2023年 01月 17日
少しづつ解ってきました |
このフローティングボードだけで、なぜこれほど音が良くなるのか?
これが前回までの疑問でした。
そこでいろいろな文献を当たると、当たり前のことが浮かび上がってきました。それは「除振」と「防振」は同じという事です。今まで私の中では、低域用SPのTW5から伝わってくる低周波が床を伝わってくるのを、フローティングで遮断するのだと考えていました。ところが、ボードの上の機器の振動を、このフローティングで床に伝えない作用もあるのだと気がつきました。すなわち床から伝わる除振も、本体から外部へ伝わる防振も機構は全く同じです。
このフローティングボードは、両方向への振動を遮断していることになります。すると、フローティングと反対の動きをしているスパイクや各種のインシュレーターなどがどうして音色が変わるか見えてきました。それは上に載っている機器類の固有振動をスパイク等で減速や収束させても、その材質固有の響きや形状から来る減衰カーブの音が乗るということです。機器類が持っている固有の振動が、インシュレーターで音色が変換されているのです。
よく違う種類のインシュレーターを重ねて使われている方や、同じものを何枚も重ねる場合も見受けます。また、スパイクの下に「受」を置き、音色のコントロールをする場合もあります。特殊な材質で、今までにない響きを生み出すと、それを打ち消す素材も併用されたりします。そういう、いわば音色コントロールの役割を果たしているスパイクやボード類は、上下間がつながっている限り、防振や除振を行なっているのではありません。
そして、従来からあるリラクサタイプのフローティングボードと違うのは、強力な磁力で遠くから浮かばせることのできる磁力にあります。「除振」と「防振」を可能にさせる柔らかな動きを再現する強力な磁力にあるようです。ちなみに磁石を鉄板で囲んだいわゆるヨークタイプでは磁力が狭い範囲に集中してピストン範囲しか磁力が効きません。これはこれで用途が別にあるようです。この際だから、それぞれの機能を精査して役割毎に使い分けできれば、より効果的に運用できるでしょう。
プロトタイプの一号機は、剛性の高い鋼管フレームの上に、密度の高いMDF合板を載せて、大変頑丈な土台を作っています。必然的に厚さが高くなり高さは12センチにもなりました。椀方さんから、高さを抑えられないか、テレビの前に置くので、色も黒い色はできないかと要望が出されたのが、椀方さんのところへラックが導入された暑い八月頃でした。それから大山さんの開発が進み、クリスマスの当日に薄型タイプが導入されました。
同時に、私のところへも送られてきて、それをDAC内蔵のプリアンプMolaMolaのMakuaの下に敷きました。すると、微小信号を扱うプリアンプでは、除振と同時に、SPによる直接の振動で生じる筐体の微小な振動を、フローティングで遮る防振の役割を果たし、これほどの音の変化があったのだと思います。
SD05やMolaMolaを載せてみて、初めて真空管への振動防止だけではない、逆のアンプ側からの振動遮断が、スパイクやガラスのインシュレーターによる音色の違いを飛び越えて、残響音などの微小な音場情報を再現できたのだと思います。
椀方さんからのご要望が、製品開発のモチベーションになり色々苦労しましたが、薄型の製品として完成しました。ここから次の目標が見えてきました。部屋の中の微小な信号を整えていく上で、古くて新しいツールが生まれたようです。
by TANNOY-GRF
| 2023-01-17 15:16
| オーディオ雑感
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Comments(6)
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GRF
at 2023-01-17 17:13
x
不思議なのは、バックロードホーンで再生限界が決まっているのに、ありえないように低音が出てきた事です。それが、この位置調整で変わるという不可思議な現象です。水準が合うと、フアフアに于g供養になるのが理由でしょうか?
今までは真空管に振動が伝わらないように使用していましたが、プリアンプやイコライザー、DACなどの微小信号が通過するところにもどう変わるか実験するつもりです。
オーディオは、思っているよりはるかに奥が深いですね。本能に関係する耳の精度は、とても奥が深いですね。
今までは真空管に振動が伝わらないように使用していましたが、プリアンプやイコライザー、DACなどの微小信号が通過するところにもどう変わるか実験するつもりです。
オーディオは、思っているよりはるかに奥が深いですね。本能に関係する耳の精度は、とても奥が深いですね。
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TANNOY-GRF at 2023-01-18 04:15
昨日から左の欄に記事ランキングを表示しました。ランダムに選ばれており、10年前や数年前の記事に一気に飛びます。そこから前日や翌日の記事を見るとその時代のことが昨日のことのように現れます。こうして記事を書いていて良かったと思いました。
初めて見るような記事も、内容を見ると今とほとんど同じ感覚で見ているのが分かります。16年間も綴ってきた日々が蘇ります。そしてコロナの停滞期が、我々の世代に与えてる影響の大きさも。それに戦争です。
初めて見るような記事も、内容を見ると今とほとんど同じ感覚で見ているのが分かります。16年間も綴ってきた日々が蘇ります。そしてコロナの停滞期が、我々の世代に与えてる影響の大きさも。それに戦争です。
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S.Y
at 2023-01-18 14:05
x
GRFさま
「フアフアに于g 供養になる」
一番肝心なところが解読不能。(爆)
GRF さんの昂奮が伝わってくるようで、僕もドキドキしますが、さすがに推理できません。(爆)
通常は一旦、アルファベットに戻してローマ字キーの位置を確認、隣のキーを押したか、一文字飛ばしたかで正解をだせるのですが・・・。
S.Y
「フアフアに于g 供養になる」
一番肝心なところが解読不能。(爆)
GRF さんの昂奮が伝わってくるようで、僕もドキドキしますが、さすがに推理できません。(爆)
通常は一旦、アルファベットに戻してローマ字キーの位置を確認、隣のキーを押したか、一文字飛ばしたかで正解をだせるのですが・・・。
S.Y
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TANNOY-GRF at 2023-01-18 20:34
S.Yさん 「フアフアに于g 供養になる」コリャー、一体なんでしょう?
おそらくは、「フアフアに動くようになるのが理由」でしょうね。
お騒がせしました。
おそらくは、「フアフアに動くようになるのが理由」でしょうね。
お騒がせしました。
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S.Y
at 2023-01-19 11:49
x
GRFさま
解読できました。
ugokuyouで「フワフワに動くようになる」ですね。
「于」の読みが当初は分からず、漢和中辞典で「う」だろうと当たりをつけて「o」の打ち忘れたと解釈しました。(爆)
S.Y
解読できました。
ugokuyouで「フワフワに動くようになる」ですね。
「于」の読みが当初は分からず、漢和中辞典で「う」だろうと当たりをつけて「o」の打ち忘れたと解釈しました。(爆)
S.Y
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TANNOY-GRF at 2023-01-19 13:06
S.Yさん 老人力はとうとう手の動きまで関与してきたようです。キーボードの位置が近いと、指が動かなくなってきたのですね。お騒がせしました。