2008年 09月 29日
我輩の主人の部屋 前編 |
我輩は猫である。
名は有るが方々のところで違う名で呼ばれているので、どのように呼ばれようが我輩は気にしていない。気が向いたときにガラス戸の前で「入れてください~」といっているような仕草をすると、この部屋の主もすぐに入れてくれる。
この部屋の主人はいつも、西洋音楽とやらを大きな音で掛けているが、我輩は気にもせず指定席で知らん顔して寝ている。
時々この階段を上がって我輩の専用の部屋に人が来る。すると主人は我輩を追い出し、慌てて今まで座っていた安楽椅子の上の毛を掃除をする。この部屋を訪れる客人はなにやらクラシックレコードのコレクターと呼ばれている輩が多いようである。主人によると、寄るのは、その道ではよく知られる宮崎のE氏、大阪のK氏、兵庫のN氏などが上京の折には必ず寄って行くのである。
この家の主人は、我輩の部屋にも無数に転がっている古いクラシックレコードのコレクターである。なにやら40年以上も集めてきたレコード収集では、量ではくだんのE氏にはかなわないそうだが、50年代から60年代のドイツ音楽のオリジナルレコードの分野では、一目置かれているそうな。そのE氏が連載しているクラシックレコードのジャケット紹介のページに、我輩も見覚えの有るレコードも何枚か入っていたぐらいである。
我輩も大好きな、昔ながらの急な階段を上がって部屋にはいると、すぐ左側にはEMT927と呼ばれる大きなレコードプレーヤーがある。 ターンテーブルが大きいから、掛かっているLPが25センチ盤に見えると、訪れる友人達は言っている。 昔のレコード制作原盤検知用のプレーヤーなので、直径44センチあるそうな。程度が良く力強い音を生み出している。使用しているカートリッジはオルトフォンのSPU-A型タイプで、主人の弁によると、シェルは特別に振動を無くして針への負担を少なくしたタイプだそうである。音の差もだが、吝嗇な主人は何よりも針の摩耗が少なくなったと喜んでおる。もっともそのシェルも相当な価格なのでどちらが経済的なのかは我輩は感知しないが、、、、。
この部屋の主人公のもとを、時折、不遠慮な太った男が来る。今日も今日とて、買ったばかりと自慢する最新式のデジタル一眼レフなるモノで、我輩の部屋の中をばちばちと撮っていった。この男は主人の幼なじみなのだそうだ。その昔、若かりしころの主人と自転車で銀座のレコード店まで輸入盤を買いに行った話は、ブログの最初の頃に載っているといっていた。
その旧友が言うには我輩の部屋の主人の出している音は、一言で言えば整備のよく行き届いた大型のSLだそうである。それも当初はD51みたいな音だったが、段々洗練されC-62になり、現在は、アンプをWESTERN化したら、満鉄時代の蒸気機関車の様に豪壮で迫力のある音になってきたと言っていた。何を意味するかは我輩には解らんが。
このプレーヤーの台は、宮崎の友人の知り合いの大工に作ってもらったと、主人は喜んで語っていた。良い出来である。 この黒いモノはフォノイコライザーとプリでウェスターンの回路を当時の部品で再構成して作ったモノで、アンプ制作を趣味にしている主人の旧友が、時間を掛けて作ってくれたそうな。内部も良く作り込まれている。別シャーシーでしっかり組んであるので音の良さが出ているそうである。そのようなことを話しているときの主人は、顔が学生の時のように目を輝かしているのが端で見ていてもおかしい。 パワーアンプは、これも当時の部品を集めて再現されたWESTERNの映画館用のアンプで、91型と呼ばれているそうな。出来る限り当時の部品を集めて作ってるが、肝心の300Bによって音がガラガラ変わると、集まった同好の士が語っていた。一本20万もする球と普通の球を比較試聴したときは、いつもの冷静なN氏が大声を上げて、これか〜!これが違うのか〜!と叫んでいたのがとても可笑しかった。
もう、眠いからこの続きはまたにするのだ!ニャロメ!
名は有るが方々のところで違う名で呼ばれているので、どのように呼ばれようが我輩は気にしていない。気が向いたときにガラス戸の前で「入れてください~」といっているような仕草をすると、この部屋の主もすぐに入れてくれる。
この部屋の主人はいつも、西洋音楽とやらを大きな音で掛けているが、我輩は気にもせず指定席で知らん顔して寝ている。
この家の主人は、我輩の部屋にも無数に転がっている古いクラシックレコードのコレクターである。なにやら40年以上も集めてきたレコード収集では、量ではくだんのE氏にはかなわないそうだが、50年代から60年代のドイツ音楽のオリジナルレコードの分野では、一目置かれているそうな。そのE氏が連載しているクラシックレコードのジャケット紹介のページに、我輩も見覚えの有るレコードも何枚か入っていたぐらいである。
我輩も大好きな、昔ながらの急な階段を上がって部屋にはいると、すぐ左側にはEMT927と呼ばれる大きなレコードプレーヤーがある。
この部屋の主人公のもとを、時折、不遠慮な太った男が来る。今日も今日とて、買ったばかりと自慢する最新式のデジタル一眼レフなるモノで、我輩の部屋の中をばちばちと撮っていった。この男は主人の幼なじみなのだそうだ。その昔、若かりしころの主人と自転車で銀座のレコード店まで輸入盤を買いに行った話は、ブログの最初の頃に載っているといっていた。
その旧友が言うには我輩の部屋の主人の出している音は、一言で言えば整備のよく行き届いた大型のSLだそうである。それも当初はD51みたいな音だったが、段々洗練されC-62になり、現在は、アンプをWESTERN化したら、満鉄時代の蒸気機関車の様に豪壮で迫力のある音になってきたと言っていた。何を意味するかは我輩には解らんが。
もう、眠いからこの続きはまたにするのだ!ニャロメ!
by TANNOY-GRF
| 2008-09-29 21:32
| 行ったり来たり
|
Comments(3)
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hi-dee4
at 2008-09-29 23:13
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遊んでますね^^
デジタル一眼悔しいです
デジタル一眼悔しいです
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UNICORN
at 2008-09-30 01:57
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趣のある階段写真から漂ってくる匂い、GRFさんをして猫に語らせる気になったのが何とは無く判るSituationです、それにしても音楽大好きAudioファンの方のある種の極致的な佇まいが写真から匂ってきます、小生の使用しているアンプも91型アンプがある種のお手本になっています、特に一次側からのNFが91型アンプの音の大きな要因とのこと、ARMも初期にOrtofonがEMT用に作った物のようですし、持ち主のある種の美学が濃厚に感じられ不思議な気持ちになります、猫ちゃんの続編期待しております!!
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(Y)
at 2008-09-30 02:13
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おっ! 始まりましたねー。いつもに増して名調子ぶりが、この部屋から奏でる音の佇まいを想像させるというものです。それにしても使い込まれた和室に927、ウエスタンがなんとも馴染んでいるではないですか! さてスピーカーを勝手に想像させていただくとしましょう。