2025年 05月 13日
S.Yさんが、去年の秋のお彼岸以来 |
連休明けの週末の土曜日は、午前中は雨でした。去年の秋のお彼岸以来のS.Yさんがこられた3時頃には、雨は止んで来ました。五月の雨は一雨ごとに夏が近づいて来るのを感じます。雨で湿度は55%を超えていますから、今日お聴きいただく音は先週よりはゆったりとしているでしょう。

S.Yさんとは、半年に一回ほどの交流ですが、お互い最近は、老人力がついて来ました。今日は3時間ほど聴いていただきましたが、体力的には、これぐらいが限界ですね。私も実験は色々続けるつもりですが、新しい機器の導入は、少なくなるでしょう。
でも、人間の耳の能力は、オーディオ製品より遥かに高いので、このツィーターの様にいつ画期的な製品が出て来るかは分かりませんからそれも楽しみではあります。
前回、S.Yさんがこられた9月の末ごろは、まだ、ツィーターの位置を色々と探している頃でした。ユニコーンの上に置かれていたツィーターが、開口部に置かれて、上の無指向性とは違いバックーロードホーンとの位相関係もあってきたようです。ツィーターがなていると言うより、大きなウーファーがゆったりと響いているような不思議な効果が出始めました。同じユニコーンで追実験を行っている椀方さんのところでも同じ効果が出て来ました。

この配置にツィーターを置くと、ホーンの開口部が、会場に通じる窓の様になって、会場の空気が直接感じられます。ユニコーンの場合、上に見えているDDDユニットから音が出ているのではなく、キャビネット自体が会場への開口部になって、部屋の壁も消えて、床もなくなり、あたかもユニコーンの後方がそのまま演奏会場になります。
S.Yさんも、その効果に驚きテレビの部屋での低音楽器や打楽器のホールでの位置がはっきりと浮かび上がる様には驚いていました。いつも比較に使っているソヒエフ・N響の先週放映されたショスタコヴィッチや、2024年の演奏会のカルメンやプロコフィエフを聴いていただきました。
1時間ほどテレビの音の変化を聞いていただき、次は和室のユニコーンとダイヤモンドツィーターとの組み合わせです。
S.Yさんが前回来られた去年のお彼岸には、ダイヤモンド・ツィーターはまだ来ていませんから、この組み合わせは、初めて聴かれます。いつもかけるハイティンクのショスタコヴィッチ15番第一楽章冒頭のグロッケンシュピーゲルの音から全く今までの音とは違います。視覚的な補助効果がなくても、歪みの少ないダイヤモンドツィーターの効果が冴え渡ります。これには感心していただきました。コンセルトヘボウのホールになる音ですね。
この冒頭の部分は、お客さんが来られる度におかけするので、何十回と聴いていますが、その度に感心します。本当に驚きですね。
以前の和室の音は、大きな部屋の様な奥行きは出にくいので、かぶりつきの迫力のある音を聴いていましたが、このツィーターが入ってから部屋の制限がなくなり、後ろの壁と畳の床が消えて、奥行きと空間が出て、大きな部屋と同じような音が鳴り始めました。6畳間であることを忘れます。
いつもの定番のCDをかけました。ツィーターの効果で、この様な音になったのを証明する手段として、CD34改も鳴らしてみました。見事な音です。
今日は3時から始めたので、各部屋とも1時間以内で回りました。それでも、それぞれの部屋の音の違いと、共通点を確認するには十分でしょう。最後に大きな部屋に来ました。この部屋だけが、ツィーターを導入していない元のままの音です。
しかし、他の部屋の音を聴いて、ツィーターがなくとも、SPの位置調整をより厳密に合わせると、音のピントが合って、奥行きのある三次元の音場が現れます。しかし、メインスピーカーの位置調整は、毎回こないます。前回あっていても、今回会っているとは限りません。
その重要性は、S.Yさんやパグ太郎さんなど、DDDユニットをお使いの方々は、薄い振動板の厚み分でも違うと、音場の出現が変わるのを知っていますから、ご自分で位置調整を行っています。今日も、最初の一枚を聞いて、やはり調整の必要性を確認してから、ほんの少し、トンでぴったりと合いました。そのわずかな差でこれだけ音場が変わるのは、本当に不思議です。
私達が使っているDDDユニットのチタンの振動板の厚みは、台所にあるアルミ箔とほぼ同じの、0.015ミリです。無指向性のSPですから、左右のSPは対向しています。その薄い膜一枚分(0.015ミリ)ズレただけで、左右の位相は反転します。左右のSPの位置をピッタリと合わせると、左右のSPの中央に歌手の声が合うのです。左右のSPがどの様にズレているかを体感的に習得することができるのです。
S.Yさんも、パグ太郎さんも同じDDDユニットですから、毎回お使いになる時、その微調整を行って、音の広がりを確認されています。今回も、一曲聴いて、微調整を行いました。すると、奥行き、歌手の立っている位置や向いている方向、後方のオーケストラの各楽器の位置関係や、ホールの大きさを感じることができるのです。
by TANNOY-GRF
| 2025-05-13 17:49
| 来たり
|
Comments(1)
連休から、お客さんを迎えて、そのツィーターの音を聴いていただきました。初めて聞かれると大変驚かれるのですが、お聞かせする方も毎回驚いています。なぜツィーターを追加するだけで、全体の音がこれほど変わるのか、耳の特性の不思議さを実感しています。




