2024年 01月 23日
横浜のMさんでのテープを聴く会 ③ 開演後 |
開演の時間は、二時からです。セッティングを終えて、ようやくMさんもシウマイ弁当のお昼をいただいて、準備完了です。ウォーミングアップに、フランク・シナトラとカウント・ベーシーのアルバムをかけました。暖かいサウンドです。安定感があり、レコードやCDとは全く違う、時間がゆっくりと流れていくような音が鳴ります。
開演前ですが、徐々に集まってこられた参加者で初めてお会いする方をご紹介していただきました。以前からお名前を聞いているレコードのマニアの方たちです。ただ最近は、いっぺんに複数の方をご紹介されても、覚える端から忘れていきます。お名前は、漢字で見ないと覚えないのかもしれませんね。音楽の会では、名刺交換はしませんから、何回もお聞きする始末です。
時間が来て、Mさんのご挨拶が始まりました。準備してあった、美味しそうなおつまみと、美味しい白ワインが出されました。これから音楽を聴くのに、アルコールが入るとわからなくなると、半数近くの方は、グラスに手をつけず、同じ色をしたお茶で乾杯しました。
最初の一杯だけはと口をつけましたが、美味しいシャルドネがいっぱいに広がります。飲まない方が多いので、手付かずのシャルドネ専用グラスを横目で見ながら、二杯目からはお茶を入れました・・・。大山さんの車で来れれば、空身で電車で来れれば、しっかりと飲めたのにと、いつまでも未練たらしく思っていました(爆)。
最初にNagraと知り合った顛末をお話しさせていただき、早速テープを聞いていただくことにしました。最初にお掛けしたシナトラとベーシーは、本当にスイングが素晴らしいです。強力なリズム群のスイングに乗って、分厚いサックスが柔らかな和音を奏で、トランペットが突き刺さります。そのリズムに乗って典型的な胴間声のシナトラの声が素敵です。男の色気を感じますね。
昨日録ったような音ですが、古き時代の暖かさに満ちた音でもあります。気持ち良い音です。皆さんも、聞いたことのない音だと驚かれていますね。レコードみたく低域をカットしたり、モノラル化していないので、最低域までしっかりと音が分離して、演奏会場の空間を出現させるのです。
レコード再生も、皆さん光カートリッジに切り替わったのは、MC型と比べた時の低域の再現性とクロストークでした。その問題がないテープの優位性は今聞かれている実在感になって現れます。
同じ組み合わせで、SANDでの実況録音盤を聞いてみました。これは、長尺盤なのでハーフスピードの9.5センチのスピードです。19センチからみると音質がと思われるでしょうが、全く遜色はありません。半速になったことで、低域はモリモリと出てくるのです。T-Audioのように機械の走行精度が高ければ、全く速度のハンディは感じません。
この盤は、レコードも最新のSACD盤も持っていますが、このテープの醸し出す雰囲気、実在感、カウントベーシーバンドの迫力は、再現できていません。皆さんもこれを聞いて驚かれたことでしょう。
この時代を代表するのはやはりプレスリーです。私の時代だと、ビートルズのロカビリー時代が最後で、その前のナット・キング・コール、プレスリーの時代ですので、Aさん以外の、今日来られる方々からは10年以上も時代が前かもしれませんね。
実況録音盤の草分けは、1959年のハリー・ベラフォンテのカーネギーホール コンサートです。切れ味の良いRCAのLiving Stereo 特有の音がしますね。
それより古いステレオのデモに製作された、1957年のDECCAの「The Stereo Sound」の音の凄さも特筆ものです。これはレコードも見事な音がします。光カートリッジで再生した時のリアリティはテープの音と同じなのには、本当に驚きました。
夢中で紹介していると、持ち時間はあっという間に過ぎます。その他にも色々とお聞かせしたかったのですが・・・7インチリールの最後におかけしたのは、ピーター・ポール・マリーのライブ版をおかけしました。時代が新しくなり、皆さんの範囲に入ってきたようです。
こちらが、用意していたテープでした。やはり、セルはお掛けしたかったですね。
この後は、皆さんがお持ちしたテープをお掛けしました。38/2トラをお持ちくださった方が多かったです。10号リールでは、マスター巻きという一回巻き戻して先頭を出したかける方法と、そのまま、冒頭からかける方法がありますが、先に巻き戻すか後から巻き戻すか、いずれにしても巻き戻さなければなりません。
Aさんがお持ちになられたソプラノ歌手と同じ盤のレコードとも聴き比べしました。フィッシャー ディスカウもありました。出典が明かせないジャズのテープ、京都のKさんがお持ちになられたABCレコードの新しいテープ、リンダ・ロンシュタットやアリソン・クラウスまで。色々とかかります。楽しいですね。
Mさんは、ソニー・ロリンズや、スタジオで、直接録音されたマスターというべきテープもありました。ピンクフロイドのマスターもあり、これも凄い音でしたが、これはMさんがレコードをお持ちで、その音と比較しました。このようなロックのレコードだと、直接音が多く、レコードが大健闘でした。さすがに光カートリッジのW3と夜香さんの専用イコライザーのModel1Bの威力が凄かったです。
そこで最終コーナーで、とっておきのテープを出しました。マスターダブと言われるテープで、保管されているマスターテープに万が一がある場合のバックアップ用に保管されていたのが、期限切れで出てきたものです。いわくはわかりませんが、クオリティはとんでも無く高く、この音を聞くとレコードやCDが聞けなくなるほどですので、いつもは封印して聞かなくしているほどです。
いつもは、きつい音だったり、痩せた音がするレーベルの音も、こうしてマスターを聞くと、そのイメージとは全く違う音に驚きます。会場で、この音が聞いた方はその差の大きさにびっくりされたことでしょう。実際の演奏会で聴くようなスケールもダイナミックレンジも広い、実演そのもの音がなります。Mさんの装置の真価が発揮されて、McIntoshの大型スピーカーとアンプの実力に今更のように驚きました。
気がつけば、始まって四時間も経っています。お名残惜しいですが、今日はこの辺でお開きにして、全てを撤収します。忘れ物がないよう慎重に後片付けをしました。この後は、親睦を兼ねた食事会です。私自身は、コロナ以降初めての親睦会です。Mさんご推薦の鴨鍋のお店で、今まで食べたことのない鍋料理で美味しかったですが、コースごとに準備に時間がかかり、まるでイタリアでディナーをとっているようだと思いました。でも、皆さん大満足で美味しかったです。
後記:車に積み込んだ機械類は週末は積みっぱなしで、月曜になりようやく2人掛かりで降ろしました。扱いに慣れてきたのか、積み込むときより楽でした。
#
by TANNOY-GRF
| 2024-01-23 07:57
| 友の会
|
Comments(5)