2025年 05月 18日
S.Yさんのご感想 |
GRFさま
僕が『GRFのある部屋』にお邪魔するようになってから、十余年が経ちます。その間、ブログを拝読して、ある高みに達したという記述を読んで、聴かせていただくと、「それは先週までで、今は違う挑戦をしています」と、どんどん進化していました。しかし、今回のスーバー・ツイッター(儘)に関しては、遂にここまで来たという記述に、どうしても、その完成形を聴かせていただきたいと、無理なお願いをしました。
さて、最初に招かれたのは、テレビ用のユニコーンにセラミックのツイッターを組み合わせた映像の部屋。前回も少しばかり聴かせていただき、その効果は分かっていたのですが、いまさらながら、細部の再現性と重低音の表現には驚きました。ツイッターの有る無しは4Kと2Kの映像の違いに似ているかもしれません。ツイッターがないと音像は少しばかりソフトになる感じです。ツイッターがあると画面の外にある楽器の音も明瞭に聞こえます。また、微弱な音の再現もデイテールを伴って確固とした存在感を見せます。
続いて、和室のユニコーンにダイヤモンド・ツイッターの組み合わせ。
これまで、この部屋の音は何度か拝聴しておりますが、それに感化されてユニコーンを導入したのは、我がオーディオ人生の中でもハイライトでした。紹介してくださったGRFさんに感謝しています。
自動車の方にはポルシェに対してプアマンズ・ポルシェという言い方がありますが、我が家のセットはスピーカー以外はプアマンズ・オーディオです。それでも何とか形ばかりは、この和室の音に近づけようとしてきましたが、この日聴かせていただいた音は、まさに聴かなければよかった音でした。とても、ここまでの再生音は我が家では望めません。なにしろ、ダイヤモンド・ツイッターだけで、我が家の全オーディオ・セットよりも高いのですから。
和室の六畳の部屋が、我が家の十二畳で天井高が三メール強というオーディオ用の部屋よりも広く感じます。また、皆さんが感じる後の壁が無くなった感じも、一段と広々としました。特に、聴かせていただいたジャズのアルバムではウッドベースの音で、家鳴りがするほどの重低音を聴かせます。このスーパー・ツイッターで高音ではなく低音に効果がでるというのは、本当に謎です。
いわゆるオーディオ・アクセサリーで、ケーブルや電源、またはインシュレーターで音が変わるという経験は、感じますが、まあちょっと変わったけど、好き嫌いの範疇だなとい感想でした。しかし、このセラミックとダイヤモンドのツイッターの音の変化は驚天動地といっていいでしょうし、他のアクセサリー類とは一線を画すものです。ただし、大山さんのフローティング・ボードは別物です。これは明らかに音楽の再現を数段階、向上させるものでした。
最後に極め付きの真打ちである『GRFのある部屋』での試聴。
ここでもスーパー・ツイッターを導入しているのかと思ったら、どこを見ても見当たりません。GRFさん曰く、今の装置には必要がない、とのことでした。僕が、和室と似た感じですね、と感想を述べると、何事かに気づかれたご様子で、やおら立ち上がれると、いつもの試聴用の声楽曲でスピーカーの音合わせ。例のトントンですね。
突然、空間が広がり、逆に今まで前面に展開していたソロの女声はすっと収斂して立ち姿を見せます。僕は我が意を得たりと声を出しました。これはすごい、素晴らしい。やはり、この部屋の音は別格です。
最後に越路吹雪のリサイタルを聴かせていただきました。その昔、日生劇場で聴いたコーチャンの姿が、目の前に。間奏で数歩、後に下がり、ボーカルパートになるとスカートを翻して進み出るとマイクを握る、あの日のコーチャンが、そこにいるのです。
最高に素晴らしい一時をありがとうございました。
S.Y
S.Yさん
先週はお越しいただきありがとうございました。長年、私のうちの音をお聞きいただきありがとうございます。テレビの部屋と和室の六畳も、同じ頃に生産されたユニコーンを使用していますが、駆動するアンプ類は全く違います。テレビの部屋ではSD05一台で、DACとプリメインアンプを兼用させています。反対に和室の部屋では、トランスポートを除けば、大きな部屋と使っているアンプ類はほとんど同じです。
テレビの部屋では、大きな画面の映像とのマッチングが大切です。視覚的な情報の影響は大きく、音だけでは聞けない情報も視覚的に入って来ます。また画面の二次元的な情報と音場という三次元の情報をマッチングするには、無指向性のユニコーンはうってつけです。その状況で、バックロードホーンの開口部にツィーターを置くと無指向性の音場だけではなく、平面を広げる二次元的な空間の範囲が広がります。セラミックツィーターは、ダイヤモンドと違いツィーターを置いた位置がわかります。ユニコーン単体がなっている状態から、ツィーターが、床の方まで音楽を広げていくからです。2.5次元的とも言うべきでしょうか?
それに比べ、和室では視覚的な情報がない分、三次元の情報が大切です。結果として、背後の壁も、床の畳も消えて、コンサートホールの空間が広がります。ユニコーンも消えて、和室の部屋も消えて広がるコンサートホールの大空間には驚きます。ユニコーン単体でも、その様な響きが出ていたのですが、ダイヤモンドのツィーターが加わる様になって、まるでコンサートホールへの扉を開けた様に、ホール特有の大空間が現れます。そのリアリティーには、訪れていただいた方々に驚きを与えています。CDからこの様な音がするのは実際に聞かれないと信じられません。
それに比べ、ユニコーンでは出せない20Hz〜20,000Hzまでの広帯域の音を実際に出す、大きな部屋の装置は、部屋の三分の一以上の空間を必要とします。そこで出されている音場は、ユニコーンの様な仮想現実ではなく、実物大の再生を目指しています。もちろん、生のオーケストラのダイナミックレンジをそのまま持ち込めませんから、ステージからの距離は必要ですが、再現されたオーケストラの楽器の位置感などは、大変安定しているし、実在感があります。DDDのユニットが、十分値域を確保していますから、現在の装置の構成では、ダイヤモンドのツィーターを鳴らす必要はないからです。
こちらの部屋できくアナログレコードの音も、光カートリッジで、従来聞けなかった、最低音域も再現できて、とてもレコードがなっている音ではありません。今日も最後は、大好きな越路吹雪の日生劇場の実況録音盤を聴いていただきました。そのまま、1979年の日生劇場へワープするのが堪りません。
S.Yさん また越路吹雪を聞きに遊びに来てください。
by TANNOY-GRF
| 2025-05-18 22:42
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Comments(2)
大きなへやは各ユニット間の位置調整が大事です。毎日聴いていても、本当に微妙に位置はずれています。聞く前に軽いトントンが必要ですね(笑)。
GRFさま
和室は仮想現実、『GRFのある部屋』の方は実物大の再生、という表現が分かりやすく、違いが理解できました。また、お邪魔したいと思います。よろしくお願いいたします。
S.Y
和室は仮想現実、『GRFのある部屋』の方は実物大の再生、という表現が分かりやすく、違いが理解できました。また、お邪魔したいと思います。よろしくお願いいたします。
S.Y





