2023年 03月 13日
土曜日は、初めてお会いするRoverさんが |
GRF様 いつもブログを拝見させていただいております。突然ですが、ジャーマンフィジックスを使った再生音を一度お聴かせていただくことはできますでしょうか。実は拙宅にもHRS-130があります。大変素晴らしい音なのですが、ジャーマンフィジックスを極められた方の音を目標にしたいと思った次第です。オーディオも音楽もGRFさんには及ばない者ですが、ご検討の程よろしくお願い致します。
Rover 様 ご連絡ありがとうございます。今週は出張に出ていたので、ご返事が遅くなりました。HRS-130をお使いとのこと、どのような音楽を聴きになられているのでしょう。よろしければ、装置の写真とか、いつもお聞きのソフトだとかのをお知らせいただけますか?
GRF様 返信ありがとうございます。単身赴任であまり広くない部屋なのであまりきれいに設置できていませんが、写真お送り致します。奥のHARBETHの7ES-3 XDも悪くなく、たまに比較用に聴いていますがやはりジャーマンフィジックスを聴いてしまうと平板な印象となってしまい、撤去予定です。
アンプはジェフローランドのコヒレンス、EAR912を中心とした機材、デジタルはSFORZATO のZERO LINKで、アナログはヤマハのターンテーブルにFR-64Sで、Denonの103を使っています。アンプ系も少し整理の必要があります。ハイレゾ中心でしたが、ジャーマンフィジックスを使うようになってアナログの素晴らしさを再認識しました。音楽はクラシック中心でブルックナー、ブラームス、モーツァルト、チャイコフスキーなどのオーケストラや弦楽の協奏曲を良く聴いています、正直なところあまり詳しくはありません。
Rover さんとは何回かやり取りを重ねました。現在は東京へ単身赴任をされているのですが、平日に音楽をお聞きになりたいので、装置をこちらに持ってきておられるそうですが、やはり部屋の制限もありますので、引退後は、実家の方に専用の部屋を作ってHRS-130を朗々と鳴らされたいそうです。その参考に、拙宅の装置をお聞きになりたいそうです。Germanは日本には代理店がなかったので、ヨーロッパから個人輸入をされたそうです。その時と比べて、最近の価格の値上がりには驚かれていました。
やり取りをしていたのは、2月の中旬でしたが、双方の予定を合わせて3月の第二土曜日の午後に予定を入れました。その週は、木曜日に愛知県まで出張予定があり、その帰り道、浜松のプー博士の家に大きなSPボックスを運んで帰りが遅くなりますが、土曜日は午後の予定なので、午前中のんびりすれば大丈夫だろうと思っていました。ところがその運転中にメールが入り、午後に予定が重なり、できれば、午後1時開始を午前11時ごろにならないかと聞かれました。
午前中開始でも、10時を過ぎれば可能なので、10時半からと言うことで返事をいたしました。しかし、和室から始まり、丁寧に違いを説明するには、和室で1時間、大きな部屋で1時間半、最後にレコードでも、30分ぐらいで、合計三時間は必要なので、終わりの時間を2時ごろまで可能なら、決行しようと返事をしました。問題は、昼食を取る時間がないことです。
浜松からの帰りは通行止めなどもあり、時間が遅くなり、また、重い荷物を載せての運転を行なったので、その疲れは土曜日になって出てきました。すぐに出ないのが老人力ですね。午前中からのスタートになりましたので、事前に音のチェックをする暇がなくなりましたが、大丈夫でしょう。時間通り、Rover さんは到着され、挨拶も早々に和室から聴き始めました。
GRF様 先日はご無理言って申し訳ありませんでした。快く受け入れていただき、本当にありがとうございました。私もこれからも楽しくオーディオと向かい合って行こうと思いました。引き続きよろしくお願い致します。以下は感想です。
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まずは和室からですが、ブログで写真は何度も拝見しておりましたので、不思議と初めてという印象はありませんでした。
しかし、ユニコーンを聴くのは初めてでした。単発のユニットですので、低域はさぞかし厳しいのかなと思って聴き始めたのですが、豊かな低域がしっかり出ていることにびっくりしました。低域の開口部は横向きなのでこちらに向いています。エネルギッシュと言っても良い位でした。また、チタンという事で振動板の軽さもあるかと思いますが、空気の振動が伝わってくる、演奏会場の緊張感が伝わってくる感じです。
トニー・ベネットのボーカルも息づかいまで伝わってきました。ピアノのアタックもしっかり再生できています。こちらは、ソニーのCDプレーヤーを使用されておりCDの音にこんな生々しい音が入っていたのかと、普段大変な思いをしてハイレゾのネットワーク再生をしている私にとっては、その単純さに驚いた次第です。
双3極管の6336Bのモノラルアンプは磁気的にフロートされたボードに載っており、その最低域までしっかりドライブできる懐の深さに関心しました。やはりジャーマンフィジックスは真空管アンプが合いそうです。MolaMolaのプリも正確で真空管アンプと相性も良さそうです。
