2023年 01月 29日
本当に久しぶりにOrisukeさんが CD編 |
前回Orisukeさんにお会いしたのは、パンデミック直前の2019年の年末でした。パグ太郎さんとご一緒に、暮れの28日にきていただいたのが最後ですから、お会いするのは三年ぶりですね。その頃は3ヶ月に一度ぐらいはお会いしていたのですが。
今日のメインは、この三年間で進化した大きな部屋の方の、TW5を追加した時の違いと、頑丈なラックと一連のフローティングボードの効果をお聞きいただくことでしょうか。最後はどなたも驚かれるレコード再生です。
まずは、先日の「新世界より」のCDが散乱している和室の音から。三年前との違いは、ユニコーンを横に戻したのと、プリが工藤さんのプリから、MolaMolaのレコード用のイコライザー内蔵の方のプリを持ってきています。DACは、Meitner のボードをヴァージョンアップしたタイプです。先日来、ユニコーンの縦位置配置を横向きに戻しました。縦置きのほうが奥行きやホール感は出るのですが、ホールの感覚は大きな部屋で再現しているので、部屋を広く使いたいのと、普通の部屋でどこまで満足できるかの実験を続けています。
先日導入した、パワーアンプ用のフワフワなフローティングボードがいい仕事をしてくれていて、シングルコーンとはどうしても思えないユニコーンの音に今更の様に驚かされます。DDDユニットの動きは不思議です。バックロードがかかる部分は、ピストン運動しているのですが、通常のスピーカーの様な動きはしません。そこからどうしてコントラバスの音やティンパニーの深い音がするのでしょう。
散乱していた「新世界より」のCDを片付けながら、名指揮者の演奏の比較も楽しみました。皆、色々な個性があり、冒頭のティンパニーの鳴らし方、音色も全く違います。やはりセルやクーベリック 、そしてケルテスの演奏が若々しく、瑞々しいですね。
不思議なのはそのクーベリック です。ベルリン、ウイーン、チェコ、バイエルンと違い個性を持ったオーケストラを振っていますが、どの演奏もクーベリック 独特の瑞々しいサウンドがします。指揮者の能力ともに、指揮者の個性を表現するオーケストラの奥行きの深さにも感心します。
和室では、少しだけと思っていたのですが、聞き比べが面白く気がついたら1時間以上経っていました。少しだけと思っていたので、廊下に出していたヒーターも戻さず、寒いまま1時間も聞いていただいたので、ヒーターが効いている大きな部屋は随分と暖かく、Orisukeさんが、コートを着ていたのにようやく気がつきました。
まず、三年前とどこが違ったのかの説明です。一番の違いはTW5の存在でしょう。前回来られた時は、後方の40だけがGRFの上に乗っていました。後方に微妙な時間差がでるように置いた40の音量は、80と40の間に立った時、同じ音がしているモノラルの音が、ちょうど中間から聞こえる様に位置を合わせます。この調整が結構微妙で、そのわずかな前後で、音が滲んだり、不自然になります。これは経験を積むしかありません。後方の上方で電気的には同じ音が鳴っているので、置いてある前後のわずかな時間差で、響きの深さと低域の音の深さが出てきます。
Orisukeさんは、もともとユニコーンについていたリペアーしたDDDユニットを使って、いろいろと無指向性SPの実験を行っています。雪に閉ざされる冬の間に色々と実験をされて、充実した日々が過ごせれている様です。DDDユニットの特徴をご存知なので、実際の使いこなしのコツなどをご説明しました。厳密にいうと薄いチタンの振動板一枚違っても、同一の音を出している複数のユニットは、微妙な位置の違いで、お互いの音を打ち消したり、増強したりします。
どこが良いかは、その部屋の環境で違いますから、音のバランスを取るのは時間がかかりますが、電気的なサラウンドの信号では無いので、アンプに余裕があればそのまま並列で駆動できますし、不自然なところはありません。無指向性と振動の方式がベンディングウェーブという楽器の振動と同じ方法なのが良いのでしょう。
Orisukeさんのご理解のために、一旦、後方のSPの結線を外して、前方のメインSP Troubadour 80と、300Hz以下を受け持つ大山さんのPSD TW3のウーファーだけで鳴らします。基本の前方のSPだけで、十分な低音と後方に広がる豊かな音場を楽しむことができます。今回、久しぶりに後ろの結線を外し前だけで鳴らしましたが、私自身が驚いたほど、前方だけのSPで豊かな音がしました。ボードの効果でしょう。
不思議なのは、300Hz以上だけがなっている40を加えただけで、奥行きと低域の響きが変わることです。40を加えるとホールの奥行きが出てきて、コントラバスやオルガンの響きが聞こえて、実在の音の響きがします。この音が聞ける様になってから、コンサートホールの実際の低音楽器を聞いても驚かなくなりました。演奏によっては、うちで鳴っている音の方が優っていると思うことさえあるからです。錯覚だとしても嬉しいですね。
今日も、まだTW5が鳴らないうちに、低音の深さと豊かさが、40を付加するだけで変わるのを体験していただきました。そして、その音に50Hz以下の実音を足すTW5が鳴り始めると部屋の中に教会のパイプオルガンが出現します。これは、通常の再生装置では再現できない領域で、その音が出現しただけで、部屋が教会に変わるのです。その実在感に驚いてもらいました。驚くのは、SD05の低域の駆動力です。その下にフローティンボードを敷いた時驚きました。
この三年間で進歩してきたこと、変化してきた音と、その理由を説明しました。フォン・オッター のオルガンを背景にしたマーラーの曲は、静かなオルガンを伴奏に、目の前の空間にオッター が現れます。その現れ方が素敵ですね。声もステレオのマイクで収録されているので、歌いながら顔を向ける様もわかります。空間が出てくるのですね。それなのに、音だけを録ろうとマルチマイクで収録された録音のバラバラの事・・・。
ラベルのラ・バルスのコントラバスのリズムの動き、サン・サーンスのオルガン交響曲の静かな第二楽章。そしていつものショスタコヴィッチの交響曲15番、いつ聞いても不思議な曲ですね。ヴァイオリン群の位置もはっきりわかります。チェロとコントラバスのオクターブ違うユニゾンの響き、普通は埋もれるバズーンの低音域のピアニシモ、カスタネットやチェレスタの打楽器の位置と広がり。聴きどころはいくらでもあり、音を楽しむ文字通りの「音楽」が出現するのです。
三年前にも聞いていただいた同じCDを聞いていただいていますが、今回は三次元の大空間が目の前に出現しています。Orisukeさんは、ミューザの音が出ていると言ってくれました。とても嬉しいです。
気がつけば、もう、2時間半ほど経っています。大変化したレコードの方も聞いていただかなければ・・・
by TANNOY-GRF
| 2023-01-29 14:45
| 来たり
|
Comments(5)

