2022年 11月 26日
ひたひたと老人力が浸透してきて |
11月は、季節の変わり目です。毎日、毎日と日が短くなってきて、最近は四時半には暗くなります。冬至まで日の入りの時間は変わらず、日の出が遅くなっていくのですが、夕方が短くなる11月の変化にいつも驚かされるのです。12月に入って冬型の気圧配置になると、いよいよ冬が来たと覚悟はできるのですが、まだ寒さが本格化する前に夕方の暗さは、老人力のついて目が見えなくなってきた身には応えます。
8月の末に、道に迷った鶴ヶ島のジャンクションにまた出かけました。今回もNAVIに頼ると隣の出口まで連れて行かれて、下に降りてから迷いました。結局前回も使った圏央道の出口が正しかったのですが、関越道と圏央道のおかげで、下道とは必ず斜めに交差してわかりにくくしています。明るいうちはそれでも道がわかるのですが、暗くなるとNAVI頼りになります。
作業は予定通りに終わり、真っ暗になっても、帰り道は遠回りせず、圏央道の入り口にはたどり着きました。8月に工事中だった入り口近くの道はまだまだ通れずで、ひとまわり遠回りをして高速に入るのは同じです。このように暗くなると、老人力のました目では見えなります。一年中で一番怖い時期かもしれません。
老人力の増した目で困るのは、レコードを探す時です。背表紙の小さな字は見えなくて、レコードの場合は、引き出してジャケットを見て判断します。しばらく聞いていないレコードを探すときは、棚から二十枚ぐらいづつ引き出して、ジャケットを見ますので、何回もすると手も疲れます。レコード棚の高さにも対応して、正対しないとなりませんので、高さによって、床に座り込むときもあり、階段上のスツールの上に登る時もあります。最上段には、わかりやすいBOXを置くようになります。一番下はどうしても聞くことの少ないBOXとか全集物になります。5センチ以上の大全集は、それごと引き出して中を精査します。
それでも、レコードは字も大きいし、ジャケット文字化に触りますから判断がわかりやすいのですが、CDは皆プラスチックケースに入っているし、文字もどうしてこんなに小さくするのだろうと訝るぐらい小さな活字を使っています。漢字と違って、アルファベットの文字は、並び方で単語がわかるからでしょう。単語をシンプルなアルファベットで表現するので長さでもわかるからでしょうか。漢字の場合は象形文字ですから、どうしてもある程度の大きさがなければ、文字を読み取れません。昔の新聞の活字や、文庫本の活字は小さかったです。昔の文学全集などを見ると活字そのものが小さくて、文字の周りの空間が大きいですね。
しかし、老人力が付いても、目が見えていれば老眼鏡や、明かりを明るくすればいいのですが、目が不自由な方はどうしてCDを判断できるのか不思議でした。そこで、3,000枚以上のCDをお持ちの方にお聞きすると、大変な工夫をされているのに驚きました。まず、現在聞いているCDは、置き場所によって判断できますが、いつもは聞いていないCDは、ケースの形状や、カバーの有無、重さ、ケースの開き具合の角度や軽さ、緩みを覚えているそうです。それだけでもすごい感覚と記憶力ですが、長い間聞いていないCDの棚に入っている盤をどのように覚えているのでしょう。
それはメモを取って、それを読むソフトで、その順番を記録しているそうです。それにしても、その位置に戻す精度も問われます。CDケースはメーカーにより微妙な違いもあります。形状も時代によって変わるし、ケースの厚さも微妙に違うそうです。我々にはわからないすごい感覚ですね。その精度でSPの位置調整もされているので、安定した素晴らしい音が出ているのでしょう。オーディオは深いです。
PCオーディオ でリッピングしておけば、呼び出しが簡単だと言われますが、テープのコレクションは、全てリッピングしていただき、レコードと同じようにレーベルごとにまとめています。DSDでのリッピングですから、3GBのハードディスクでも、100巻分が限界です。勢いハードディスクは何台にもなり、特別な木の箱に入れて、聞くときは切り替えています。
CDはリッピングしません。PC上の画面をスクロールしてアルバムを探すのが大変だからです。作曲家別、演奏家別など如何様にでも、表示でできると言われますが、そのソート方法が変わると、探す手掛かり自体を失うからです。先程のジャンクションのあたりがわかりにくいのは、交差する高速道路の巨大なジャンクションの道と、その下を潜る下道との関連性を失うからです。実際は、立体交差して混じり合わない上と下の道が、Navi上では同じ平面に表示されてしまい、レイヤーの判断が、運転中ではできないからでしょう。
画面上に何本も表示されるジャンクションの複雑に交差して、集合する道と自分が走っている下道との区別がつかなくなり、真っ暗で地形がわからなくなり、方位を失ったジャンクションの状況は、好きな曲を探す手がかりを失う、PC上での仕分けの方法と重なります。実際の棚のどのあたりと仕分けしていた古くからの記憶が、消されてしまうのは怖いです。
本棚やレコード棚は決して他の人に触らせないようにしないと、大変なことになります。老人力の拡大は、探す分野自体を狭めていくから大局が見えなくなっていくのですね。視野と記憶が狭まっていく恐怖です。
by TANNOY-GRF
| 2022-11-26 14:28
| オーディオ雑感 レコード篇
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