2025年 09月 15日
幻のマーラーフェスティバル 2020 |
2019年のシーズンからベルリンフィルの首席指揮者に就任したペトレンコの評判は高く、デジタルコンサートホールで、モーツァルトのリンツを聞いて、その真摯な演奏に驚きました。バイエルン国立歌劇場の音楽監督の時に一回聴いただけなので、オペラではないペトレンコの実演を聞いてみたいとベルリンのチケットが入手可能か調べました。
就任の最初の年なので、チケットは完売です。でも、諦めずに探したら、5月にアムステルダムのコンセルトヘボウの会場で、マーラーの第六番を演奏するチケットが手に入ったのです!それはコンセルトヘボウで行われる予定の第3回マーラーフェスティバルの一環でした。そのメンバーは素晴らしく、
交響曲 第1番、2番: ヤープ・ファン・ズヴェーデン・NYフィル
交響曲 第3番、9番: チョン・ミョンフン・ロイヤルコンセルトヘボウ
交響曲 第4番、6番: キリル・ペトレンコ・ベルリン・フィル
交響曲 第5番、7番: ダニエル・バレンボイム・ウィーン・フィル
交響曲 第8番:ダニエル・ハーディング・マーラー室内管弦楽団
大地の歌: イヴァン・フィッシャー・ブダペスト祝祭管弦楽団
という、豪華メンバーで、数十年に一回のフェスティバルにふさわしいベストメンバーでした。そのベルリンフィルの最後のチケット、おそらくキャンセルで出て来たチケットを、コンセルトヘボウのチケットカウンターから手に入れました。僥倖です。
ところが、ご承知の通り2020年は、コロナの蔓延で、世界中の演奏会が中止されました。今でも残念ですね。
そのアムステルダムのマーラーフェスティバルより大きな企画が、マーラーとの関係もより深いライプツッヒでも進んでいました。
マーラー・フェスティバル in ライプツィヒ (2021年5月)
13日:交響曲第2番 ネルソンス・ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
15日:交響曲第5番 亡き子をしのぶ歌 ルイージ・ロイヤル・コンセルトヘボウ
16日:交響曲第6番 ラトル・ロンドン交響楽団
16日:交響曲第9番 ペトレンコ・ベルリン・フィル
17日:交響曲第3番 フルシャ・バイエルン放送交響楽団
18日:交響曲第10番 ガッティ・グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団
19日:交響曲第4番 《大地の歌》ゲルギエフ・ミュンヘン・フィル
20日:交響曲第1番 5つの歌曲 ハーディング・ウィーン・フィル
21日:交響曲第8番 ネルソンス・ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
22日:交響曲第7番《夜の歌》パッパーノ・ドレスデン・シュターツカペレ
23日:歌曲集《さすらう若者の歌》他 スタンツ・MDR交響楽団
こちらのフェスティバルは、2023年に開催されました。ロンドン響、ベルリンフィル、ウイーンフィルの参加はなくスケールは小さくなりましたが、このメンバーも魅力的でした。
マーラー・フェスティバル in ライプツィヒ (2023年5月)
18日:交響曲第2番 ネルソンス・ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
19日:交響曲第4番《大地の歌》 ソヒエフ・ミュンヘンフィル
20日:交響曲第5番 ミュンフン・コンセルトヘボウ
21日:交響曲第10番 グラジニテ=ティラ・バーミンガム市響
22日:交響曲第7番 ハーディング・バイエルン放送交響楽団
23日:交響曲第9番 イヴァン・フィッシャー・ブダペスト祝祭管弦楽団
24日:交響曲第1番 ガッティ・マーラーユーゲント
25日:交響曲第3番 ティーレマン・シュタートカペ・ドレスデン
26日:交響曲第8番 ネルソンス・ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
27日:交響曲第7番《子供の不思議な角笛》ラッセル・デイビス・MDR交響楽団
28日:交響曲第6番 ビシュコフ・チェコフィル
アムステルダムのマーラーフェスティバルは、翌年2021年も2022年も中止になりました。オーケストラのスケジュールは通常三年後まで予定は入っています。コロナ明けの2022年にスケジュールを再調整したら3年後の2025年からしか空いていません。そして、2025年にはウイーンフィル がスケジュールの都合で参加できなかったのです。
今回のN響のコンセルトヘボウ公演は、ある意味そのウイーンフィル の代打だった気もします。ウイーンフィル のピンチヒッターとは大それた抜擢ですが、常任指揮者がファビオ・ルイージだったことも影響したような気もします。ルイージは、コンセルトヘボウの常連でもありますし、マーラーフェスティバルに自分が率いるNHK交響楽団が参加するのは、コンセルトヘボウ側も助かったでしょう。
