現と、音のにじみや濁りがなくなって音の浸透力が増したようです。回転でこれほどの音の差が出るのは驚きです。回転精度が良くなれば当たり前といえばそれまでですが、今まで聞いたことのない音がレコードから出始めているのが不思議ですね。
S.O君にも、2時間半も聞いていただき、今回の音の進化を体験していただきました。さあ、これでレコードに専念できます。残り少なくなって来ましたが、どこまでレコードを聴けるでしょうか?
そんなわけで、午前中はボーとしていましたが、今日も三時ごろから、旧友のS.O君が来ます。一月ぐらい前にもきていただいたのですが、今回のフローティングボード効果があまりにも大きいので、再度来てもらうことになったのです。前回は、S.Oさんの傾向に合わせて、真空管の是枝プリで聞いていただきましたが、今回は、フローティングボードがあるので、常用のMolaMolaです。音が柔らかいし、明確で、今まで聞こえなかった最低域も出ているからです。
先日は、レコードに専念して聞いていただいたのですが、今回は、CDもフローティングボード(FTB)で変わったので、最初に聞いていただくことにしました。
by TANNOY-GRF
| 2022-09-26 18:37
| 来たり
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