和室でGRFさんと色々話しをしていたら、あっという間に1時間位過ぎていました。ちなみにGRFさんは、部屋の隅の椅子に腰掛けておられて、いつもそちらで聴いておられるとのこと、コンサートホールでも真ん中に座ることはまずなく、それでも楽しめるのは無指向性のジャーマンフィジックスならではと思いました。
その後は、大きな部屋に移動をしました。お待ちかねの大編成のジャーマンを聴くことができます。まずは後ろの50Hz以下を再生するTW5のウーファーとアンビエンス用のT40を切った状態で再生し、これでも十分なんですが、その後TW5ウーファーとT40が加わり、奥行きやリアリティのある空気感が加わり、あたかもコンサートホールに居るような錯覚さえしました。
ANNE SOFIE VON OTTERの生々しい声とオルガン、おなじみカンターテドミノではコーラスのハーモニーが見えるようですし、マーラーの3番もいつもと違う迫力で迫って参りました。後ろのカーテンを3センチだけ開けるかどうかの違いまでわかって調整されているGRFさんの気遣いと何気に完璧を求めていらっしゃる姿に感動しました。
ここまで来るには相当コツコツと試行錯誤を積み上げて来られて、ようやくここ数年まとまって来た感があるとのことでした。スピーカーの横幅を超えて広がる音像やホールの高さや奥行き、包み込まれるような拍手も素晴らしいものでした。コントラバスもだぶつくことなく再生されていて、CDが発売された40年も以前のCDとは思えない情報量でした。
最後に光カートリッジで、越路吹雪や若い頃の森進一のレコードも再生していただき、意外やCDとの差があまりないことも驚きでした。どちらも完成度が高いということなのだと思いました。
今回の目的は、拙宅のHR-130の使いこなしのコツをご伝授いただきたいという趣旨でしたが、細部にわたりしっかりと教えていただきました。しかし、始めからそう簡単には鳴らないと思いますが、少しでも近づけたらと思いました。拙宅のHRS-130の振動板はカーボンですが、チタンの振動板との音色の違いも分かりました。カーボンの方が調整は多少は楽かもとは思いましたが、しっかり調整されたチタンは素晴らしいですね。
また、最後は部屋が大切であることもわかりました。部屋はどうしても制約がありますが、その中でいかに工夫して鳴らし込むか、また、できるだけシンプルに機材構成を揃えて追い込んで行った方が、改善の結果が明確にわかるので、良い結果につながり易いと感じました。
今回、見ず知らずの私を快く受け入れてくださったGRFさんに感謝です。ありがとうございました。
Rover
by TANNOY-GRF
| 2023-03-13 23:00
| 来たり
|
Comments(2)
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by
椀方
at 2023-03-14 19:59
x
なんだか小生が2011年12月に初めてGRF邸を訪問した時のような訪問動機と訪問記のように思えてきます。
Roverさん単身赴任というのも似てますが、部屋のレイアウト写真拝見すると良い音していそうですね。
Roverさん単身赴任というのも似てますが、部屋のレイアウト写真拝見すると良い音していそうですね。
Commented
by
TANNOY-GRF at 2023-03-14 22:21
椀方さん そうですね。初めて椀方さんが来られた2011年の冬の時みたいです。あれはもう12年も前のことなのですね。
http://wankata.cocolog-nifty.com/music/2011/12/grf-5a6e.html
その後、2月の時は、ハートレーの横に使った平行法を聞いていただきました。
http://wankata.cocolog-nifty.com/music/2012/02/grf-6857.html
そして大阪に帰られる前の三月の時です。
http://wankata.cocolog-nifty.com/music/2012/03/grf-93e4.html
それでも、本命のGRFを聞かれていなかったので、本当に直前に来られましたね。
http://wankata.cocolog-nifty.com/music/2012/03/grf-76cb.html
懐かしいです!
http://wankata.cocolog-nifty.com/music/2011/12/grf-5a6e.html
その後、2月の時は、ハートレーの横に使った平行法を聞いていただきました。
http://wankata.cocolog-nifty.com/music/2012/02/grf-6857.html
そして大阪に帰られる前の三月の時です。
http://wankata.cocolog-nifty.com/music/2012/03/grf-93e4.html
それでも、本命のGRFを聞かれていなかったので、本当に直前に来られましたね。
http://wankata.cocolog-nifty.com/music/2012/03/grf-76cb.html
懐かしいです!