《マーラー・フェスティバル2025 in アムステルダム》
5月 9日 : 交響曲 第1番 クラウス・マケラ・ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
5月10日 : 交響曲第2番 イヴァン・フィッシャー・ブダペスト祝祭管弦楽団
5月11日:交響曲第3番 ファビオ・ルイージ・NHK 交響楽団
5月12日:交響曲第4番 ファビオ・ルイージ NHK交響楽団
5月13日:交響曲第5番 イヴァン・フィッシャー・ブダペスト祝祭管弦楽団
5月14日:交響曲第6番 ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン・シカゴ交響楽団
5月15日:交響曲第7番
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン・シカゴ交響楽団
5月16日:交響曲第8番 クラウス・マケラ・ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
5月17日:交響曲第9番 キリル・ペトレンコ・ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
5月18日:交響曲第10番/《大地の歌》ダニエル・バレンボイム・ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
改めて、イギリスやフランスのオーケストラがいないのは残念ですが、この顔ぶれを見ると現時点のベストでしょうね。主催者のコンセウロヘボウは、もちろんのこと、ベルリンフィルやシカゴが二晩も演奏するのですから。
さて、肝心のルイージ・NHK交響楽団の演奏です。
コンセルトヘボウの会場だし、マイク集音も現地のアレンジだし、いつものNHKホールやサントリーホールとは違った、有機的な音がしていました。音の取り方も違いますが、同一会場での他のオーケストラとの差もはっきりとわかります。
初日は交響曲第3番ですから、N響のメンバーほぼ全員が並んでいました。管楽器の首席奏者も、ダブルで出ています。横に4人づつ、各パートが勢揃いです。ホルンは、9人もいました。弦楽器も各パートの主席が並ぶ滅多にみられない構成です。
ホルンはいつもより頑張ってはいましたが、強奏の部分ではなく、三楽章以降の弱音部分で、音が不安定になるのが残念です。トロンボーンもソロの部分では相当頑張っていましたが、金管楽器全体がなる時の有機的な、複雑な響きが薄く感じました。その点、今回、このフェスティバルに出てくる他のオーケストラでは、音に一層の厚みや迫力を感じます。
そして一番気になったのは、ティンパニーの力の弱さです。N響のひ弱さは、ティンパニーと大太鼓の迫力の無さから来ています。N響的には、100点に近いいい演奏なのでしょう。しかし、他の一流オーケストラを聴くと、果たしてマーラーフェスティバルで演奏されるべき水準なのか、考えさせられます。オリンピックの100メートルの決勝のように、他をぶっちぎる強烈な力が必要だと思うからです。録音時、オーバーレベルでレベル系の針を振り切って、赤いランプがつくような迫力が足りないように感じます。ルイージの性急で細かい解釈が合わないのかもしれませんが。
by TANNOY-GRF
| 2025-09-15 06:04
| 演奏会場にて
|
Comments(3)
教育テレビ、今はEテレでしたか(笑)で見ました。テレビのスピーカーなので、微妙ですが、確かに大太鼓のアップの時に音が小さいなと感じました。
録画しておいた演奏を視聴しましたが、普段NHKホールやサントリーホールのような平面的なステージで演奏慣れしているからか、ひな壇状の高低差のあるステージでは勝手が違ったかも知れませんね?
コンセルトヘボウでのマーラーフェスティバルにN響が招聘されたのも一つの縁ですから、演奏したのが良い経験になって一皮剥けるのを期待してます。
コンセルトヘボウでのマーラーフェスティバルにN響が招聘されたのも一つの縁ですから、演奏したのが良い経験になって一皮剥けるのを期待してます。
リウーさん 椀方さん
やはり演奏の音が小さいのでしょうね。オーケストラはホールによって育てられます。N響見たくNHKホールとサントリーホールn2カ所以上で演奏している場合、なかなか音量も定まりませんね。先週末、日本フィルのマーラー6番を聞いて来ました。音量は十分すぎるほどで、東京の交通のアクセスの良い場所に、ミューザと同じぐらいの音の良いホールが必要ですね。
やはり演奏の音が小さいのでしょうね。オーケストラはホールによって育てられます。N響見たくNHKホールとサントリーホールn2カ所以上で演奏している場合、なかなか音量も定まりませんね。先週末、日本フィルのマーラー6番を聞いて来ました。音量は十分すぎるほどで、東京の交通のアクセスの良い場所に、ミューザと同じぐらいの音の良いホールが必要ですね。




