大きな違い

7月中旬にズボンを買いに行き、そのついでに家具屋でベッドを試乗？をして、車の鍵をそのベッドの上に落とした一席をお話しましたが、その翌日、上野の文化会館に行く時に、神田駅から上野方面に行くつもりが、反対方向の東京方面の電車に乗ってしまいました。東京駅で、内回りのホーム山手線のホームに戻る時、エスカレーターがなく、長い階段を登りました。長い階段を登るのは久しぶりです。昔の階段なので、昔の日本人に合わせて階段の高さと奥行きも短く出来ていると、妙に感心したのを覚えています。昔のように階段は駆け登るのは流石にできませんでしたが、途中で息も切れずに登ってきました。

しかし、文化会館で音楽を聴いているうちに、だんだん腿が冷たくなってきました。コンサートホールは、空調の必然性から、一年中風が回っています。特に夏の空調は冷たいばかりではなく、風の勢いも結構あります。紀尾井ホールの定期会員だった時の席は、二階の空調の吹き出し口に近く、いつも上着は必需品でした。今回も暑い思いをして、上着を着てきたのですが、ポリエステルのズボンの腿の上が寒かったのです。

翌日から、階段で無理した腿と膝に痛みが出て、家の階段を痛みで登れなくなり、階段の取手を摑んで体を引っ張り上げる始末です。その痛みは翌週になっても治らなく往生しました。そこに、以前履いていたウール100％の古いズボンが、修繕から戻ってきました。先日新たに買ったズボンは、ポリエステル70%・ウール30％でした。戻ってきたウールのズボンを履いてみました。すると柔さが違います。内側の感触も違いますが、何よりも暖かいのです。

いつも座っているあたりは、クーラーの風が落ちてきて、ポリエステルが熱を奪い、腿のあたりが冷えていた様です。ズボンをウールに戻しただけで、階段を登る時の膝と腿の痛みが変わりました。翌日になると、この二週間の腿や膝の痛みは何だったのかと思うほど調子が戻ってきました。薄手のウール100％のズボンを探さないとダメな様です。

ようやく階段を登れる様になった木曜の夕方、久しぶりに大山さんが寄ってくれました。彼は公私共に忙しかった様です。久しぶりに会うので、お互いの近況やこれからの実験の打ち合わせを行いました。ここ半年大山さんは、DSPに依るチャンネルデバイダー実験からわかってきたことや、私のツイーターを付加する場所と、使いこなしなどの解ってきたことを情報交換しました。

大山さんは、Accutonのツイーター用に、専用の台を無垢の黒檀で作っており、それを取り付けると、どの様に音が変わるかを試してみました。

ユニコーンの明るい色には、黒檀は合わないのですが、この台があると位置調整が簡単に行えます。丸くくり抜いた黒檀の原木で作られていますので、音は安定しています。バッフル面が出来ることで、位相特性が変わるので、ユニコーンとの音場がどの様に変化するかを実験してみました。

音は変わります。バッフル効果でツィーターの大きさが変わった様に聞こえます。-6db回路特有の音の繊細さではなく、音の柔らかさが表に出てきます。12dbのフィルターを使用している様な位相特性に変わります。色々なソースを聞き直しました。位置調整は簡単に微調整ができます。

二日間実験をして、色々なソースも聞きましたが、一旦、もとに戻しました。ユニット単体で使うのと、バッフル板を使うのでは、音の広がりが違います。ユニット単体の場合は、ユニコーンの下で使うと、ユニコーン全体がなります。バッフル板を使うと、帯域は広がるのですが、特有の音場がなくなります。和室のBD-30でも試しましたが、やはり音場を追求する場合は、ツィーター単体で使った方が、回析効果もあり音の透明度や、空気感が違います。音場の再生を行う場合は、格好が良いのは後回しです。

私の場合、オーディオ機器の姿をよく見せるためにはしていません。ヴィンテージ を求めているのではなく、あくまでも現代の技術で、昔の音を現在に再現させたいと思っているからです。昔のオーディオ機器のカッコよさや、懐かしい音ではなく、あくまでも音場の再生を目指しています。

しかし黒檀製のバッフル板は、かっこいいですね〜。（笑）