2026年 02月 04日
レコードを聴かないと |
最近、ベーゼンドルファーを使用して録音している日本の演奏家が増えている気がします。積極的にベーゼンドルファーが攻勢をかけているのでしょうか?杉並公会堂には、スタインウェイ二台と、ベーゼンドルファー、そしてベヒシュタインがあります。いつか、その4台を使った演奏会を開催して、録音したことがあります。生で三種類のピアノを聞くとそれぞれの特徴がよくわかります。
スタインウェイは、フレームがしっかりしていて、強靭な音がするという印象です。アラウの豊かで力強い演奏のイメージです。アルゲリッチの左手というイメージもあります。ただ、生で聴くと音色や響いの違いがはっきりしているのですが、それが、録音を通じてどこまでわかるか、実際に聞いてみました。
ピアノの録音は、スタジオでの録音も多くあります。また、同じスタインウェイを使った演奏でも、録音時のエンジニアの感性によって随分と音は変わります。ホールでは広々とした空間に音が広がっていく演奏も、スタジオ録音だと、マイクが近接になったり、人工的な残響を付けられたり印象が変わるのです。演奏家によっては、スタジオ録音を嫌い、実際のコンサートホールで収録する人もいますね。
ピアノ協奏曲の場合はオーケストラと共演ですから収録場所もコンサートホールになります。ピアノの演奏会は小ホールでも、コンサートホール音の演奏が多いので、スタジオ録音の響きとは変わります。
ピアノに限らず、クラシックの演奏は、コンサートホールや教会の響きを聴いています。そのホール音のない、スタジオで聴く音は、やはり本来の音ではありませんね。ホールでの録音は、楽器から聞こえてくる音だけではなくホールから帰ってくる残響も含めての音になるからです。ジャズの様にピアノの中までマイクを突っ込んで、間接マイクで雰囲気を取る方法もある様ですが。
ベーゼンドルファーを代表する演奏家といえば、バックハウスです。DECCAの録音が多いです。聴いてみると50年代の録音とは思えないほど良い音ですが、スタジオ録音の感じですね。60年代後半のステレオ録音は、自然ですね。しかし、我々の世代ですとベーゼンドルファーの代表はグルダですね。彼のジャズピアノにも似た切れ味の良い音も、ベーゼンの音です。
そのグルダのベートーヴェンのピアノ協奏曲を聴いてみましょう。共演はホルストシュタインのウイーンフィルです。第二楽章を聞いてみました。いつもはアラウとドレスデンのこれぞスタインウェイという演奏を聞いています。グルダの音は全くそれとは違います。ムジーク フェラインの柔らかな、あの空間に音は広がっていきます。
その音を聞いていたら、このホールで演奏したウイーンのムラヴィンスキーのレコードを聴きたくなりました。ショスタコーヴィッチの第五番と、ブラームスの第二番の冒頭を聞いてみました。バックハウスの全集を棚に戻したら、そこにケルテッシュのブラームスの全集がありました。同じ第二番をきいてみます。同じホールなのに、全く違う音です。
次にピアノの音を確かめたくて、バレンボイム ・クレンペラー・フィルハーモニアで皇帝の第二楽章を聞いてみました。バレンボイム ですからピアノの音は違いますが、淡麗で正確なフィルハーモニア の音もベートーヴェン特有の低いコントラバス を静かに奏でていました。
今日は聞きませんでしたが、これにミケランジェリとジュリーニ・ウイーンフィル の皇帝を聞けば万全ですね。でも、今日はベーゼンドルファーの音がステレオでもはっきり聞こえるかの比較ですので、あまり回り道はできません。ベーゼンドルファーの音は、ベヒシュタインとスタンウェイの中間で、奥行きがもう少し豊かとでもいうのでしょうか。元の音を知っていればレコードでもその独特の響きは楽しめるでしょう。
これらのレコードを今の光カートリッジでは初めて聞きます。従来の重厚長大だけど見通しの悪い音から、コンサートホールの中央に移動してくれます。S/Nの良い音は、とてもレコードとは感じられません。深く広いホールの空間が現れます。こうなるとを聞き直さなければレコードがたくさん出てきました。残り時間を考えるともちろん全部は聞けませんが・・
by TANNOY-GRF
| 2026-02-04 21:14
| 好きなレコード
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Comments(2)
ベーゼンドルファーはヤマハが救済買収してから勢いを取り戻してきましたね。
ヤマハ自体もコンサート用ピアノを手掛けているのですが、ウィーンフィル独特の楽器の修理やリビルドも手掛けているので、それらの繋がりが有るかもしれませんが?
スタインウェイをはじめとする一般のコンサート用グランドピアノは88の鍵盤数ですが、ベーゼンドルファーは昔から92鍵盤や97鍵盤でないと演奏出来ない曲を演奏するために最低音部を拡張したコンサート用グランドピアノを製造していましたから、この1オクターブも下の最低音を鳴らす弦の存在も響きに影響を与えているのでしょうね?
グルダの演奏はチックコリアと弾いたモーツァルトの2台のピアノのための協奏曲がありますが、おそらくチックコリアはヤマハを弾いていてグルダはベーゼンドルファーなのかな?
ヤマハ自体もコンサート用ピアノを手掛けているのですが、ウィーンフィル独特の楽器の修理やリビルドも手掛けているので、それらの繋がりが有るかもしれませんが?
スタインウェイをはじめとする一般のコンサート用グランドピアノは88の鍵盤数ですが、ベーゼンドルファーは昔から92鍵盤や97鍵盤でないと演奏出来ない曲を演奏するために最低音部を拡張したコンサート用グランドピアノを製造していましたから、この1オクターブも下の最低音を鳴らす弦の存在も響きに影響を与えているのでしょうね?
グルダの演奏はチックコリアと弾いたモーツァルトの2台のピアノのための協奏曲がありますが、おそらくチックコリアはヤマハを弾いていてグルダはベーゼンドルファーなのかな?
椀方さん このチックコリアとの共演で使ったピアノは、ベーゼンでもスタインウェイでもなく、ヤマハのコンサートグランドの「CFシリーズ」だと言われています。チックコリアがこの頃ヤマハと契約していたそうです。私はまだ聞いていませんから、断定はできないのですが。



