2025年 05月 28日
久しぶりの多目的ホールの音 |
今回のカーチュン・ウォンさんのマーラー 第五番の演奏会は、サントリーではなく大宮のソニックシティで行われている、日本フィル埼玉演奏会に行ってきました。翌日のサントリーホール のチケットも買えたのですが、先日の第二番のテレビ中継を聞き、マーラーの交響曲だと音が飽和するかもしれないと思ったのと、サントリーホール の客層のことも考えました。
しかし、今回ソニックホールへ行って、典型的な多目的ホールで、キャパシティも2,500名と大きく、後方の席まで音が届くのか懸念したぐらいです。私の席は、一階の通路より少し後方の22列でした。練習中の音を聴いたら、その通路より幾分前の席の方がオーケストラの音が近く感じましたが、実際に大迫力の演奏が始まったら、私の席で充分すぎるほどでした。
一階左右、後方一階(実際は二階)、二階、実際は三階左右の後方にしか出入口がありません。そのドアは大きいのですが、ホワイエで待っているとき、入り口がわからないので、案内板を二回も見に行ったぐらいです。一回のホワイエに向いて出入口はなく、一回の後方から入る出入口は、階段を上がった二階のホワイエから入り、二階席は三階・四階からです。
通常のステージですから、サントリーホールやミューザ川崎の様なホールの様なステージ後方まで席が囲んでいる、ワイン ヤード方式ではなく、ステージの後ろと左右は反射板が取り付けられて、音は皆、前に押し出されます。上野の東京文化会館見たいな造りだし、音響も迫力もそうでした。大きなホールでしたが、ステージ上から左右に開かれるホーンみたいな形状です。オーケストラ後方の音は反射板で全て前に来ますから、サントリーホールより大きな音がします。しかし立体的な響きではなく厚さはありませんが、音が強固です。
フルオーケストラで、この様な強固な音は、最近はあまり聞いたことがありませんでした。座席も、横の壁方向にはなく、大きなホールの全席が、ステージと対峙して、オーケストラの音を受け止めます。回収する前の武蔵野文化会館第ホールみたいでしょうか。いやいやあそこよりもまだ、多目的ホールだと思っていました。
マーラーは、管楽器は4管編成以上の大オーケストラで、ステージ一杯で、並び切らないのでは心配するほどでした。チェロコントラバスは、8名づつで、第二番見たいな10名編成ではありませんでしたが、昔聞いたシカゴやソヴィエト時代の大オーケストラの音を彷彿とさせる響きでした。第三楽章のホルンがソロを吹くところなど、会場中に音が広がり圧倒していました。
その管楽器は多人数でしたし、レニングラード・フィルに匹敵する様な大音量で、日本のオーケストラ がここまで鳴らすかと、びっくりしました。ただ、弦楽器は第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンの音が、今少し昇華して欲しいですが、チェロとコントラバスの響は、日本のオーケストラの音を超えていました。その迫力は、テレビでは伝わりません。東京文化会館の一階中央席の様に、ステレオと対峙して、SPの中央で聞いている様な感覚です。
カーチュン・ウォンさんの指揮は、曲の構成をしっかりと聞かせて、音の隅々まで鳴らし切ります。第4楽章もメランコリックに流されるのではなく、幾分ドライ気味です。弦楽器もこれから、メンバーが今少し若返ると音は切れてくると思われます。日本フィルはこれから楽しみですね。ウォンさんが常任の内に色々と聞いてみたいです。彼はこれからもっと大きなオーケストラを振る指揮者ですから。
アメリカのメジャーオーケストラに抜擢されると大化けするでしょう。在京の他のオーケストラも、これを契機に随分と変わっていくのではないでしょうか?N響もあれほど変わってきたのですから。
by TANNOY-GRF
| 2025-05-28 10:30
| オーディオ雑感
|
Comments(1)
今回の埼玉での音を聴いて、現在大阪の拠点で使っているHartleyのConcertmasterの音だと思いました。この圧倒的な最低域を出せるSPは他にありません。それといよいよ"Consequence"も出さなければ!と思いました。



