2024年 08月 07日
ダイヤモンド ツィーター |
少し前までは、最高級SPの価格帯は、数百万円でした。超弩級のSPシステムでも2000〜3000万円だったのですが、コロナから回復して来た時、最高級SPの価格帯は、桁が上がって、数千万円代になりました。通常のマニアが買える価格帯ではなくなり、IT業界の成功者か、ファンド関連企業の経営者か、はたまた、アラブの大富豪だけが買える価格帯になったのです。自家用ジェットで移動をする様な人たちでしょうか?
オーディオ業界が、マニアたちの狭い範囲から、ステータスの象徴になったのです。そのためには、スーパーカーと同じレンジのステータスがなければ、逆に売れません。毎年、ミュンヘンで開かれるオーディオショーに出品してくる最高級SPの最近の変遷を見ていると、目が眩む様です。
それらの最高級SPたちの詳細を眺めてると、ある共通した項目に気が付きます。それは、ツィーターがダイヤモンドだということです。ダイヤモンドツィーター自身は、今に始まったものではありません。最初にダイヤモンドのツィーターを使用したのは、Avalon だったと思います。
当初は20mm、その後は25mmのダイヤモンドツィーターを使用して、高域の指向性と低歪みな音でAvalon特有の音場を作って評判を呼びました。2002年頃の発売で、ペアーで五百万円ぐらいでした。続いてダイヤモンドツィーターを普及させたのは、B&Wの800シリーズです。2005年ごろでした。全モデルにダイヤモンドツィーターを搭載したモデルを普及させました。最高峰の800で350万円ほどだったともいます。これは一世を風靡しました。一時はどこのお宅に伺っても、ドラえもんの様な丸いお顔と対面したものです。
この二つのSPとも、化学気相蒸発(CVD)と呼ばれる技術で、炭素分子を高温、高圧の圧力容器の中で、ツイータードームの形状に整形したものです。その技術革新もあり、年々生産が拡大していきました。当初は、20mmだったダイヤフラムの直径も、25mmになり、ドーム型、逆ドーム型と形状も工夫され、最近は、30mmまで直径が拡大して来ました。ただし製造過程の困難さに比例して価格も上がり、25mmは20mmの倍、30mmは25mmのまた倍となっているので、市場に出回っている最高級SPでも、その30mmの直径のものは、2、3社しか出ていません。そして、SPの価格は一気に10倍の数千万円台と、飛躍的に上がりました。
どうして25mmから、30mmの変わるだけで、SPの価格が10倍以上になるのか、聞いてみないとわかりません。製造会社はドイツのThile & Partner社・ブランド名Accutonは、SPユニット製造メーカーで、SPメーカーに部品として、セラミックツィーターやスコーカー、そしてダイヤモンドツィーターを供給して来ました。部品の一般販売はしていません。
その供給先のSP製造メーカーが、Accuton社のホームページに記載されています。それをクリックすると、最高級スピーカーメーカーに飛び、数千万円のSPが掲載されていて驚きます。それに比べるとAlareのレミガ2の1300万円が安く感じるぐらいです。
Alare Remiga2 30mm ダイヤモンドツィーター ¥12,980,000
Albedo ACCLARA DIAMOND 25mm ダイヤモンドツィーター ¥17,105,000
Audiaz OPERA DIAMOND 30mm diamond € 66.800 ( 約 ¥12,500,000)
Elixir Galahad 30mm diamond € 399.000 (約 ¥68,000,000)
Estelon EXTREME MK II ULTIMATE $269,000.00 (約 ¥40,000,000)
Kharma Exquisite Midi Grand 2x25mm diamond $200,000
Lumen White Lumen White Lumyere € 125.000 ¥23,700,000
これらは、みなAccuton社のダイヤモンドツィーターを使用しています。25mmの口径が多い様ですが、私たちが驚いてのは、その上の30mm口径のdaiamond tweeterでした。
by TANNOY-GRF
| 2024-08-07 13:44
| オーディオ雑感
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Comments(3)
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GRF
at 2024-10-03 21:02
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夏真っ盛りの七月の末に、夜香さんのお宅まで行って、ダイヤモンドのツィーターを拝聴してきました。現在のハイエンドスピーカーメーカーのほとんどから御用達に指定されているスピーカーです。システムの価格は、今までの常識より一桁上がって到底買える価格ではなくなっています。その片鱗をツィーターで味わおうということでダイヤモンドツィーターの音にに会うことができました。そのAccuton社のホームページには、ダイヤモンドを使っているメーカー名が書かれていました。そのほとんどは、まだ日本には入ってきていませんし、これからも入るとは思えないのです。でも、世界の趨勢がどう動いていくのかを知るために調べてみました。誤りもあるかもしれませんが、驚きました。
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椀方
at 2024-10-04 12:01
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Martenのコルトレーンは以前kanataさんのお宅訪問で聞かれたと思いますが、これも肝はダイヤモンドツイーターだったのですね。
kanataさんの嗅覚には驚きです。
kanataさんの嗅覚には驚きです。
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TANNOY-GRF at 2024-10-04 14:30
椀方さん この時はダイヤモンドツィーターとは余り認識していませんでした。しかし、今この文章を読み返してみると、ダイヤモンドツィーターの音の特徴が書かれていますね。
https://tannoy.exblog.jp/33807085/
https://tannoy.exblog.jp/33807085/