椅子に乗ったDDDユニットと奥に控えるウーファーユニットとの組み合わせ懐かしいですね。
拙宅で試したのが2014年でしたからもう9年前のことになりますが、ついこの前のことのように思えます。
拙宅で試したのが2014年でしたからもう9年前のことになりますが、ついこの前のことのように思えます。

椀方さん あの40での実験はもう9年前なのですね。そしてその暮れのUNICORN導入へとつながるわけです。
http://wankata.cocolog-nifty.com/music/2014/12/unicorn-8474.html
Orisukeさんがお使いのユニットは、私が持っているユニコーンについていたユニットを、ドイツへ送り返して、リニューアルされたものです。スペアで取っておいたのですが、Orisukeさんの実験室で活躍しています。
http://wankata.cocolog-nifty.com/music/2014/12/unicorn-8474.html
Orisukeさんがお使いのユニットは、私が持っているユニコーンについていたユニットを、ドイツへ送り返して、リニューアルされたものです。スペアで取っておいたのですが、Orisukeさんの実験室で活躍しています。
DDDによる三次元空間に出現する素晴らしい音楽体験。
大変興味深いです。
オーディオに超有名声優様にケーブルで700万円の買い物を指せてしまった自分ですが意義あるオーディオと感じ発言させて頂きました。
ありがとうございます。
大変興味深いです。
オーディオに超有名声優様にケーブルで700万円の買い物を指せてしまった自分ですが意義あるオーディオと感じ発言させて頂きました。
ありがとうございます。

伊藤さん コメントありがとうございます。DDDは無指向性のスピーカーなので、調整がぴったり合うと、SPが消えてコンサートホールの大空間が出現します。オーディオの楽しみが音楽を聴く楽しみに変わります。容姿も最高です。じっくり探されれば程度の良い中古に巡り合えますよ。
深いです。自分だと昔ビクターから発売されていたDDスピーカーが手に入る無指向性スピーカーでした。
スーパースワンのボーカル抜群でその点ではかなり生きるのですが自室6畳和室では狭すぎ本領発揮させてあがられませんでした。
DDDで是非素晴らしい音楽体験をお楽しみ下さい、
スーパースワンのボーカル抜群でその点ではかなり生きるのですが自室6畳和室では狭すぎ本領発揮させてあがられませんでした。
DDDで是非素晴らしい音楽体験をお楽しみ下さい、