2022年 11月 09日
引き続き和室のユニコーンの調整を |
夕方になってから、和室の音の調整の続きを行いました。昨日は、どうしても音の偏りが治らず気になっていたからです。SPの位置を物理的に合わせて、どのくらいずれているかの検証からです。いつものテスト用のモノラルのCDを使って、中央からの距離を聴いてみます。やはりだいぶずれていますね。
この部屋では左右の壁の状況が違うので、有る程度その影響は受けるのですが、今回はその範囲を超えているようです。この状態で、プリアンプの左右のバランスがどれほどずれているか調べてみます。何dbずれているかをリモコンのバランスで合わせてみます。普通は、4〜6dbぐらいの範囲なのですが、厳密にはかるとなんと、12dbも違います。
これは、何かがおかしいと思いました。入力端子を変えてみます。同じですね。入力の左右をひっくり返してみました。変わりません。ということは入力系ではなく、プリアンプ以降のパワーアンプ系かもしれません。一番あやしいのは、初段の真空管の劣化です。左右を変えてみると、反対側が小さくなります。原因は、初段の真空管の増幅度でした。この際ですから、新しいvintage管に交換しました。
すると左右のアンバランスは無くなりました。でも、まだ交換したてで、眠い音がします。この状態で、先ほどのモノラル盤をかけて、SPの復刻版なので、針音がします。その針音が左右少し離れていたのを、一体化するまで左右のSPの間隔を1ミリづつ合せます。
合いました。
左右が一体化して、音のバランスが整いました。早速、ステレオ盤をかけてみます。音場が見事に出ました。横向きにして消えていた奥行きも、左右のバランスも、何よりも帯域が広がり力強い音になります。ステレオでは左右の間隔合わせが大切ですね。
今までの音とは次元が違います。真空管の交換と左右の検証、そして位置の微調整で、これほどまでも変わるのです。
久しぶりに聞く、和室でのピントの合った音です。同じ機材を聴いているとは思えません。シューベルトのピアノソナタのある意味本命盤のアファナシエフを聴いてみました。すると、明らかなDENON録音特有の音ですが、切れ味鋭いアファナシエフの世界が展開します。いいですね。
ピアノを離れて、いつものショスターコヴィッチの第15番を聴いてみます。なんと全然違うではないですか?左右のバランスばかりか奥行きも音の深さもダイナミクスを違います。劣化はやはり少しづつ進むようです。
夕方、コンサートホールの音響設計者の豊田氏の本が届きました。サントリーホールをはじめとして、札幌のキタラホール、川崎のミューザの音響設計を手掛けた氏にインタビューして音の違いを語った本です。本人の著書ではないので、核心部分は書かれてはいないのですが、彼の音響と同じで、音響の立場からコンサートホールの音の秘密を語っています。面白いです。
私は、ミューザの静けさが一番好きですね。最近のLSOとパリ管は東京芸術劇場でした。ミューザで聴きたかったな。ラトルがロンドンに作ろうとした新しいコンサートホールは、予算や反対の声も多く中座した様です。またヤンソンスが手掛けようとしたミュンヘンの新しいホールも、ヤンソンスが希望したものでは無くなりました。ゲルギエフとも近い豊田氏には、いろいろと逆風が吹いている様です。プーチンの暴挙がやはり影響しています。
by TANNOY-GRF
| 2022-11-09 09:22
| 和室のユニコーン
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