2008年 09月 04日
静かな環境こそ |
オーディオ再生で一番大事なものと問われれば、私はS/N比だと答えざるを得ません。都会ではなかなか静かな環境を得るのが難しいのですが、それでも明け方近くの頃が、世の中が一番静かな時間帯でしょう。遠くの新聞配達の音がかすかに響いてくるだけの時間が一番静かです。もしあなたが寝て起きた状態なら耳も休息していて、一番感度の良い状態にあります。普段小さな音でボリュームの位置で九時頃で聴いている方も、早朝は7時頃でも聞こえてきます。
常用のSD05の真価はその小さなボリューム時に最大限に現れるように思います。アナログ増幅と違い、信号がボリュームを通りません。ボリュームは単なる電圧制御なので、音を絞っていっても特性に変化は無く、低い音から高い音まで痩せたり、落ちたりすることは無いのです。その為、通常のアンプでは考えられないことが起こります。
7時半ぐらいの絞った音量でも、深々と低音が聞こえ、楽器の定位も同じ位置のままで、音量だけが小さくなるのです。特にSPをニアーフィールド(近距離)配置で聴いている場合、SPの位置が近くですから、細かい音の動きがよくわかります。精密なカメラでファインダーをのぞいているような世界が、周辺までぼけずに精密に隅々まで再現されている精緻なミニチュアの世界をみることが出来るのです。
あたかもオペラ劇場の天井桟敷から、はるか下の舞台を見下ろしているようでいて、音はすぐ隣でささやくような音も拾っているような驚きの世界でもあります。それが聞こえるのも、周りの音が静かであればこそです。
山梨の山のなかに、自宅を建てた友人がいます。もともとは、引退した両親の為にと建てた建物だったのですが、現在は週末の家として使っています。大月のあたりまでの中央線沿いは結構開発が進み、都会と変わらなくなりましたが、富士急沿線は運賃が高い所為もあってなかなか開発が進んでいません。その為、沿線から少し入ったところでは、極めて静かな環境が得られています。一帯は盆地の気候で昼間はかなり暑いのですが、日が暮れると涼しい風が吹き始めます。窓を開けて、静かに音楽を流していると、外と一体になり音がゆったりと流れ始めます。外に車の暗騒音がある都会では決して聞こえない音が聞こえてきます。
静かな環境にいると耳の感度も上がっていき、演奏会場の響きが聞こえてきます。そして、演奏会場の空気と一体化されたとき、オーディオを忘れその会場の中にいるのです。演奏会場の音場が再現されているからです。目の前のSPからは音は聞こえず、今いる部屋も消えて会場の中にいるのです。その為には、再生される空間の大きさと密閉されていない空気の動き、全体の静けさが必要となってきます。鳥の声で目が覚めるような環境にいてこそ音楽と一体化するのでは無いでしょうか?
ベランダから、空を見上げると夏の終わりの星座が満天に輝いていました。カシオペアが真上に見えています。時間も真夜中です。暗い北極星が見える環境こそ必要な気がします。演奏会は都会でなくては毎日開かれませんが、S/Nの良いところでのCDの演奏会は、毎日楽しめます。この頃は、ハードディスクでの再生が普及してきました。町の図書館で借りだしてきた長尺のオペラのCDを秋の夜長にゆっくりと楽しまれたら音楽会の為に都会にいる必要は無くなりますね。友人のように本格的な料理を憶えると、レストランの必要もないし、、、。
常用のSD05の真価はその小さなボリューム時に最大限に現れるように思います。アナログ増幅と違い、信号がボリュームを通りません。ボリュームは単なる電圧制御なので、音を絞っていっても特性に変化は無く、低い音から高い音まで痩せたり、落ちたりすることは無いのです。その為、通常のアンプでは考えられないことが起こります。
7時半ぐらいの絞った音量でも、深々と低音が聞こえ、楽器の定位も同じ位置のままで、音量だけが小さくなるのです。特にSPをニアーフィールド(近距離)配置で聴いている場合、SPの位置が近くですから、細かい音の動きがよくわかります。精密なカメラでファインダーをのぞいているような世界が、周辺までぼけずに精密に隅々まで再現されている精緻なミニチュアの世界をみることが出来るのです。
あたかもオペラ劇場の天井桟敷から、はるか下の舞台を見下ろしているようでいて、音はすぐ隣でささやくような音も拾っているような驚きの世界でもあります。それが聞こえるのも、周りの音が静かであればこそです。
山梨の山のなかに、自宅を建てた友人がいます。もともとは、引退した両親の為にと建てた建物だったのですが、現在は週末の家として使っています。大月のあたりまでの中央線沿いは結構開発が進み、都会と変わらなくなりましたが、富士急沿線は運賃が高い所為もあってなかなか開発が進んでいません。その為、沿線から少し入ったところでは、極めて静かな環境が得られています。一帯は盆地の気候で昼間はかなり暑いのですが、日が暮れると涼しい風が吹き始めます。窓を開けて、静かに音楽を流していると、外と一体になり音がゆったりと流れ始めます。外に車の暗騒音がある都会では決して聞こえない音が聞こえてきます。
静かな環境にいると耳の感度も上がっていき、演奏会場の響きが聞こえてきます。そして、演奏会場の空気と一体化されたとき、オーディオを忘れその会場の中にいるのです。演奏会場の音場が再現されているからです。目の前のSPからは音は聞こえず、今いる部屋も消えて会場の中にいるのです。その為には、再生される空間の大きさと密閉されていない空気の動き、全体の静けさが必要となってきます。鳥の声で目が覚めるような環境にいてこそ音楽と一体化するのでは無いでしょうか?
