2023年 02月 02日
本当に久しぶりにOrisukeさんが レコード編 |
久しぶりに来られたOrisukeさんに、この三年間の変化を段階的に実演して、順番に変化の行程をお聞きいただいてきました。50Hz以下を再現するTW5のウーファーでの、オルガン等の最低域と奥行きのある音場の出現、定番のカンターテ・ドミノでの違いも驚いてお聞きいただきました。
もっとお聞きいただきたいのですが、和室の時間が少し長かったので、やはり予定が少し押し気味になってきました。これから、一番の驚きであるレコードの世界をお聞きいただかなければなりません。こちらも、どこが変わったかを順番にご説明から始めました。まずは、DSオーディオの光カートリッジとの遭遇からです。その驚きは、今でも忘れません。今までと全く違った風景が目の前に現れたからです。
あまりの差に驚いて、光カートリッジを急遽導入。003とGrand Masterの音の違いに驚いていたら、またまた、Hさん邸で大変なことが起こっていました。EMT-927からReedのプレーヤーとリニアトラキングアームの導入。それをのせる大山さんの専用ラック!
その騒動は、年末まで引きずり、いよいよリニアトラッキングアームに大転換しました。その半年間の葛藤も今となっては熟成に必要な期間だったのでしょう。その後は、糸ドライブ用のモーターの交換も低域の改善には貢献しています。それらと同時進行していたのが、大山さんの超剛性ラックとフローティングボードです。
その変化と進化をご説明して、何はともあれと、いつも聞いていた森進一のリサイタル盤をおかけしました。以前なら、CDやSACDの再生の後では、レコードはかけられなかったです。音の安定性、ゴロやレコードと針の間の擦過音、プレーヤーのS/N比、インサイドフォースの調整と変化。何よりも最内周での音の劣化と外周との音の差等々、その違いを、私自身が驚きの連続であったレコードの音の大変化を、森進一で聞いていただきました。
まず針を下ろしたときの溝に入る音が違います。今までもこの実況録音盤では、音は立体的に分離して聞こえていたのですが、CDで出ている音場感とか会場の奥行き感の再現は難しかったのです。ところが、今は聴衆の拍手や女性ファンの叫声が最前面に出て、伴奏の弦楽器は右前の方から、チェレスタの響きは前方左から、ベースの音は最後列から会場に響き、最後に森進一が登場して、前方、後方の四つのSPで構成される空間の中央に立ち、マイクに息を吹き込むあの特有の声で、広〜い東京のかたす〜みで〜♪と歌うのです。
Orisukeさんの驚きのお顔を見ていました。それは、この二年間、進歩するたびに驚いていた私自身の表情だからです。その森進一の実況盤に光カートリッジだけが変わった時のパグ太郎さんのご感想が変化を言い表されています。
21年3月末の光カートリッジとの遭遇から、22年の10月のフローティンボードの効果まで、進化してきた変化をOrisukeさんにお聞かせしたので、その驚きは、大変だったでしょう。私自身、レコードの音がこれほど変わるとは思ってもいませんでした。光カートリッジの持っているポテンシャルのどれだけが再現できているかまだ不安ですが、でてきた音は、ヒス音が無くなったマスターテープのようでもあり、DSD録音のような静けさと、大空間の再現だとか、レコードでは考えられなかったクロストークの良さがもたらす、テープのような安定と大空間の再現です。
それらが、どのレコードをかけても、聞こえてきて何を聞いても驚きの連続なのです。一番の驚きはレコードとは思えない、超低域の再現と奥行き感でしょう。これにはいまだに私自身が驚いています。
レコードで実況録音盤をおかけすることが多いのですが、理由はその会場にワープしたような臨場感と生々しさがあり、スタジオ録音のような作られた音ではなく、その歌手の実力をぶっつけ本番で問われるからです。その試練に耐えられる歌手だけが、本物として数十年後でも聴かれているのでしょう。そして本来のレコード(記録)の意味も同時に楽しめます。「どこでもドアー」が開いて、会場にワープする魔法の扉です。
それは子供の頃に憧れていたタイムマシンなのです。おかけした森進一は、1976年の実況録音、実質上最後のリサイタルになった越路吹雪の1979年盤、同じ年にデビュー5周年を迎えていた八代亜紀の迫力あるステージ。当時からこれらのレコードは聞いていましたが、ここまで、まるで現在演奏されているような音で再現できるとは思っていませんでした。
1950年代半ばのステレオサウンド紹介のデモレコードに収録されていた、当時のNYの様々な音、その迫力を楽しみ、カラヤンの第九のリハーサル盤のコントラバスの生々しい最低音。コントラバスの最低域の迫力ある柔らかい音をお聞きになられたことはありますか?それも、マスターテープではなくレコードの再生で。
Orisukeさんも、今まで聞いたことのない音に驚かれていました。私自身、ここまでの音が出るとは思ってもいなかったからです。テープをなぜやっているか、聞いてきたか、それと同じいや、ヒス音がない分楽しめる音かもしれません。テープ再生も頑張らなければ、Cさんと相談して、何らかの対応をしたいです。
最後に、ハイティンクの名盤をお聴きいただきました。気がつけば、約束の時間を1時間近くオーバーしていました。仕方がありません。もっと聞いていただきたいのですが、今年は寒いので、この辺りで、また暖かくなったらこの続きをやりましょう!
by TANNOY-GRF
| 2023-02-02 10:38
| 来たり
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