ベランダから、空を見上げると夏の終わりの星座が満天に輝いていました。カシオペアが真上に見えています。時間も真夜中です。暗い北極星が見える環境こそ必要な気がします。演奏会は都会でなくては毎日開かれませんが、S/Nの良いところでのCDの演奏会は、毎日楽しめます。この頃は、ハードディスクでの再生が普及してきました。町の図書館で借りだしてきた長尺のオペラのCDを秋の夜長にゆっくりと楽しまれたら音楽会の為に都会にいる必要は無くなりますね。友人のように本格的な料理を憶えると、レストランの必要もないし、、、。
by TANNOY-GRF
| 2008-09-04 07:22
| オーディオ雑感
|
Comments(2)
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Y.S
at 2008-09-06 12:25
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先日はT4のセッティングに遠路ありがとうございました。
なれ親しんだ「GRFのある部屋」でT4にめぐり合った時、私の「吹き抜けのある部屋」に”これならば!の予想通り、足元のT4から鳴り響いた音像は吹き抜けを満たし、私には待ち望んでいたコンサート・ホールの再現でした。
また極めて静かな環境だけに隣家に気をつかっていたのですが、小さな音量でも豊かさを維持してくれるので楽しみ方が変わりそうです。
歳のせいで、やたら早く目覚めるこの頃、音が染み入る夜明けに聞く楽しみが増えそうです。
オーディオ・マニアでもない私があきらめていただけに田舎暮らしには、実にうれしいものです。ありがとうございました。
料理の腕も磨きましょう!また遊びにきてください。
なれ親しんだ「GRFのある部屋」でT4にめぐり合った時、私の「吹き抜けのある部屋」に”これならば!の予想通り、足元のT4から鳴り響いた音像は吹き抜けを満たし、私には待ち望んでいたコンサート・ホールの再現でした。
また極めて静かな環境だけに隣家に気をつかっていたのですが、小さな音量でも豊かさを維持してくれるので楽しみ方が変わりそうです。
歳のせいで、やたら早く目覚めるこの頃、音が染み入る夜明けに聞く楽しみが増えそうです。
オーディオ・マニアでもない私があきらめていただけに田舎暮らしには、実にうれしいものです。ありがとうございました。
料理の腕も磨きましょう!また遊びにきてください。
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GRFの部屋
at 2008-09-06 12:33
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Y.Sさん、コメントありがとうございました。
しっかりと作られた、本格的な木造住宅の響きは格別です。ピアノ用にしっかりと作られた床が真価を発揮していました。
吹き抜けの音の抜けも素晴らしく、T4を製作された大山さんも驚かれていましたね。沢山の音楽を聴いて楽しんでください。
料理のレパートリーを増やしたら、また知らせてください。私のHD1を持って遊びに行きます。
しっかりと作られた、本格的な木造住宅の響きは格別です。ピアノ用にしっかりと作られた床が真価を発揮していました。
吹き抜けの音の抜けも素晴らしく、T4を製作された大山さんも驚かれていましたね。沢山の音楽を聴いて楽しんでください。
料理のレパートリーを増やしたら、また知らせてください。私のHD1を持って遊びに行きます。